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障害者雇用の処遇は今のままで良いのか?2

今では考えられないことですが、昭和の中頃までは、男女に賃金差があることが(個人的には思う所はあるにせよ)社会全体としては許容されていました。

昭和の死語で、「クリスマスケーキ」というのがあります。本物のケーキのことではなく、女性の結婚年齢についての言い方。24歳(12月24日)までは売れるけど、25歳(12月25日)になると安売りになる。ひどい話ですよね。今初めて聞いた令和女子は怒りを通り越して笑っちゃうかもしれません。

結婚すると女性は多くは専業主婦になるので、高卒で7年、大卒だと3年くらいしか勤めないと考えられていました。(9社あった総合商社で、4大卒の女性を採用していたのは3社だけでした。私の同級生は、短大卒と同じ賃金で働いていた人も多かった)
ゆえに女性は補助的業務というケースが多く、賃金差も合理的、という考え方でしょうか?

では、障害者雇用の現状はどうでしょう?
多くの企業で、一般の社員と障害者の給与は別建てになっています。

給与の大原則として、「同一労働・同一賃金」というものがあります。
同じ業務の場合、男女や正規・非正規などによって給与に差があることは許されないはずです。
これでは、この種の会社に勤めている障害のある人は、一律で健常者と同じ仕事はしていない、ということなのでしょうか。

また、障害者は、契約社員やパートなどのいわゆる非正規雇用であることが多く、正規雇用への転換に、かなり高いハードルがあることは珍しくありません。
例えば、5段階評価で、3年連続(年2回評価だと6回連続)上から2番目までの評価を取り続けなくてはならないとか。

かたや、一般の社員では、別に真ん中より下の評価が続いても、非正規に転換になるなんてことは(ほぼ)ありません。評価の仕方自体が違うのかもしれませんが。

休暇の取得に関しても、差がある場合もあります。
さずがに年次有給休暇は法定なので同じでも、永年勤続休暇、リフレッシュ休暇とか、キャリアアップ休暇など、その他の休暇が取得できないとか。

障害者には、特別の配慮が必要(さらに経費や人件費がかかる)だから仕方がない、と言う人がいます。
それこそ、女性には母性保護のための施策があるから仕方がない、という昭和の考え方とどこが違うのでしょうか?

私は、業務が違うことで賃金に差があるのは合理性があると思います。
もちろん、業務に違いがあることが前提であって、障害者であることによって。一律に賃金差があることはおかしい。

そして、それ以外の処遇の違いについては、一切合理性がないと思います。
正規雇用への転換・給与以外の福利厚生全般など、障害者雇用であっても、同様の権利があるべきだと思います。

残念ながら、現状の障害者雇用の処遇は、健常者と差があるのが実情です。
障害者の就業の困難さから、雇用側も障害者の側も、採用と就業をひとつのゴールと考えてしまうからでもあるでしょう。

男女の処遇差が今や過去の遺物でしかないように、この差も早く過去の遺物になってほしいと思います。

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