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「三国志・軍師連盟」に学ぶ権力闘争のやり方(3)あなたは謀略に関心がなくても、謀略はあなたに関心がある

 このドラマを見ていると、やれ名士だの君子だのをきどっているものでも、自分や自分の上を守るために、平気でうそをつき、陥れる場面が頻繁に出てくる。日本人的な感覚からすると、えげつない感じさえするが、むしろこれが世界標準なのかもしれない。
 しかし、自分も、ある人間を左遷するために刺身のつまのように、いっしょに飛ばされたことがある。要するに真意をカモフラージュするために体よく、道連れにされたわけであるが、してみると日本の組織でもこういうことは起こりうるということだ。この前も行ったように、権力者や上司は平気でいこういうことができる。
 たとえば曹操の二人の息子の跡継ぎ争いでは、相手陣営を陥れるために、巧みな罠が仕掛けられ、謀反の証拠が捏造される。それは本人というお寄り、それにくっついて栄達を遂げようとするものが、主君のためと称して、平気で人踏み台にし、犠牲にするのだ。策士とはそんなものである。特に曹植の参謀の楊脩というのが、知恵は回るが、悪だくみを凝らす。案外曹植の方は純粋なのだが、立場が彼をほおっておかないのだ。
 あなたもそういう際のスケープゴートにされないよう、予防線を張っておく、内部事情に詳しくなっておくことが必要だ。それでもいいように犠牲者にされてしまう。そうなったら打つ手がないということを経験してきた。権力者の意向は絶対なのである。
 そのためには社外に安全弁を確保しておくことだ。社内では専制君主でも、社外にまでは力は及ばない。外部的評価を高くし、外部に強い味方を作っておくこと、これしかない。あなたが純粋無垢で、派閥に興味がなくても、権力闘争している人間は常にスケープゴートを探す。謀略者はそこであなたに目を付ける。こいつを巻き込むとかえって厄介だ、ぐらいの人間でないと身を守れないことは知っておくべきだろう。

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