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恋する乙女の新学期


 はぁ…卒業か。もう子どもじゃないんだよね。4月からは中学生になるんだから。
 中学校は体育祭や文化祭や合唱祭とかの行事も沢山あって楽しみだけど、勉強が難しくなるのが心配だなぁ。
 でも、友達が居れば頑張れるよね。数人は私立受験をしたけど、友達のほとんどは私と同じ中学に行くから安心。誰と同じクラスになるのか楽しみだなぁ。
 そういえば、立花君は何処の中学に行くんだろう。受験はしてなかったから、多分同じ学校だと思うけど…実は引越しで遠くに行っちゃうとか無いよね。そんな話は聞いてないし。
 もしかしたら、私だけ知らなかったって事もあるかもしれない。いやいや、そんな事は無い!絶対に…とは言い切れない。
 このまま会えなくなっちゃったら、どうしよう。そんなの嫌だよ。
「神様、立花君と同じ中学に行けますように。クラスは違くてもいいので、同じ学校でありますように。」
 私は毎日毎日、寝る前にお願いをした。

 いよいよ入学式。新しい制服を来て、桜並木を抜ける。今日からここが通学路。
学校に着くと、早速掲示板で自分の名前を探す。
「あ、A組だ。紗奈ちゃんも一緒!良かったぁ。」
 え〜と、立花君の名前あるかな…あった!同じクラス!本当に願いが叶っちゃった。神様、ありがとうございます!
 しかも、出席番号まで同じだなんて、これって運命なのかもしれない…なんて、そんな訳ないか。

 上履きに履き替え、少し緊張しながら教室に向かう。教室の前には座席表が貼り出されていた。
 私の席は何処かな…窓際の後ろの席かぁ。え?これは奇跡!?隣の席なの〜!?
 そ、そうか。出席番号順だから隣なんだ。うわぁ…どうしよう。余計に緊張してきた。もう来てるかな?
 席に向かうと、立花君は既に着席していた。制服姿がどことなく大人びて見えた。
 私の顔、赤くなってないかな?とにかく普通に。普通に。普通に。
「立花君、おはよう。これからよろしくね。」
 立花君も笑顔で返してくれてホッとした。これから、毎日隣で勉強が出来ると思うと胸が弾む。勉強も部活も頑張ろう!
 こうして、私の夢のような学校生活が始まった。

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最後までお読みくださりありがとうございました(⋆ᵕᴗᵕ⋆).+*

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