【介護ちゃんと看護ちゃん】
訪問看護師が、Aさん宅を訪問した際言われたこと。事務所に戻った看護師が話していた。
「今日は看護ちゃんに来てもらって良かったわ」
『看護ちゃん』の響きに、思わず吹き出した。
でもその後、
「Bさんには介護の人って言われた」
「利用者さんたちにとっては、介護も看護も一緒だからね」
と、少し不服そうな会話。
皆さんはどう思いますか?
昔、「看護の中に介護がある」とか、「介護の中に看護がある」とか、そんな論争(まではいったかどうかわかりませんが)があったように思う。
*以前記事で触れたのは、看護師とケアマネについての話題。
目指す方向は一緒でも、似たような職種でも、それぞれが学んできた過程や内容に違いがあって。プライドがあって。
🌲訪問介護の仕事
「ヘルパーステーション」に属している。ヘルパーたちは『生活』の要だ。
《大きくわけると2つ》
*身体介護:体に触れる介護(排泄・入浴・食事等)
*生活介護:家事支援(掃除・洗濯・調理・買い物等)
生活援助は基本、家族がいれば介護保険を使えないなどのルールがある。1人1人の状況によりアセスメントしてケアプランに反映する。
ほかに、医療行為の一部を担うこともある。研修を終えて行えるもの、病状が安定していることで行えるものもある。
あるヘルパーさんが言った。
「1本のネギで3種類のおかずができる」
主婦であったり、プライベートでも介護をしていたり…
さまざまな経験で培われた知識と技術をフルに活かす仕事。
🌲訪問看護の仕事
医師と看護師は『医療』面からサポートする。
訪問介護の生活援助は、基本行わない。
身体介護に属することは看護師も行う。
そこに医療行為が加わる。本人、家族が希望し、主治医の指示により訪問する。
病院で行う大抵のことは行える。
他人に家に入られるのが嫌でも、看護師が入ることは同意するケースが多い。
施設に入るのは嫌だけど、病院ならいいと言う人がいるのに似ている。
そこには、医師の存在が大きいと感じている。
だから、先生の発する一言二言は、利用者さんの人生を決めてしまうくらい重いものなのだ。
🌲お互いを尊重する姿勢
在宅での生活を支援し続けるには、それぞれの職種を理解して、尊重し合うしかない。
どちらが上だ下だと言うことはない。
信頼関係があれば、うまく循環していく。
看護師、ヘルパーの業務に違いはあるけれど、ときには看護師がレンジで温めて食事を出すことだってあり得る。
入浴介助の後、お風呂掃除をしてくることもある。
どんな状況になっても、
「これは看護師の仕事ではありません」
とは言ってられない。
病気についてはヘルパーが看護師に聞く、家事については看護師がヘルパーに聞く。
お互い不足していることを補う。
「こんなことぐらい相手はわかってるはず」
と言う憶測や決めつけで、お互いこまめにやりとりしないことは、大きなミスに繋がる。
看護師が訪問時、「介護の人」と言われたっていいじゃない!?
看護と介護の区別がついていなくたって、いつも来てくれる人だってわかっている上に、感謝されているんだから。
職業に対し自負して取り組む姿勢は大切だけれど、心の奥でいつも思っていることは、ふとしたときに口から出てしまう。
家事は誰でもそれなりにできる仕事ではあるけれど、ヘルパーさんたちのスキルにはかなわない。
餅は餅屋だ。
在宅生活を支援することはこれからも続く。
利用者さんにとって1番大切なことは何かと考えれば、小さなことに囚われず、お互いが手と手を取り合っていくことだけだ。
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