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【記者日記】子どもを万博に行かせないで!第一次署名手交を取材

5月2日、夢洲カジノを止める大阪府民の会は、万博推進局、府教育庁、子ども家庭局に対し、「子どもをカジノに行かせないで!署名」3936筆(WEB1329筆、紙2617筆)を手渡した。段ボールに入った署名は見た目にも重さがあり、そこに込められた思いも感じられた。
また、「万博への子ども招待事業の白紙撤回を求める要請書」を吉村知事、子ども家庭局、府教育長あてに渡した。

府職員に要請書を手渡す府民の会メンバー

 これらは、3月28日に起きた万博会場での爆発事故を受けて急遽行われたもので、3つの部署に対して5月16日までに回答するよう要望したが、各部署とも、万博協会や大阪市にまたがる内容で、期限までに答えられるかわからないと答えた。
 署名などを手渡した後、府民の会から要望を伝えた。府民の会からは
 「『適切に対処します』という回答ではなく、具体的な対応をあげて回答してほしい」という発言があった。
 万博推進局職員は、「具体的な回答をするには5月16日では難しい」と発言した。この後知事にきちんとあげてくれるのかという問いには、「他にも要望が出ているんで。知事は当然こういうことは知っています。わかりますよね」とお茶を濁した。府民の会は「これは命の問題なので、知事や教育長にきちんとあげてほしいんです。子どもたちが爆発事故の犠牲になったり、災害で逃げられなくなったら大変なことなので」と強調した。

府職員に要望を伝える府民の会メンバー

府民の会のメンバー8人は、この後それぞれに意見を述べた。要請書を読み上げた女性は、地域での活動に触れ、「教育庁が各学校に万博招待事業への応答を5月末までにするように言ってきているが、学校や地域の保護者は夢洲がどういうところか知らないことが多いんです。先生たちが本当に情報をもって回答できるのか不安です」と伝え、各学校に情報を伝える(夢洲が処分場であることや爆発事故があったことなど)活動を始めていると述べた。PTAや学校、保護者も含め1千校以上に郵送したという。今後も府下の全小中学校に発送していく予定だ。
 吹田市では市内54校のうち40校あまりに対して学校訪問の計画ができているという。同市では4月中旬に校長会などが開かれたが、その中で教育委員会から万博招待事業の意向調査に応ずるようにという話が出ていたという。だが、校長らは熱中症の懸念があり、困惑している。また、下見が絶対に必要だが、いつ下見にいけるのかもわからない。各市教委も学校長に爆発事故のことを知らせていないなど、不安はつきない。
 茨木市の市議会議員も参加していた。茨木市では各学校とも、今年の予定すら立てられないのに、来年のことまで決められないと混乱している。一日10台の割り当てしかない大型バスは万博会場から遠い学校が優先で、茨木市は当たらない可能性が高い。そうなると学校負担になり、保護者から2千円余りを徴収することになる。着いたらお弁当を食べて帰るくらいしかできない校外学習に意味があるのかと訴えた。
 また、此花区から参加した女性は、此花区の各学校が避難所になる可能性があるため、クーラーをつけるという話があるが、此花区の学校で海抜0メーター以上のところは一か所、しかも40センチだという。此花区は津波が来れば水害で壊滅する可能性が高く、避難所にはならないと発言。手作りの地図を示して説明した。

手作りの地図で万博の危険性を説明する

参加者の男性は、万博推進局や教育庁の職員などに、4月19日の万博協会の会見(爆発事故を受けてのもの)を見たかを聞いたが、誰も見ていなかった。
 参加者の女性は、今回の要請書提出に参加して、「他人事ですよね。公務員の無責任な姿を見た感じです。事故のことを知らない人も多いし。上っ面だけ。何かあったらどうするんでしょうか?言われたことをそのままやっているだけですね」と感想を述べた。また、終了後の集まりでは、子どもたちから、「もし万博に行かなかったら、欠席扱いで内申書に響くのではないかと心配だ」という声も出ているという発言もあった。
 参加者の男性は、「子どもにそんな思いをさせるような行事はおかしい」と疑問を呈した。
 会は今後、情報公開請求やPTAへの働きかけなど、さらに活動の輪を広げていく。

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