【医療コラム】【子育てコラム】【48歳からのコラムニスト】子育て小児科医そして児童精神科医

現役小児科医そして児童精神科医として4人の我が子の子育てしながら総合病院勤務しておりま…

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現役小児科医そして児童精神科医として4人の我が子の子育てしながら総合病院勤務しております。

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【児童精神科コラム】「過保護」「過干渉」が子どもに及ぼす 悪影響そして対処法

子育て中のみなさん、気づかないうちに「過保護」や「過干渉」になっていませんか? わが子のためと信じてやっていることが、場合によっては「過保護」「過干渉」となり、お子さんに悪影響を及ぼすことがあります。 そこでこの記事では、「過保護」や「過干渉」が子育てに及ぼす影響について、また、「過保護」や「過干渉」にならないようにするにはどうしたらよいのかについて解説します。 ぜひ参考にして、ご自身の子育てを振り返ってみてください。 ■「過保護」「過干渉」とは何か 文部科学省の約7割

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    • 【小児医療コラム】利益の少ない小児医療の課題 医療機器開発が進まない

      ■小児医学と医用工学 工業技術の発展と共に私たちの生活にはさまざまな工業製品が関わっています。 日常生活ではパソコンや家電がない生活は考えられないものとなっており、仕事でもあらゆる業種でロボットやコンピュータが必須になっています。 医学の世界でもさまざまな工業製品が使われており、日々新しい医療機器が開発されています。 このような工業製品の開発では製品を作成する工学系の技術者と、実際現場でその製品を使う医師の間での壁があることがしばしば問題となります。 特に小児科領域におい

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      • 【医療コラム】日本の医療費は高い? 医療システムの海外比較

        最近、税金で話題といえば「子育て」に関することですが、日本の医療費は増大の一途をたどっていること、ご存知ですか? 医療費が増大すると、高齢化社会とともに保険料を払える世代が減少し、国民負担が増えることになります。 ただし、少子・高齢者問題を抱えているのは日本だけではありません。他の先進国も同じ傾向をたどっているのです。 では、諸外国と比べて日本の医療費は高いのでしょうか?それとも安いのでしょうか? 今回、諸外国と比較しながら、日本の医療費の現状と将来の見通しや日本の医

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        • 【医療コラム】見てるか?  研究者の命である研究を盗むヤカラ。

          研究者の命である研究を盗む。盗まれてしまうドラマ。 ありがちと言えばありがちですが、これはよくあることなのです。 例えばある研究を見出だし学会で発表する。 すると興味を持った雑誌社があの研究を特集したいので記事を執筆して下さいと依頼をしてくるわけなのだが、このとき研究を発見した者にその依頼が来るわけがない。そんな記事は誰も読まないし雑誌が売れないからだ。 だから共同研究者のトップに依頼が来る。論文の共著者に自分の名前を載せていただければ幸いだが・・。やがてその研究の功績はト

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        • 医療とお金
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          【医療コラム】医療も政治も上に立つ者が大事 

          ■ポジティブからネガティブに移行する会話 私の大好きなTV番組「ザワつく金曜日」で、東大生が選ぶ総理大臣になってほしい人ランキングをやっていました。 ブレない。周りに気配りがきく。 といった視点から、様々な人が挙げられていました。たまたま当直で医局で見ていたので、⚫️⚫️はまだ若いだろうとか、◯◯なんていいねーなんて、医局でも盛り上がっていました。ただ、そのときは楽しかったんですが、段々と話は盛り下がることに……。 「さっきもさあ、救急車で来たの発熱だけだって。昼間から

          【児童精神科コラム】いじめ現場の目撃  そして児童精神科医へ・・。

          ■今でも忘れられない小学校時代の事件  私が通っていた小学校には、「養護学級」(現在の特別支援学級)というクラスがありました。  私が小学1年生だった時、養護学級には自閉症の子が1人だけいたそうですが、それは後から知った話です。当時の私は、そのクラスがなんのためにあって、何をしている所なのかは、わかっていませんでした。  でも、教室の存在だけは知っていました。ただ、そのクラスは職員室と同じ1階にあって、私がいた1年2組の教室は2階にあったため、交流もありませんでした。

          【児童精神科コラム】いじめ現場の目撃  そして児童精神科医へ・・。

          【医師コラム】自分自身を叱咤激励 

          ■「お仕事」にはいろんな側面がある みなさんは「お仕事」は好きですか? 子どもの頃は私のように「お医者さん」のみならず、「プロ野球選手」や「Jリーガー」を目指して夢見た方も多いと思います。「好きだからできる仕事」ってそうはないんだよ。好きでも仕事として続けるとちょっとなぁ・・。そんな言葉は、苦い思いをした大人しか言えないし、逆に誰にも言えないことかもしれません。 仕事はいろいろなことにチャレンジすることで、自分の成長を感じられるいい面もあれば、やりたくない仕事も続けなけ

          【児童精神科コラム】【子育てコラム】親として小児科医として思う

          ■しつけの質が落ちている現在 子どもを育てるのはとても大変です。子どもの気持ちを理解しながら、しつけなければいけません。子どもの気持ちを無視することなどあり得ないし、そのためには時間をかけて育てなければならないからです。 公共の場で子どもがルールを守らなかった場合、近くに親がいれば親が怒るのが当然です。しかし、最近の親は注意しません。親が注意しなければ、周りの大人が代わりに注意をするということも、昔はよく見る光景でした。ですが、最近はそれもありません。勝手に注意をすると、

