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FRBは冷房継続?(愚痴日記#40)

私は冷房が得意じゃない、冷え性だからね。
で、ケンカになるのが先輩キャスターMだ。
Mは暑がりで、スタッフルームの冷房を強く設定しようとする。
今年の夏は特に暑いから、やたらと冷房を強くするんだ。
今日もスタッフルームに入ってくると、
『暑いな!』と言って、リモコンを握るから、
『止めてもらえませんか?私、寒いです!私、冷え性なんです!』と文句を言った。
その圧力にさすがのMもひるみ、
『分かった。でも、暑くなってきたら、すぐに強めるからな!』
と言って、リモコンを置いたんだった。

「パウエル議長みたいだね、Mは」
その様子を見ていたプロデューサーS。
今のやりとりは、政策金利の引き上げを見送ったFRBのパウエル議長と同じだという。

9月20日、パウエル議長が率いるFRBは、金融政策を決めるFOMCで、続けてきた政策金利の引き上げを見送った。
「FRBは物価を安定させる役目を担っている。アメリカ経済を大きな部屋と考えると、その室温が物価で、暑すぎるとインフレ、寒すぎるとデフレとなる」と、Sは解説してくれた。

「日銀はエアコンの操作係」(愚痴日記#2)で教わったことを思い出した。中央銀行は政策金利という冷房の強さを操作することで、暑くなりすぎないように、コントロールしているんだった。

「アメリカ経済は今、かなり暑い状況なんですよね」
「そうだ。だからFRBは、インフレを収束させようと政策金利の引き上げ、つまり金融引き締めを続けてきた。でも、副作用として景気を冷やす恐れもある。今回、『ちょっと冷房が強すぎない?』という、指摘もあったことから、引き上げを見送ったわけだね」

「これ以上、冷房を強くしない方がいいと考えたわけですね」
「そうだ。でも、これで打ち止めというわけではない。パウエル議長は、『適切であればさらに金利を引き上げる用意がある』と発言している」
「Mと同じですね・・・。暑くなったら、すぐに冷房を強めるぞって・・・・」
「その通りだ。実際、アメリカのインフレは収まったとはいえない状況だ。直近の消費物価指数は3%程度で、去年の6月には9%を超えていたことを考えると、ずいぶん低くなった。でも、FRBの目標は2%程度でまだ高い水準にある。しかし、冷やしすぎもよくない。パウエル議長は、とても難しいコントロールを迫られているわけだね」

今日のオンエアのテーマも、FRBの金融政策の見通しだ。どんな議論になるのか、頑張って参戦しよう!


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