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オルゴールが教えてくれること。

子どもが、学校の授業で作った「オルゴールボックス」を持って帰ってきた。

久しぶりに聴く、オルゴールの音色。

小さい頃「月の砂漠」という曲のオルゴールを叔母が買ってくれた。音のなる仕組みを見ながら聴くのが大好きだったことを思い出した。

ネジを巻くと、動き出す。
鉄の板が、回るでっぱりに引っかかり、弾かれて音が出る。
メロディが、少しずつ少しずつゆっくりになって、静かに止まる。

なんか、人生みたい。ふとそんなことを思う。

今は、オルゴール調にアレンジされた曲を耳にすることが多く、曲の途中で止まることはない。

もしかしたら今の子どもたちは、本当のオルゴールの仕組みや、その美しい儚さを知らないのかもしれない。
手でネジを巻く時計など、手のかかるものがすっかり身の回りになくなってしまったように。

でも、便利でないものが教えてくれることは、本当は私たち人間が思っている以上に多いのではないだろうか。

何度も何度もネジを巻いては、うっとりと曲を聴いている子どもを見ながら、そんなことを考えた。

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