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涙に霞む桜の花びら

満開の桜を見上げる寂しげな父親の背中
心なしか震えているようにも見える
桜の時期に生まれて桜に愛されて育った子
今年はその桜を待つ事もなく寒い時期に逝ってしまった
その子が長じるのをどんなにか楽しみにしていたであろう父親
どんな話ができるのだろう、あれもしたいこれもしたいと夢は膨らむばかりだったろう
男同士でお湯に浸かって出来た彼女の話、将来はあれがしたい、入試に受かった、就職先が決まった、結婚式の話などなど、、、
しかし父親に残されたのは心の大きな穴だけ
誰も埋めることはできない。
残された姉妹達ですら。
私のスマホにも幸せそうに微笑む親子の姿がいっぱい残っている
私は今年は花見には行けない
何気に送られて来た、写真の中の寂しげな背中が目に焼きついて
道端に咲いている桜ですら滲んで見える


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