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盛岡街中にある洋館写真館/イワテ歴史的建造物巡り5

先日ツイートした盛岡散策。3枚目の画像に写っていた写真館について今日は紹介したいと思います。

建物外観

佐藤写真館は昭和3年(1928)に藤原孫助の設計、佐々木某の施工で建てられました。赤い瓦屋根と、ドーマー窓が特徴的ですね。

こちらは南側の壁。一部剥がれ落ちてしまったようですがテラコッタタイルで装飾されています。窓は飛び出して洋風窓の雰囲気を、四角い窪んだ窓は赤く塗りつぶされモダンさを感じる造りとなっていますね。

こちらは北側の外観です。大きな窓がありますね。これは昔の写真館によく見られた採光用の窓です。詳しい説明はこのあとしたいと思います。


正面に戻り、写真を撮っていたとき私はあることに気が付きました。それは…

正面の扉が開いていることに……!
これはなかを見させて貰うチャンスではないかと思い恐る恐る中に入ってみました。

すると

「ピンポーン」

店内に鳴るチャイムの音。どうやらセンサーが反応したようです。なにかやらかしたのかと少し慌ててしまいました笑

すると奥から女性の方が。中を見学出来ないかお願いした所、なんと許可を頂くことができました〜(∩´∀`)∩ワーイ

玄関の取手。これも当時のものなのでしょうか?

写真館なので店内には人物写真が多く飾られていたため、モザイクも多めになっていますがご了承下さい(^_^;)
一階は赤い絨毯など洋風建築としての内装ですが、階段脇の扉から先は住居空間なのか、廊下の壁が和風になっています。また販売スペースが設けられているようで、そこは玄関と同じく床がタイル張りになっています。
照明も部屋に合わせている様です。

次は二階に案内してもらいました。

階段にも洋風の意匠が使われていますね~
手すりは一部改修しデザインが竣工当時と多少異なるそうですが、それでもほとんどはそのままの様です。

さあ二階にやって来ました。立派なカウンターがお出迎えしてくれます。昔はここからベランダがあったらしいですが、現在はそのベランダは撤去したらしく玄関前の屋根は竣工当時と異なるそうです。

まず待合室二部屋から見ていきましょう。

扉の上のガラスは磨りガラスで現在は製造していないものです。照明にはメダリオンがついていますね。これは昭和初期の洋室ではよく見られる造りだと思われます。その時代の洋館付き住宅、いわゆる文化住宅は洋室を応接室としての用途を持っています。もしかしたらこの部屋もはじめの頃は応接室のような用途の為に設計したのかもしれませんね。

次は向かいの待合室にむかいます。

こちらは表示付き

こちらは和風になっていますが、窓は洋風になっています。一階の廊下やこの部屋で和風になっているので和洋折衷建築というのでしょうか(・ิω・ิ)

さて、写真館のメインといえる撮影スタジオを見に行きましょ〜

採光用の窓

こちらが撮影スタジオ部分です。わざわざ撮影用の照明をつけてもらいました(⁠☉⁠。⁠☉⁠)⁠!
昔はストロボとこの窓で明かりを採っていたらしいです。この窓についてですが、先程も述べた通りこの窓は北側についています。これは日光の当たりやすい南側につけてしまうと日によって強く当たってしまったり、曇りだと逆に明かりが入りにくくなってしまうため安定した明かりが採れないことから、天候によって採れる明かりの量が左右されにくい北側につけているそうです。

撮影用の小物もどれも立派☆

今回は盛岡市の老舗写真館を紹介しました。急なお願いだったなか、建物内部の見学だけでなく、案内をしていただいた佐藤写真館さん、ありがとうございました!

【建造物DATA】
名称 佐藤写真館
年代 昭和3年(1928)
設計 藤原孫助
施工 佐々木某
住所 〒020-0021
   岩手県盛岡市中央通1丁目13−60

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