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帰ってきた軒下猫´

 1ちゃんと3ちゃんが恋人探しの旅に旅立って数日後……。
 軒下猫´は、再び軒下に現れるようになりました。
 
 1ちゃんと3ちゃんがいる間は、わたしたちと庭や道で出くわしても、なんか嫌そ~うな感じを立ち上らせて、ちょっと挨拶したら、さっさと立ち去っていたのに。

 今は、日に3回も4回も、木戸をがたん!と鳴らして現れて、用もないのに、
 雷が鳴るよ~、入れてくれ~  入れてくれ~
 今日は寒いよ~、入れてくれ~  入れてくれ~
 何かソワソワするよ~、入れてくれ~  入れてくれ~
という具合です。



 人は間柄的存在だ、とか言いますが、猫も十分間柄的存在だなあ、と思います。軒下猫´だって、子猫たちが小さいときは、ちゃんとお母さんだったし、子猫が大きくなった頃にはちゃんとおばさんらしく、大人然としていました。
 子猫たちがいなくなった途端、子どもに戻って、かわいくしっぽを震わせてみたり、お母さん猫を呼ぶような声で人間を呼んだり。わたしがゴミを捨てに出かけたある朝に、1ちゃんのアレそっくりに、行かないで~~~コールをされた時には、ちょっと引きました。
 まあ、わたしだって実家の母と話しているときは、すっかり娘気分ですけど。
 人間だけ特別みたいに考えるのは、人間の悪い癖ですね。




 そんなわけで、軒下猫´は気が向いたら毎日やってきて(気が向かない日はないのですが)、人の出入りや、荷物の隙を突いて入ってきて、家の中を探求しています。
 猫はとてもともに暮らしやすい生き物で、あまり邪魔にはなりません。でも、食器棚の中に入るのだけは止めてほしいかな。ただそれも、言えば、渋々諦めてくれるときが多いです。実は人間より、ずいぶんと節度がありますね。


▷ 探求活動中の軒下猫´

人の帰宅を虎視眈々と狙う軒下猫´

ただいま~


誰かの書斎を探求する軒下猫´

まずい、はやく出てきて~~

寒い日の軒下猫´の定位置、毛糸箱

毛糸、取らせてくれない?


                                 完





問1 雲子さんは、もしいつかまた、軒下に新しい猫が現れたら、どうすると思いますか?                    
 
 A. さすがに懲りて、家の中から見ているだけにする (     )

 B. やっぱりずるずると関わってしまう       (     )

問2 そう答えた理由は?
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◎ 感想
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生徒なら、感想欄に、
 「長すぎる」
 「しかたないと思う。」
 「お姉さんは、少し無神経なところがあると思いました。」
 「雲子さんは考えすぎだと思う。もっと先に行動した方がよかったと思  
  う。」
 「ノラ猫は大変なんだ、ということが分かってよかったです。」
とか、書きそう。

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