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汝、星の如く

ずっと読みたいなと思って読んでなかったもの。
とっても苦しくて、切なくて、泣きそうで。でも涙が出なくて。泣きたいのに泣いたらなんか違う気がして。なんで私が泣くのだとなって。ああ、この2人がどうかどうか救われればいいなとそう願いながら読み進めた。読み進めるたびにさまざまなことが起こって嫌になって読みたくない、見たくないってなってたのに気づいたら読み終わってて、読み終わりたくなかったという感情に囚われて。すっごくすっごく良くて、読み終わってからすぐもう一周した。もう一周したから丁寧に読み進められて、ここもちょっと伏線だったのか?って思ったりするところもあってすんごい作品でした。
「きみのそれは優しさじゃない、弱さよ」
「きみは優しい。いいことだ。でも情に流されちゃいけない」
「でもそれは誰も救わない優しさだよ」
優しさに救えないものがあると知った。同じ人物に対してみんなが言うこの言葉たちが私にも言われてるようで、優しさだけではダメな世界があると知った。私はただ善人ぶってるだけで自分の弱さを他人に押し付けているだけだと思い知った。私が優しさだと思っていたものは、優しさでやってると思ってたことは、ただ私の弱さで、私が手を差し伸べて良かれと思ってやっていたことは優しさとは違うものだった。こんなにこの言葉に動揺しているのがまさにそうで、私がとっても弱い人間であることを思い知らされた。
どうしても手に入れたいものがあるときは誰かに罵られようが切り捨てる、誰に恨まれようが手に入れる、その覚悟が必要であると。
私にはそんな覚悟はない。まだ私はこんなにまで手に入れたいものがない。多分まだ出会ってない。でも自分が出会ってしまったとき私は簡単にそうやって切り捨てられるのだろうか。そこまでして欲してしまう自分が怖いし、諦めてしまう自分が想像できてとても嫌になった。なるほど、これが弱さなのだ。
なぜこの2人だけが、こんなに追い詰められ、こんな人生を歩まされるのだろう。でもそれと同時に唯一無二の2人がとても羨ましくて微笑ましくて、ずっとそのままでいてほしいとも願った。でも永遠は続かない。人は変わる。いろんなもので変わっていく。でも変わらないものもある。は〜〜〜すごく良かったです。続編もすぐ買いました読みました。そちらの感想も書きたいと思います。
まだ読んでいない方は是非。

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