見出し画像

ぼくんちのクワガタ|死んだクワガタ・カブトムシの処分

飼っていたクワガタ・カブトムシが死んじゃった時、どのように処分したらいいか困ってしまうこともあります。
自宅の庭先や公園にお墓を作って埋葬してませんか?それNGです!


お墓を作ってあげたいけど

虫の苦手なご両親でも、
「子供たちに命の大切さを学んでもらえるなら」、
クワガタムシ・カブトムシを飼うことを黙認されていると思います。

子供たち自身がお世話を始めた小さな命です。
ワンちゃん・猫ちゃんのように飼い主とコミュニケーションできなくても、死んでしまえば少なからずショックを受けるでしょう。
最後は「お墓をつくって弔ってあげたい」と考えるのも命に対する責任感が培われた証です。人として望ましい成長を遂げています。

そんな時に困ってしまうのが「昆虫の死骸の処分」方法です。
子供たちが大切に飼育した昆虫も「死んじゃったら燃えるゴミ」っていうのも酷いですよね。
大切にしていた命が最後はゴミ扱いされることに納得できないかもしれません。
一軒家に住んでいるなら自宅の庭先に、集合住宅にお住まいなら、近くの公園に埋葬してあげる方もいらっしゃるかもしれません。

でもよくよく考えると、それは危険なことなんです。

誰も埋葬した後のことを考えない

国内で飼育していたクワガタムシ・カブトムシでも、野外で採集した虫や外国から輸入された虫には病原菌や寄生虫が潜んでいる可能性があります。
病原菌や寄生虫と聞くと、とたんに「恐ろしいもの」に感じられると思いますが、安心してください。
クワガタムシ・カブトムシに潜んでいる病原菌や寄生虫は、人以外の動植物を害するもので、調べた限りにおいて人に危害をあたえることは無いようです。(もし、実害がある例をご存じの方がいらっしゃれば、是非コメントで教えてください。)

死んでしまったクワガタムシ・カブトムシのお墓をつくって埋葬してあげれば、飼い主であるあなたは、お別れを告げて心を整理し納得することができるでしょう。
でも埋葬した後のことを考えることはほとんど無いですよね。

もうお気づきだと思います。
埋葬した昆虫のお墓が起点となって、その地域に無かった病原菌や寄生虫が蔓延し、生態系を狂わす端緒になるかもしれないのです。

「ツボカビ」が人間の健康に影響!?

「ツボカビ」というのはアジア発とされるカエルなど両生類を死に至らしめる病原菌です。「ヒトには感染しない」のに、人々の健康に影響を与える原因と考えられる状況が発生しています。そのお話を紹介します。

世界的な両生類の取引により「ツボカビ」が世界中に蔓延し、90種もの両生類を絶滅させました。
1980年代から2000年代にかけて中米地域でもツボカビが蔓延したそうです。カエルの個体数が激減している状況が確認されています。そしてツボカビの侵入から5年後、マラリア患者が急増するという事態が起こっています。
ツボカビの蔓延によってカエルの個体数が激減し、カエルが主食とする昆虫の個体数が増え、その中にマラリアを媒介する蚊も含まれていたことから、人間のマラリア患者が増えたと考えられています。
参考文献:「両生類の生態を破壊した「ツボカビ」の猛威が、ついに人間の健康にも影響を及ぼし始めた」

病原菌の種類によって生態系への影響も異なるでしょう。
しかし、この「ツボカビ」の例は、本来その場所に無かった病原菌が人の手によって運び込まれ蔓延することの危険性をイメージする事例として十分だと思います。

最後のお世話

クワガタムシ・カブトムシの分布は広い地域で確認されています。
でも実際に生きているのは生存の条件が整っている局所になります。
つまり国内であっても、市をまたぐ、県をまたぐような距離ともなれば、持っている病原菌の種類などが違っていることが考えられます。

外部から持ち込まれた病原菌に対して耐性のない種は無力です。
この数年、ぼくたちはCOVID-19によって実際に体験しています。

クワガタムシ・カブトムシに潜んでいる病原菌や寄生虫が「ツボカビ」のような二次被害を人間にもたらすのか、または他の動植物の種を絶滅させるようなものなのか、わかりません。
科学的な知見をもとに正しく怖がろうとしても、情報がないためできません。残念ながら、妄想と言われてもしかたありません。最悪の状況を考えて対応するしかないのです。
そのためツボカビのような二次被害の可能性を防ぐにはクワガタムシ・カブトムシの死骸は原則として「焼却処分」するしかないとぼくは考えます。

世の中には「昆虫葬」といって死んだクワガタムシ・カブトムシの葬儀を取り扱っているところもあります。飼い主の気持ちに寄り添ったサービスです。きちんと焼却処分をしていると思いますが、その辺がハッキリしていないところもあります。

すると生態系へのリスクを極力小さくする現実的な答え

「心を鬼にして燃えるゴミとして焼却処分する」

ことだとぼくは考えます。
望んで「燃えるゴミ」にするわけではないのです。
生態系へ影響しないお墓を作れないから「心を鬼にして」望まないことをするのです。
子供たちは納得してくれないかもしれませんが、死んでしまったクワガタムシ・カブトムシを焼却処分にすることは、飼い主がはたす「最後のお世話」だとぼくは思います。

みなさんは、どうお考えになりますか?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?