芋粥と卒論(エッセイ)
私の、好物のひとつは、芋粥である。そして、大学の国文科の、最後の課題である、卒業論文も、
芥川龍之介の短編小説「芋粥」を、テーマに選んだ。
私の家は、すこし変わっていて、
両親とも、芋粥が好きだった。
なので、たまに晩御飯が、芋粥とお味噌汁だけ、の日もあった。
経済的な理由からでは、ない。
ただ、単に母が、料理をお休みしたい日や、なぜか、ご飯をたくさん炊きすぎて、残った日に、
芋粥の夕食だった。
私と父は、文句も言わず、ちゃぶ台に置かれた、お鍋いっぱいの芋粥をたらふく食べた