          【児童精神科コラム】【子育てコラム】親として小児科医として思う

          【児童精神科コラム】 神経性やせ症の女の子

          ■これだけは譲れないもの、自分にとって大事なもの 人が人としているためにはこれだけは譲れない、守るべきものがあると思います。例えば、家族であったり、大事なものであったり。家族のためなら全部を捨ててもいいと思っていても、ぼろぼろになった時、最後まで残るのは「プライド」なんだと思います。 私は医学生のときに大病となり、主治医から、「医師となるのは難しいだろう。少なくとも外科系は自分だけでなく患者さんのためにもダメだ」と言われ、同級生には「医学部なのに医師になれないなんて、俺無

          【医療コラム】国産初の新型コロナワクチン  遅きに失したワクチン研究開発費 米の1割 67億円

           COVID-19の名称の通り、2019年から世界中で感染拡大を繰り返し、医療界のみならず経済界にも大きな影響を与えた新型コロナ感染症。その後、早くも2021年2月14日にファイザー製の新型コロナワクチン(以下、ワクチン)が製造販売承認され、2月17日 から医療従事者等を対象に予防接種法に基づく臨時接種が始まりました。 それからおよそ2年10か月たった2023年12月。満を持して国産初の新型コロナワクチンがついに使用開始されました。 しかし、この約3年間。海外で開発された

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          【小児医療コラム】血液検査 CRPと小児科医

          ■血液検査のCRP(C-reactive protein)の重要さ 小児科医であれば血液検査のCRPの重要さは十分に知っているでしょう。もちろん医師であればCRPの重要さはルーチン血液検査項目に入れることで証明されることでしょう。 しかし、私が研修医となった25年前はその認識は、そこまでではなったのかもしれません。何しろ医学生のとき、CRPの大切さはそこまでとは教わっていなかったからです。今では、小数点下2桁で表される値が以前は、施設によっては-、±、+、++、+++の定

          【医療コラム】「仕事が覚えられない…」「すぐ忘れる」のは発達障害?

          どうしても仕事を覚えられない。自分がそのような状況になったり、同僚や部下がこのような状態になって悩んでいるのを見たことがある人は多いのではないでしょうか。 仕事を覚えるのが遅かったり、物忘れが多かったりするのにはいくつかの原因があります。「もともと覚えるのが苦手なんだ、、、」と諦める前に仕事が覚えられない、物忘れをしてしまう原因について知り、対策することは重要です。 ■仕事が覚えられない原因 ①生活習慣 「仕事を覚えられない、、もしかして記憶力が落ちてしまう病気?」そんな

          【医療コラム】「仕事が覚えられない…」「すぐ忘れる」のは発達障害?

          【医療コラム】仕事でミスを連発・・・これって発達障害?

          ■仕事でミスばかりする人は発達障害の可能性があるのか。  仕事でミスを重ねる人が発達障害の可能性があるとは一概には言えません。確かに発達障害は注意力や集中力の低下を招いたり、コミュニケーション能力や社会的スキルが乏しくなる傾向がありますがその程度は様々です。また一言に発達障害と言っても様々な種類があるのです。  また、ミスばかりする原因としてはストレス、過労、学習の機会不足など様々な要因が関連しており、それらの要素がないかを精査する必要があります。仕事ができないからと言って

          【医療コラム】「家族がストレスでしかない…」 原因と対処法について児童精神科医が解説 セルフチェック エゴグラム

          普通に暮らしていれば、毎日顔を合わせコミュニケーションを取らなければならないのが「家族」です。 どんな親や兄弟だったとしても「血のつながり」はなかなか断ち切ることが出来ません。 また、家族はお互いに深く影響しあうことが言われています。 特に、家族関係が円満かどうかで人生に大きく関わってくるのは子どもです。例えば、家族内関係が上手くいかずコミュニケーションや愛情不足が顕著だった場合、トラウマ後ストレス障害やうつ病などの精神的な健康が悪くなりやすいことがわかっているのです。

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          【医師のお金コラム】【医療コラム】 初期臨床研修医 平均年収435万円 研修医の平均年収と医師の働き方改革2024

          最近、医師の働き方について注目が集まっているのをご存じですか? 医師の世界も2024年4月から厚生労働省による「働き方改革」が施行されたのです。 医師の「働き方改革」とは長時間労働で支えられていた医療機関に対して様々な「見直し」をしなければならないという制度です。 医師の長期間労働を規制し、医師がスムーズにキャリアアップできるための環境を整えようと、医療機関はさまざまな「工夫」をしなければいけなくなります。 特に注目されているのは「研修医」。 「勉強のため」「若いから

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          【小児医療コラム】【子育てコラム】 子どもは静かにおぼれます。子どもから目を離さないで! (溺水反応)

          夏になると川や海で起きる「水の事故」の報道を見聞きする機会があるでしょう。 何で事故が起こらないように注意しなかったのか? 溺れたときにすぐに助けられなかったのか? みなさん当然そう思うでしょう。 「子どもが溺れた」と聞いた時、皆さんはどのような状況を想像するでしょうか? 多くの人が川や海などで「助けてー!」ともがきながら溺れている子どもを想像するのではないでしょうか。しかし、子どもは静かに溺れるのです。 実は多くの溺水は家庭内で、しかも近くにいる親が気づかないうちに起きて

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