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イワテ歴史的建造物巡り

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イワテ歴史的建造物巡りシリーズをまとめました。
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記事一覧

民藝旅館と盛岡 旧盛久旅館 イワテ歴史的建造物巡り14

民藝旅館と盛岡 旧盛久旅館 イワテ歴史的建造物巡り14

盛岡市内 岩手公園から石割桜に向かう途中の道にそのギャラリーはあります。

毎年5月頭頃にギャラリー所有の家具や資料を企画展として公開しているので見学をしてきました〜

盛久ギャラリーへ

盛岡サンビルから北へ坂を登った先に見える白い建物。

この建物が盛久ギャラリーです

もともとは盛久旅館として営業しており、明治35年(1902)に役人のための宿として営業、その後昭和2年(1927)に盛久旅館

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九年橋の痕跡を探して/九年橋、古川橋ほか/イワテ歴史的建造物巡り13

九年橋の痕跡を探して/九年橋、古川橋ほか/イワテ歴史的建造物巡り13

今回は北上市にある九年橋を見に来ました〜
この橋は近年改修されてしまい、かけ替えられてしまったのかと思っていたのですが、本当にそうなのか気になってモヤモヤしていたので、痕跡を探しに行きました。

九年橋

九年橋は初代橋が明治9年(1876)に建設されたことから名付けられました。その後洪水で初代橋が流失、二代目の橋は昭和9年(1934)に竣工しその後平成27年(2015)に補強などの改修が完了しま

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移築を重ねて受け継がれる門/旧三瓶家門/イワテ歴史的建造物巡り12

移築を重ねて受け継がれる門/旧三瓶家門/イワテ歴史的建造物巡り12

投稿期間が空いてしまって申し訳ございません(汗)
ここしばらく体調不良などで記事を書くことができませんでした。しかし、岩手のことを少しでも発信したいと思い少しずつですが投稿していきたいなと思いますのでよろしくお願いしますm(_ _)m

今回はかつて岩谷堂城家臣の住宅に使われていた門です。
自分は門が残っていることは知っていましたが最近まで場所を特定できずにいました。そしてやっと情報を見つけたので

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胆沢の新たな古民家スポット/イワテ歴史的建造物巡り11

胆沢の新たな古民家スポット/イワテ歴史的建造物巡り11

奥州市胆沢で5年間空き家だった古民家を活用していくプロジェクトがあり、今回プレオープンとして公開するとの情報がありました。調べてみると、“「岩手県の近代和風建築 : 岩手県近代和風建築総合調査報告書」岩手県教育委員会2007年3月出版”に掲載されている建物であることに気が付きました。
そこで図書館でその建物のことを調べてから行ってみることにしました。

旧安倍家住宅(屋号∶齊藤)は明治前期に建てら

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岩手町の紅葉で染まる邸宅/イワテ歴史的建造物巡り10

岩手町の紅葉で染まる邸宅/イワテ歴史的建造物巡り10

先日2023年11月4日・5日の二日間、岩手町で桜山荘という大正時代の邸宅が一般公開されるとの情報を見つけ早速行ってきました!
実は去年の秋の一般公開の際も訪れていたのですがその時に紅葉と邸宅がとても美しく再度公開時にはまた来たいと思い次の公開日を待っていました。ちなみに6月にも公開されていたようですがその日は予定が合わず行けませんでした(ToT)

※今回の記事の表紙は去年の様子です。

桜山荘

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盛岡に残る谷口吉郎設計の記念館/イワテ歴史的建造物巡り9

盛岡に残る谷口吉郎設計の記念館/イワテ歴史的建造物巡り9

ここ最近体調不良が続きなかなか記事を更新することができませんでした(汗)
更新ペースはこれからもゆっくりになりますがこれからもよろしくお願いします。

さて、
今回は盛岡市出身で内閣総理大臣を務めた原敬さんの記念館に行ってきました。
そこでご紹介するのは盛岡市指定有形文化財である原敬生家…ではなく記念館の建物の方を紹介したいと思います。

原敬記念館は昭和33年(1958)に谷口吉郎設計、鹿島建設

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住宅街に残る戦争遺構/イワテ歴史的建造物巡り8

住宅街に残る戦争遺構/イワテ歴史的建造物巡り8

皆さんお久しぶりです。最近更新をしておらずスミマセン(汗)
今回紹介するのは今年の春頃に訪れた際の写真なので現在とは異なる場合がありますがご了承下さい。

花巻防空監視哨聴音壕は昭和17年(1942)に建てられたもので、建設当時は周りに盛土されていたそうです。

説明板の通り、円筒形の壕の形状がほぼ完全な状態で残っていることは珍しいらしく、平成31年(2019)に看板設置を行うなど地元の方々で保存

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民俗村のモダニズム建築/イワテ歴史的建造物巡り7

民俗村のモダニズム建築/イワテ歴史的建造物巡り7

前回に引き続き北上市になってしまいます(^_^;)

