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真の友情について

友達は少ないです。
少ない友達も向こうではそう思ってない可能性はあります。
友情について語れる資格もありません。
だから以下は本の受け売りです。

若いころ山本夏彦というコラムニストがいて、
世間の常識や偽善を風刺する辛口のコラムが人気でした。
世間知らずの私に世間を教えてくれる存在でした。

今ではほとんどの本が絶版になっています。
以前紹介した本も絶版でした。
なんか絶版シリーズですね。

その中に今でも強い印象に残っているコラムがあって

友情についてです。

曰く

自分の憂いに泣いてくれるのは真の友ではなく、自分の成功を喜んでくれるのが真の友だという名高い言葉がある。友の不幸は我にもあらず嬉しいもので、かけつける足が勇むのに気がつかないのは無神経である。
友の幸運は嬉しくないことはないが、二度三度と重なるといまいましくなる。嫉妬してついには疎遠になる。
友の幸運を本当に喜べるものこそ真の友だというのはこんなわけである。
(略)
真の友は友の役に立つことを常に待っている。その機会に恵まれないのを残念に思って、たまたま恵まれると、たとえばそれが金銭なら進んで万金を用だてて、用だてたことを自分が忘れるのはいいが相手も忘れて共に何事もなかったようなのである。
友の悲運が回復するのを喜ぶことひとかたでないのも、一回にとどまらない。再三再四幸運が訪れても、訪れて当然とやきもちをやかない。

山本夏彦著「友の憂いにわれは泣く」

かくの如きが真の友ならこの世に真の友はないというのです。

身もふたもない話です。
私には嫉妬されるほどの幸運はなかったですけど
でもいろいろな人間関係の移ろいを見て来て
真実を含んでいるなあと思えます。

友情は、人間関係の中で最も美しいものの一つです。
しかし、その美しさは決して簡単に手に入るものではなく
努力を要するということでしょう。

夫婦関係と同じです。

これも語る資格ないんですけど。

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