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つわり

 「つわり」って体験したこと、ありますか?

 一応、公民科非常勤講師であるわたしは、朝日新聞の「ニュースレター」を申し込んでおります。
 朝日新聞の12月22日の「昼ニュースレター」で、つわりについての新しい研究結果の記事([つわりの原因、やっと解明 女性の問題「軽んじられてきた」と研究者]朝日新聞デジタル2023/12/20 藤波優)が届いていました。

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 出産を経験した女性の70%が、つわりに見舞われるそう。ですが、人によって程度は違い、軽い人から、重症で入院する人まで、症状の出方はまちまちだそう。
 確かに、周りの女性を見回しても症状はさまざまで、古い古い記憶ですが、わたしに関して言えば、勝手な感触から言って、レベル的には「普通の重め」という感じ。
 つわりのために、学校を数ヶ月休んでしまったけれど、病院では「入院しますか?」とは訊かれたけれど、入院するまでには至らなかった、というくらいでした。
 (あの年は、周りの人たちに、ひどい迷惑をかけてしまいました……。
  あまり思い出したくない、黒歴史です。)

 「中の重」のわたしでも、それはそれは、ひどい体験でした。
 子どもの頃から、母に「あんたたちがお腹に居た頃にはねぇ……」と、つわり体験記を語られて育ったわたしだったのですが、自分がこんな目に遭うとは、夢にも思っていませんでした。

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 世の人が、つわりに対してあまり心構えが出来ないのは、テレビドラマの影響が大きいのではないでしょうか。昭和のテレビドラマでは、ヒロインが「うっっ……」となって、「もしかして……」と、気づく、みたいなのが定番。大抵、その後は何事もなかったように、8ヶ月ぐらいにはなっていそうな見た目になって、出産を迎えるのです。(アレは現実を反映していませんよね。)
 だから、わたしも母の話を聞きながら、「大げさだなあ。あのくらい、耐えられるよ。」なんて、思っていたものでした。今思えば、母はきっと密かにわたしたち三姉妹に心構えをさせようとしていたに違いありません。間違いなく。


 実際のわたしは、想像より全然、猛者ではありませんでした。
 つわり期間の2,3ヶ月の間、どんどん深まる具合の悪さに、どうなってしまうのだろうと絶望的になりながら、なんとか起き上がって産婦人科まで自力で運転して、ビタミンB1の点滴に通った記憶……。姉が布を持ってきて、何かに集中していたらあんまり感じないんだから、と言うので、そうなのかなあ……?とよろよろ起き上がってカバンを1つ仕上げた記憶(効果なし)……。今思い出せば、笑える話です。いいえ!やっぱり笑えません!!あれは、笑えない!!!

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 さて、「朝日ニュースレター」の話です。
 つわりの重症化には「GDF15」というホルモンが関連している可能性が高いと、イギリスの科学誌ネイチャーに、米国や英国などの国際研究チームが発表したそうです。妊娠によってGDF15の値が急上昇することが、つわりの重症化につながる可能性が高いそうで、あらかじめ妊娠前の女性にGDF15を与えておくと、このホルモンの急上昇を引き起こさずに済み、つわりを軽く抑えられる可能性があるということでした。

 もしかして、つわりの薬が実現するのも、そう遠い未来ではないかも?

 筆頭著者の南カリフォルニア大学マレーナ・フェイゾ助教は、「つわりは多くの人に起こるもので『我慢するしかないもの』と考えられてきた。重症化しても、医師ですら『心理的なもの』などと考える人もいた」とおっしゃっていて、そうそう、その通り。というか、過去につわりを体験した人でさえも、ちょっと根性論なところがあると思います。気合いで乗り切れ!みたいな。

 記事には続きがあって、
「霊長類を含む一部の哺乳類では、妊娠中にGDF15が大きく増える。肉製品に含まれる病原性微生物など、食べ物を介した病気や毒素から妊婦と胎児を守るためではないかと考えられている。」
とあります。

 となると、薬で症状を抑えつつ、食べ物を徹底管理したり、妊婦さんの体重を徹底管理したりすることにつながるのでしょうか。また一つ、人は不自然な生き物になってしまうのかもしれません。悩ましい……。

 薬とか、副作用とか、極度におそれてしまう妊婦期は、結局気合いと根性で乗り切ろうとする人も多そう。でもせめて、そういうときは、勇気を持って、強い心を持って、休みましょう。それが、未来の社会をつくります!! 






 これって、お正月早々にするような話でもないような……?


 もしも、誰かお暇な方がいらっしゃったら、読んでくれるかな?

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