マガジンのカバー画像

こころのポエム置き場

8
今までつくった、自作詩『こころのポエム』の置き場所。
運営しているクリエイター

記事一覧

哀しみストレンジャー

哀しみストレンジャー

行方不明の毎日に
泣き出しそうになりながら

あのときまで
笑っていた
僕のこと
ピエロみたいだ

帳が降りる直前の
絶望にも似た
夕方に
白い月が輝き出して

君が何故か
遠のくようで

焦燥感で
息ができない

追いかけたって
追いつけやしない

君は遥か
向こう側だ

置いてきぼりにしないでと
せめて
泣くことができたなら
こんな中途半端に
切なくならずに
済んだのかな?

何もかもが
わか

もっとみる
名も知らぬ君へ

名も知らぬ君へ

どんな
生き方も
どんな
日常も
そこに 在るもの
すべてが
あなた自身なら
それで良いんだよ

夢なんて無くて
希望も無くても

法を犯すことなく
(犯していても やり直して いるのなら)

死ぬまで
生きていれば
それで
充分

不安でも良いし
悩んでも良い
前向き?なんかじゃなくて良い

ただね
思い出して
どんなに 孤独でも
誰かは
あなたを 心配しているの

私は/心配しているよ

空を

もっとみる
ひきこもりの定理

ひきこもりの定理

知らない人
知らない空気
知らない街
馴れない景色

疼く記憶
震える指先を
開いては閉じて
呼吸を深くする

僕は
距離をあける
時間を置く

そう
ビーフシチュー
煮込むときみたいに

柔らかくなるまで
弱火で
コトコト

そうじゃなきゃ
生煮える

さりげなく
赤ワインを
入れて
味見も忘れずに

明日からまた
新しいが始まる

僕は
苦手なんだ

フレッシュな
サラダ
君が

キラキラして

もっとみる
深淵に触れる

深淵に触れる

深淵に触れた

僕達は、静かに汚れていく
無自覚なまま
心の声を
無視した結果

平気平気と
自分に
嘘をついて

笑いたくないのに
笑った結果

フカイを
言葉に出来ずに
止まったまま

泣くことも
怒ることも
できぬまま

自分で作った
鳥かごに
鍵をかけてしまっている

僕達は、静かにくすんでゆく
沈黙したまま

息がしたい
自由が欲しい
このままじゃ
いけないと
わかっているのに

時間薬

時間薬

現実は前にしかなくて
振り返れば思い出で
私は
そうやって
全てを過去にして歩いて行く

恥ずかしかった
アレコレも
結局
越えたなら
昔ばなし
笑いばなし

だからさ
そんなに嘆かないで
今が苦しくても
明日が変わりそうになくとも

時間薬が効くまでに
諦めたら終わってしまう
そんなの
もっと哀しいからさ

止まない雨を止める
そんな術は持たないけれど
この傘を差し出すくらいは
君の力になれるは

もっとみる
不明瞭

不明瞭

わかりやすい目印なんて
誰もつけて歩いていたりしないよ

優しくも
冷たくもない
そんな人たちばかりの中
私たちは
自分の思い過ごしで
今も生きてる毎日

不安に駆られてみたり
楽しく遊んだり

繰り返しながら

誰にも知られずに
傷ついて死んでゆく
その魂が
通り過ぎたことも知らずに

自分で水溜まりを選んで
飛び込んでいたのも

繋いでいた母
その手と
履いていた
ゴム長靴という
切れないピ

もっとみる
Hand

Hand

時々、
胸に風穴が開いて
寒波が押し寄せて
ヒリヒリする

涙と鼻水は
僅かな体温の
残り香を呼ぶ

その手に触れた時

大切なグラスを壊さないか不安になった

ショーケースの中の
煌びやかな世界に夢中で
硝子の壁があるのを
忘れて怪我ばかりする

人は笑うだろう

滑稽だ
悲喜劇だ

どうしたいとか
どうなりたいとか

そんなもの
どうでも良かった

単純なこと

あなたに触れたい

その手に触

もっとみる
C子

C子

なんで笑うの?
何がおかしいの?
どうして楽しそうなの?

私だけが知らない世界で
私だけが稚拙なのです

大人になりきれない中身は
美味しくもないのに
不味くもないから
ただそれきりで

片手で絞ったレモンの果汁は
もともとあった切り傷に沁みて
胸の奥までヒリヒリです

"あなたを苦しめるようだから距離を置いて…"

ああ、そうか
いつもこうだ
何か間違えた
勘違いを起こしては

とんでもなく

もっとみる