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まだ、まだ、GDPのお勉強中 (愚痴日記#27)


番組のプロデューサーS、今日も張り切っている。
GDP、国内総生産の講義も3回目になった、というか、なってしまった。

これまでの講義で、GDPが日本経済という旅客機の高度で、それを生んでいるのが大きく分けて4つのエンジンだと教えられたんだ。
(愚痴日記 #24・25

「日本経済には4つエンジンがあるといったけど、その大きさは全く違う。今回発表された2023年1~3月期のGDP(国内総生産)の合計は548兆円だった。これが旅客機の高度であり、エンジン出力の合計でもある。」
「この4つのエンジンだけど、大きさが違うんだ。第①エンジン(消費)の金額、つまり出力は297兆円もある。GDP全体の54%を占めているんだ。」
「消費が半分以上を占めているんですか?」
「そうだ。第①エンジン(消費)は、4つのエンジンの中で圧倒的に大きい。だから、消費が少し上がっただけで、GDPは大きく増加することになる。今回、GDPは+0.4%だったよね。消費は+0.6%だったけど、これだけでGDPを0.3%押し上げたんだ。これを『寄与度』と行っている。」
「その一方で、第②エンジン(設備投資)は+0.9%だった。消費より大きな上昇幅だったけど、エンジンの大きさは90兆円と相対的に小さいので、GDPの押し上げ効果は+0.2%に止まったんだ。」
「問題なのが第③エンジン(輸出・輸入)だね。輸出が106兆円と-4.2%で、寄与度も-0.9%と大きな下降圧力になった。でも、輸入も110兆円と-2.3%減少した。これはGDPにはプラスに作用し、その寄与度は+0.6%。この結果、第③エンジン(輸出・輸入)は、差し引き-0.3%の寄与度となったんだ。第④エンジン(政府支出)は。少しだけ増加していて寄与度は+0.1%だった。」
「4つのエンジンのほかに、消費に付随している「民間住宅投資」と設備投資に付随している「在庫投資」という『サブエンジン』がある。今回は在庫投資が増加していて、その寄与度は+0.1%だったんだ。」

あ~クラクラする。
わからなくなってきたので、寄与度を自分でまとめてみた。

第①エンジン 消費     +0.3%
第2エンジン 設備投資   +0.2%
在庫投資          +0.1%
第3エンジン 輸出・輸入    -0.3%
第4エンジン 政府支出   +0.1%
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
合計            +0.4%

「こういうことですか?」
「その通り。まとめてみると、すっきりしてくるよね。」
「第③エンジンが足を引っ張っているのがよくわかります。」
「そうだ。輸出がもう少し頑張ってくれれば、もっと急角度で機体上昇したはずだ。また、最大の出力を持つ第①エンジン(消費)が、さらに力を発揮すれば、一気に景気回復基調に乗ることが期待できるというわけだね。」

「GDPを伝えるメディアは、各項目の増減に注目したものが大半だけど、寄与度を見ておくことがとても重要なんだ。こういうところに注目できるようになると、君もエキスパートの仲間入りができるよ。」

ちょっとうれしくなった。
そして、「これで終わり・・」と思ったけど、そうはならなかった。

「このエンジンの出力アップの方法には、どんなものがあるのか?君の質問にはたどり着かなかったね。続きはまた、次回・・・」

ああ、GDP地獄はまだまだ続く。

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