展勝地の敷地にあるみちのく民俗村
ここの開園は30年ほど前ですが、それより前に建っていた建造物があります。

考古館は昭和45年(1970)に藤島亥治郎の設計で建てられました。造りは鉄筋コンクリートの二階建て。現在は倉庫として使われています。

ちなみに今まで歴史的建造物と言って紹介してきましたが、私の中の定義としては築50年以上で何かしらの価

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本物の古民家を使った南部家敷/イワテ歴史的建造物巡り6

本物の古民家を使った南部家敷/イワテ歴史的建造物巡り6

東北を中心に展開している南部家敷。その創業は北上市であり、総本店も北上市にあります。実はその建物が本物の古民家を使って建てられているらしいです。今回はここの紹介をしたいと思います。

南部家敷総本店は昭和48年(1973)にわんこそばを楽しむためにわんこ亭として建てられました。その際当時の江刺市(現在奥州市)、都南村(現在盛岡市)から古民家を移築し一棟に繋げたそうです。

創業時使われていた建物は

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盛岡街中にある洋館写真館/イワテ歴史的建造物巡り5

盛岡街中にある洋館写真館/イワテ歴史的建造物巡り5

先日ツイートした盛岡散策。3枚目の画像に写っていた写真館について今日は紹介したいと思います。

佐藤写真館は昭和3年(1928)に藤原孫助の設計、佐々木某の施工で建てられました。赤い瓦屋根と、ドーマー窓が特徴的ですね。

こちらは南側の壁。一部剥がれ落ちてしまったようですがテラコッタタイルで装飾されています。窓は飛び出して洋風窓の雰囲気を、四角い窪んだ窓は赤く塗りつぶされモダンさを感じる造りとなっ

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胆沢特有の形式を残す古民家/イワテ歴史的建造物巡り4

胆沢特有の形式を残す古民家/イワテ歴史的建造物巡り4

奥州市に合併した旧胆沢町は散居集落があります。その集落の住宅形式を近くで見ることが出来る場所があります。
今回はそこを紹介したいと思います。

旧高橋家住宅は明治32年(1899)に建てられたものでトレーニング農場セミナーハウスとして活用されていますが、現在は利用を停止しているそうです。屋根は茅葺き屋根で、トタンで覆われています。
ちなみにタイトルにある胆沢特有の形式というのは…

このエグネとキ

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緑の洋館、赤い絨毯/イワテ歴史的建造物巡り3

緑の洋館、赤い絨毯/イワテ歴史的建造物巡り3

千田正記念館の建物巡り。最後は盛岡市内丸から移築された緑色の洋館です。
今までの千田正記念館についてはこちら↓

旧岩手県知事公舎洋館は明治42年(1909)に建設され、昭和46年(1971)に公舎が解体される際に金ケ崎町の福祉センターの隣に移築しました。その時に正光館と名付けられました。千田正記念館の整備を機にさらにコチラに移築され、平成30年(2018)に国登録有形文化財に登録されました。

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ひっそりしてますが文化財です!/イワテ歴史的建造物巡り2

ひっそりしてますが文化財です!/イワテ歴史的建造物巡り2

続きです(^O^)/
前回は千田正記念館の中心施設、旧千田正家住宅を見て周りましたが、今回はその裏にある板倉について書きたいと思います〜
前回はこちら↓

板倉は内部が公開されておらず、特に説明板が近くに無いため、見過ごされがちですが、こちらも文化財になっています。

旧千田正家住宅板倉は昭和4年(1929)に建設され、平成30年(2018)に国登録有形文化財に登録されました。
岩手県内で文化財の

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モダンなガラス邸宅?/イワテ歴史的建造物巡り1

モダンなガラス邸宅?/イワテ歴史的建造物巡り1

岩手県金ケ崎町三ケ尻の奥州街道沿いにモダンな塀があり、その中には緑色の洋館や近代的な住宅があります。
これが千田正記念館です。
ずっと気になっていた所なので休みの日に行ってみました((o(´∀`)o))ワクワク

千田正とは金ケ崎村三ケ尻(現在の岩手県金ケ崎町三ケ尻)の生まれで岩手県知事を4期努めた政治家です。
記念館内部には遺品などが展示されており、金ケ崎町の偉人を称えております。
しかし、私は

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