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■後悔しかない医師人生
医師人生、私の後悔といわれても、振り返らなくてもわかるのは、後悔しかないということです。

医師人生のライフイベントといえば、医学部受験、就職、キャリアアップ、結婚、最後は出口戦略など。私の医学部受験はパソコンゲームに没頭して現役受験で失敗し、一浪してもそんなんだからパッとしませんでした。なんとか滑り込んだ地方医科大学になんとか推薦入学できましたが、高校の同級生が現役で何人も医学部に合格しているのを見て後悔しました。

小児科医局に入局して、キャリアを積んで小児科専門医取得を目指すべきところを、「小児神経科医に早くなりたい」と気が焦り、小児科医局とケンカ同然に飛び出しました。さらに小児科専門医試験は1回受験しただけで、合格できる自信がないのでそれ以降受験していません。ですが、自信がないから受験しないというふうにはプライドが許さなかったので、「専門医なんて、足の裏についた米粒みたいなものなんだよ」なんてうそぶいていました。

実際、どうなのかというと、取らないと気持ち悪いけど、取ったところで大したものでもないと聞いたことはあります。ですが専門医から言わせてもらえば、博士号も取得していなければ将来の道が狭まるのです。だから私は心の底では、取得している人をうらやましく思っていました。

■どうしても選ばなかった道と比べてしまう
医師人生の中でも、仕事ばかりが全てではありません。結婚も医師人生の中の一つです。私の友人は、医局のマドンナと結婚しています。「美人で多忙で優秀な奥さん」なのか、我が家のように「収入なくとも家事と育児をする奥さん」なのか、どちらが幸せなのでしょうか。特別、現在の妻に対して不満を持っているわけではありませんが、もし私が医局のマドンナと結婚をしていたら、医師人生にどう影響をし、変わっていたのだろうかと考えてしまうだけです。

自分の身近に、対照的な友人がいたからこそ、比較してしまうのかもしれません。ですが、大人になれば働いているか、家にいるかという二択であることがほとんどです。人生の大半を共に過ごす相手からの影響が全くないということはありません。私は、今の妻としか結婚をしたことがないので、自分がどう変わるのだろうかということを考えずにはいられない、ということです。

また私の医師人生は、20年勤務した病院で人間関係に悩み自主退職に追い込まれました。それなのに友人は、充実した医師人生を過ごしており、どうしてこんなに差が出てしまうのかと本気で悩みました。

私の医師人生は、そんな風に迷ってばかりです。

■終わり良ければ総てよし
じゃあ、後悔や迷ってばかりで辛いから、医師人生を歩まなければよかったのか、と自問すると、そこは「いいえ」という言葉が出てきます。確かに色々なことがありましたが、どんなときも最悪の状態で終わることはありませんでした。それでも後悔してしまうのは、私の持病である「比べてしまう病」が周りと比較して、ウジウジと考えているからです。

失敗体験がなければ人は成長しません。また正解ばかりを選べる人生もないのでしょう。自分なりの答えを出しては、自分で否定して、それでも出して答えを出して医師人生を歩んでいくものです。

人生は終わりが楽しいのが一番だと、上司に言われたことがあります。だから私は、終わりよければと後悔しかない医師人生の出口戦略を考えているのです。

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