櫻夏0870

モノ書き&ベランダガーデナー&乳がんサバイバー 愛するベランダの植物…

櫻夏0870

モノ書き&ベランダガーデナー&乳がんサバイバー 愛するベランダの植物達と日々の気づき、闘病記録を綴っていきます。

最近の記事

『スモールワールズ』月1読書感想文 5月

『スモールワールズ』 一穂ミチ 2021年講談社 ままならない現実を抱えて生きる人たちの6つの物語からなる短編集。 その中から『魔王の帰還』について書きたい。 他の作品、全て良いのだが、ちょっとした毒や棘、晴天の中にふと雨雲が不吉な翳りを連れて来る様な感覚を覚える中で、この物語は「進め、進め!」と最後まで前を向かせてくれる。 ラスト数行で心を掴まれる読者も多いと思う。(わたしが完全にそうだった) タイトルの『魔王』実は女性。 その名は真央。27歳、身長188センチ、靴の

    • ベランダガーデニング(春)

      みなさん、こんにちは。 5月も半ばを過ぎて、今年もベランダのバラが花盛りになりました。 実はベランダガーデナー歴10数年余り。 バラとギボウシを中心に育てています。 と言っても、水遣りと時々の肥料さえ忘れなければ、後はあまり手を掛けていないと言うより、結構放ったらかし。 もうちょっとちゃんとお世話すれば、もっと花園みたいになるのかしら? 今年1番乗りの開花をした『アイスバーグ』 バラ殿堂入りしている品種で、丈夫で育てやすく、細目の枝がしなる程真っ白の花がたくさん咲きます。

      • 『ガソリン生活』 月1読書感想文 4月

        「ガソリン生活」 伊坂幸太郎 2016年 朝日新聞出版 この作品、タイトルの通り(⁉︎)主人公は車である。 望月家所有の緑色のデミオ『緑デミ(みどデミ)』がそれでである。 車をはじめとする自転車やバイクの二輪車や電車など、それぞれの意思を持ち結構みんなおしゃべり好きなのだ。 ちなみに、彼らには人間の言葉が分かりこちらの話をよく聞いているが、残念ながらわたしたちには、彼らの言葉は聞こえない。 近所の駐車場の主は友人であり、ファミレスや信号で一時停車した時にも、車同士噂話や

        • 高尾山の桜と近所の山野草

          みなさん、こんにちは。 先日、恒例の奥高尾の城山の桜を見に行ってきました。 城山は高尾山山頂から奥高尾山へ入る事、約1時間ほどのルートタイムです。 お茶屋さんの脇にちょっとした丘の様な芝生(?)があり、その真ん中に桜の木が1本います。 毎年、春はこの桜を眺めながらお昼を食べるのを楽しみにしています。 気持ちの良い空の下、ちょっと疲れた足を休めながらのコーヒーは最高! この城山の芝生エリアは結構有名な人気スポットで、桜の季節は混み合います。 今回はJR高尾駅からバスで小仏バス

        『スモールワールズ』月1読書感想文 5月

          『三千円の使いかた』月1読書感想文 3月

          『三千円の使いかた』 原田ひ香 2018年中央公論新社 既に読んだ人も多いとは思うが、かなり話題になった本。 ちょっと出遅れて図書館に予約を入れたら、待つ事2年!更にまだ後ろに200人程の利用者が待っているという凄さ。 それもこれも、『人は三千円の使い方で、人生が決まるのよ』と本文にもある通り、貯金や節約、お金の使い方等、普段の自分の生活と重なる内容に読む前から期待が膨らむ。 貯金に目覚めた社会人2年目の美帆。 3歳児の子育て中の姉は、夫の少ない稼ぎの中で上手にやり繰り

          『三千円の使いかた』月1読書感想文 3月

          『春の捨て捨て月間』 シンプルライフvol.8

          みなさん、こんにちは。 先日、仕事用のシャツを数枚新調しました。 うきうきクローゼットに仕舞おうとして、 「ハンガーが足りない…」 1本ハンガーが足りません。 クローゼットは滑り止め付きの同じ種類の100均のハンガーで揃えています。 「あー買いに行かなきゃ」 と一瞬考え、危うく「明日仕事帰りに買ってこよう」なんて予定を立てていました、が!ここで気がつきました。 「ハンガーを買い足すんじゃなくて、ハンガーの数に収まる様に、服を見直すべきじゃない?」 そうなんです。 買い足

          『春の捨て捨て月間』 シンプルライフvol.8

          東京マラソン応援とCoffee HOLIC

          先週、夫が出走した東京マラソンの応援に行って来ました。 8回目の応募にして、やっと目出たくの当選。 応募倍率が猛烈に高い東京マラソン。 今回より、3回連続で外れた人は抽選チャンスが1回分プラスされ、そのチャンスが活かされました。 通常のマラソン大会では、手荷物の預かりがあるのですが、東京マラソンは有料のさらに事前申し込み。 なので、応援を兼ねての荷物持ちで出動です! ゲート近くまで付いて行き、着替え等が入ったリュックを受け取ってお見送り。 その後は、お目当てのトップ選手を

          東京マラソン応援とCoffee HOLIC

          『貴婦人Aの蘇生』月1読書感想文 2月

          『貴婦人Aの蘇生』新装版 2023年朝日文庫 主人公の『わたし』は経済的な理由から、夫に先立たれ孤独となったユーリ伯母さんと伯父が残した古びた洋館での共同生活を始める。 伯母さんは亡き伯父がある日いきなり連れて来た年上のロシア人の女性、伯父と結婚した時からかなり歳を重ねており、ロシアから亡命して来たと言う以外には詳しい素性は謎のままの人物。 小川洋子の小説は、何処の土地で起きている話なのかハッキリとしないものが多い。 今回も多分、日本?でも、ヨーロッパの古くさいちょっと湿

