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原油価格のABC① バレルって何リットル? (愚痴日記#32)

今日のオンエアのテーマは原油価格。

私が読んだ原稿がこれ。

「主要産油国でつくる石油輸出国機構(OPEC)プラスが4日の会合で、原油の協調減産の延長などを決めたことを受け、週明け5日の原油先物市場は大幅に上昇している。
国際指標である米WTI原油先物価格は前週末終値に比べ一時4・6%高い1バレル=75・06ドルと約1カ月ぶりの高値をつけた。」

これくらいの内容だったら、経済音痴の私でも分かるさ。
原油の生産量が増えなければ、その価格が上昇するのは当然のことだもんね。
ドライブ大好きだから、ガソリンの価格が高いままというのは、ホントに困る。
でも、下がる気配はないみたいね。

で、原稿を下読みしていたら、
先輩キャスターMが、いつものように意地悪な質問してきた。

「バレルって、何リットルだ?」

え?知るわけないじゃん。
でも、バレルって、たしか「樽」っていう意味よね。
ちょっと前、某社のウイスキー工場見学に行った時、
案内してくれた人が、並んでいた樽をバレルって呼んでいたもの。

「分かりません・・。でも、お酒の樽って意味ですよね。」
「バレルの意味は確かにそうだな。で、1バレルだけど、およそ159リットルになる。」

「半端な数字ですね。」

「ヤード・ポンド法とメートル法の違いからだと思っているかもしれないね。ヤード・ポンド法での液量の基本単位はガロンなんだけど、これで表示しても1バレルは42バレルなんだよ。」

「どっちも、半端ですね。」
「なぜなのか・・・。原油が採掘され始めたとき、運搬にはそれまで使われていたバレル、つまり樽を流用していたんだ。その樽は50ガロンだったのだけど、輸送中に蒸発したり、こぼれたりして、だいたい42ガロン位しか原油が残っていなかったというんだな。このほかにも、魚のニシンを入れる樽が使われていて、それが42ガロンだったという説もある。」
「まあ、こんなトリビアはどうでもいい。1ガロン=約159リットルで、一般的な灯油のポリタンクが18リットル入りだから、およそ9個分だな。」

トリビアだけど、あまり役には立たない話だなあ。

「こんな話、どうでもいいと思うかもしれない。でも、ニュースキャスターだったら、機械的に1バレル=○ドルと伝えるのではなく、ポリタンク9個分というイメージを持って伝えて欲しいんだよ。」

「さて、ここからが本題だ。」

えっ? まだ先があるの?

「原油価格を伝える上で、必ず登場するのが『WTI先物価格』だ。これを知っているかな?」

何も考えずに原稿を読んでいたけど、確かに『何これ?』って感じよね。

「サウジアラビアの原油価格ですか?」
と、適当にいってみた。OPECといえば、サウジアラビアだし・・・

「違うよ! だいたい、どこにもSが入っていないだろ!まずは自分で調べてみなさい。ヒントを出してあげよう。ハリウッド映画の『ジャイアンツ』だ。ジェームズ・ディーンの遺作となった名作だよ。」

こう言うとMはスタッフルームを出て行ってしまった。
宿題ってワケね・・・。
ああ、めんどくさ。
ジェームズ・ディーンって、誰?

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