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親とか子どもとか

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親とのあれこれとか、子どもを持とうと思っていないことの諸々です。
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記事一覧

子どもに微笑めないってだけなのに

子どもに微笑めないってだけなのに

わたしは、人間の子どもをかわいいと感じたことがありません。

動物は大抵好きで、例えば一般的にあまり人気があるとは言えないハダカデバネズミすら愛おしく思うのに、何故人間の子どもだけにまったく興味が湧かないのか、自分でもよく分かりません。

偶然、電車内やレストランなどで隣り合わせた子どもが、信じられないほどの大きな声で叫び始めたりすると、わたしは恐れおののき固まってしまいます。

「かわいいと感じ

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怯えた記憶は消えないけれど

怯えた記憶は消えないけれど

昼寝ができません。

正確に言うと、昼間眠くなって数分意識が遠のくことはあるのですが、それ以上になると途端に心拍数が上がり、息が苦しくなってくるので目覚めざるを得ません。

たぶん、子どもの頃にその辺でうたた寝する度、母親にこっぴどく叱られた経験からくるものだと思います。

わたしは非常によく寝る子どもで、四六時中眠たかった記憶があります。
つい、明るい時間にうとうとすると、決まって母に、文字通り

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不自由な親子関係/けむたい姉とずるい妹

不自由な親子関係/けむたい姉とずるい妹

自分が散々支配的な母親に苦しめられてきたので、母娘問題系の書籍は色々と読み漁りました。

でも、実家にいたほとんどの期間、わたしは自分が苦しんでいることに確信を持てずにいました。

身体的な虐待もネグレクトもされていないし、周りの人には「世話好きのいいお母さんね」「羨ましい」とか言われるし、実際に母は愛情深い人なので、息苦しいと思うわたしがおかしいのかな?ひどい娘なのかな?と自分を責めていたのです

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子どもと友だちがいないことを励まされる、けど

子どもと友だちがいないことを励まされる、けど

わたしには子どもがいません。
友だちも、ごく稀に会う人が1人だけ。

基本的には最愛の夫と
薄ーい付き合いの会社の人と
ときどき会う生育家族と

ごく狭い人間関係で生きています。

わたしはそのことに対して、基本的に負い目も引け目も哀しみも感じていません(子どもがいないことについては、たまに夫に「ごめんね」と思うけど)。

友だちが実際100人いたら、3日に1回誰かの誕生日パーティーが開催されて身

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身内意識が薄いから子ども産むの怖いのかもしれない

身内意識が薄いから子ども産むの怖いのかもしれない

以前、「娘ならなんとも思わないんだけど、嫁だと腹が立つのよね、どこか他人だって気分が抜けないからなのかしら。」という発言にどうも共感できない、という記事を書きました。

思い返してみれば、わたしは子どもの頃から「身内意識」というものが薄かった気がします。

低い/弱いというより「薄い」。

元々供給される濃度が薄いから、経験や知見により高まったり強まったりすることは期待できなさそうなイメージで捉え

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子なし女性へのレッテルに物申してみた

子なし女性へのレッテルに物申してみた

母がわたしに、とめどない雑談をしていたときのことです。

その人はね、心が狭くて、意地悪で、全然思いやりがないの。愛想もないし、いつもぶっきらぼうで、優しさの欠片もなくてね。
なんでこんな風になっちゃったのかしらと思って色々聞いてみたら、その人、もういい歳なんだけど、子どもがいないらしいのよ。ああなるほどと思ってね…

それまで「うん」「へえ」「ふーん」の3パターンを繰り返して、母の知り合いではあ

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家族だから許せない/他人だから腹が立つ

家族だから許せない/他人だから腹が立つ

娘ならなんとも思わないんだけど、嫁だと腹が立つのよね、どこか他人だって気分が抜けないからなのかしら。

という言葉を耳にしました。

わたしには娘も嫁もいないのでよく分かりませんが、そういう感覚って普遍的なものなのでしょうかね。

「どこか他人だって気分が抜けない」からこそ許せる、ことの方が多い気がしますけれど。

そもそも、わたしには「身内だから許せる」という感覚が希薄なのだと思います。
親だろ

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劣等感に負けそう

劣等感に負けそう

負けそうです。

何に、なのでしょう。
何と戦っているわけでも、優劣を比べられているわけでも、勝ち負けを競っているわけでも順位を貼りだされているわけでもないのに、ときどき、どうしようもなく「負けそうだ」と思うことがあります。
口に出して言うときもあります。

