あっち行ってこっち行って落っこちて
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通とおせば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。
夏目漱石の草枕の冒頭。あまりに有名すぎて語るには及ばないが、この一節、たまに思い出してはつくづく納得する。
智と情と意地。漱石のこの一文は、「住みにくさ」から終わるからして、3つそれぞれに「他人」という存在ありきで独白している。人間関係というのは、何を考えても、何も思っても、何を言っても、結局のところちゃんと分かり合えることはできない。分かり合えない以上、人の言動とか見た目