          『貴婦人Aの蘇生』月1読書感想文 2月

          それでも日々は過ぎて行く〜乳がんになりました⑧

          みなさん、こんにちは。 術後半年の検査に行って来ました。 術後の調子は順調 今回は他の箇所に転移が無いかどうか、肺のレントゲンと肝臓のエコーです。 肺と肝臓が最も転移しやすい臓器、という事でしょうか。 先月に前もって血液検査用に採血も済ませています。 結果から言うと、転移は見つからず、血液検査も異常なしでした。 良かった、一安心。 食生活も運動も気をつけた生活をしているので、大丈夫だよね、とは思っていますが、やはり結果を聞く瞬間は緊張します。 血液検査は、前回(半年前

          それでも日々は過ぎて行く〜乳がんになりました⑧

          月1読書感想文 1月 『傘下の花』

          『傘下の花』 ーあのころの、ーより 彩瀬まる  2012年実業之日本社 女性作家6人による、女子高生をめぐる6つの物語。 夢や憧れ、嫉妬、悲しみ、不安、怒り…あのころ、の女子高生ならではの揺れ動く心や主人公たちを取り巻く環境や人々。「ああ、そうね、そんな感じだったよね」そう思いながら読み進めた。 その中から『傘下の花』について感想を書いてみたい。 シングルマザーの母親の仕事の関係で、転校を繰り返している慧子。 地方の室町時代から温泉産業で栄えてきた小さな街へ引っ越して来

          月1読書感想文 1月 『傘下の花』

          お金のはなし

          みなさん、こんにちは。 ちょっと遅くなりましたが、2024年初めてのnoteは今年のわたしのお金計画について書いて行こうと思います。 新NISA 2024年からと言えば『新NISA』と発想する人も多いでしょう。 旧NISAから神改正されたと評判の新制度。 我が家では、夫婦共に旧NISAを行なっていたので、このまま新NISAへ続行です。 とはいえ、マメな性格でもなくガンガン攻めたい訳でもないので、もちろん投資信託の積み立てです。 最短・最速で枠を埋める、と言うのも難しいの

          お金のはなし

          月一読書感想文 12月 『ハンチバック』

          『ハンチバック』市川沙央 2023年 文藝春秋 第169回芥川賞受賞作品 ハンチバック=せむしの怪物 主人公は難病のミオチュブラー・ミオパチーを患い、両親から残された莫大な遺産とグループホームで医療的処置と介護を受けながらでないと命を保つ事のできない重度障害者の女性。 彼女はネットに性的な記事や小説を納品し、グループホーム外の世間と繋がりを持ち続けている。日々壊れていく体に諦めるのは簡単だが、諦めた先に何が待ち受けているのかを知っている。 だからもし自分がこの体ではなかっ

          月一読書感想文 12月 『ハンチバック』

          『列』月1読書感想文 11月

          『列』 中村文則 2023年 講談社 主人公の『わたし』は気がつくと列に並んでいた。 その列の先頭は分からず、最後尾も分からない。 並ぶ目的も、列の先に何が待つのかも誰も知らない。 先頭も最後尾も見えない長く真っ直ぐに伸びる列に、並んでいる人々は苛立ち一歩でも自分が先に進むことができたのなら、他人を出し抜くことも厭わなくなって行く。 列は競争社会である世の中を指し、そこに並ぶ人々は、そんな世の中で僅かな手柄を争い、他人より優位な立場に意味を見出す日々を表している。 そう

          『列』月1読書感想文 11月

          それでも日々は過ぎて行く〜乳がんになりました⑦

          みなさん、こんにちは。 ホルモン剤(タモキシフェン)を服用し始めて、2ヶ月程経ちました。 ホルモン剤の副作用 1ヶ月程経ったところで、一旦受診して今後服用し続けられるかの確認がありました。 幸いな事に、多分副作用は軽い方なのだと思います。 なので、先生にも「大丈夫、問題ありません」と答えたのですが、最近になってちょっと困った症状が出て来ました。 就寝時のホットフラッシュです。 眠っていて→急に暑くなって起きる→体を冷やす→寒くなる→また暑くなる→体を冷やす→寒くなる…

          それでも日々は過ぎて行く〜乳がんになりました⑦

          秋の高尾山ハイキング&ビアイベント

          みなさん、こんにちは。 先週末、高尾山へハイキングに行ってきました。 術後、順調に回復してはいますが、運動はまだ積極的に再開してません。 振動が患部に響いて痛い…なのでジョギングとかはまだちょっと。 そんな中、夫が「のんびりハイキングに行こう!」と誘ってくれました。 のんびり楽しくハイキング、楽しそうで良いんじゃない! 今回のスケジュール 早速、秋の高尾山へ行ってきました。 今回は小仏峠までバスで、そこから登り1時間、縦走30分、高尾山山頂経由して下り40分程ののんびり

          秋の高尾山ハイキング&ビアイベント

          『花に埋もれる』 月一読書感想文 10月

          『花に埋もれる』 彩瀬まる 2023年新潮社 『女による女のためのR−18文学賞』受賞作『花に眩む』・英文芸誌『GRANTA』掲載作『ふるえる』が収録されたベストアルバム的短編集となっている。 恋人の身体よりもソファーの肌触りを愛する女『なめらかなくぼみ』 愛した女の首筋が翳っていくのを目にすると、美しい植物の茎を奥歯で噛み潰しているかのような、うす暗い官能が脳に広がって行く『二十三センチの祝福』 己の恥が小さなカタツムリの姿となって、体からこぼれ落ちる恋人たち『マイ、マ

          『花に埋もれる』 月一読書感想文 10月