ああ、もう、負けそうだ。
負けてしまいそうだ。

たぶん、その正体は劣等感です。
主に、子どもを持ちたいと思えない、ということから来るやまし

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子ども好き、への訝しみ

子ども好き、への訝しみ

「わたし、根っからの子ども好きなの」
と聞くと、慈愛に満ちた素敵な人物、という感じがしますよね。

世話好きな優しい人なんだろうな、
もしくは、そう思われたい人なのだろうな、
という感想を持ちます。

20年くらい前、女性ファッション誌の「オシャレ男子座談会~本音をぶっちゃけます~」みたいな特集で「そうだなァ、俺のタイプは"家庭的で子ども好き"な子カナ!」とか書かれていたような覚えもあります。

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「美しくあれ」という願い、あるいは呪い

「美しくあれ」という願い、あるいは呪い

子どもを産まない、と決めたわたしですが
それを夫以外の人に堂々と高らかに宣言は、
していません。

孫はまだか、と決して口にせず
いつもわたしを気遣ってくれて
出先ではお土産を買ってきてくれ
時々お手紙やLINEをくれたりする。

夫の親御さんには、心から感謝しています。

世が世なら、わたしは「石女(うまずめ)」として離縁されていてもおかしくない身。

…まあ、そんな世の方がどうかしていたのだし

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子どもを産まないと決めた罪悪感について

子どもを産まないと決めた罪悪感について

普段は、仲良しの夫と2人で楽しく穏やかに、そこそこ忙しい日々を過ごしています。

でも、ふとした拍子にやってくるのです。
親子連れを見かけたとき。
公園を通りかかったとき。
知人の妊娠出産の報を受けたとき。

今日は、ときどき急に訪れるわたしの
子どもを産まないと決めた
罪悪感について、書きます。

我が家に子どもがいないのは
100%わたし起因です。

体のせいではありません。
気持ちの問題です

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父が足るを知ってた

父が足るを知ってた

母については今までちょこちょこと書いてきました。
過保護で過干渉な母。でも最近適切な距離が取れるようになってから関係が良くなったこと。

でも父について書くのはたぶん初めてだと思います。

父は働き者です。
月曜から土曜まで働いて、日曜も家族の送り迎えや食料品の買い出しに行ったりして、全然休んでいないイメージ。
実家で暮らしていたとき、食洗器に家族の食器を予洗いしてから入れるのは父の担当だったし、

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母親過多

人間関係って、距離感がすべてですよね。

学校の行き帰りに自転車で通り過ぎるお姿が眩しいお方も、同じクラスになったら「おれモテるんで」感が見えてきたりしてガッカリするものだし、

取引先としては感じのいい人も、隣の席で働くと机の引き出しをバーンと閉めたりキーボードを叩く音がうるさかったりと、雑さが目に付くものです。

隣の芝生は青く見えると言いますが、
人のものだから実際よりも良く見える、というこ

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支配者になりたくない、から子ども産みたくないのかもしれない

支配者になりたくない、から子ども産みたくないのかもしれない

子どもの頃から、制服や作業着が好きです。
学生さんのではなく、働く人の装いとしてのそれが。

警備員さんとか
駅員さんとか
大工さんとか
鳶職人さんとか
漁師さんとか

語らずとも職業がわかり、性格すら垣間見え、矢鱈と似合っており、プロっぽさがどうしようもなく滲み出ている佇まいを発見すると、つい目で追ってしまいます。

職人さんたちが休憩してる様なんかも麗しい。

手に職があって、自分の腕ひとつで

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