Orfeo オルフェオ
歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」
太陽神アポロと詩の女神カリオペの息子オルフェオは、父から竪琴を与えられた優れた音楽家。ニンフのエウリディーチェと結婚し、幸せな日々を送っていましたが、エウリディーチェは毒蛇にかまれて死んでしまいます。
●1762年:ウィーン版(イタリア語)
● 1774年:パリ版(フランス語)
パリ・オペラ座上演の為に、グルックはバレエの場面を加えています。第2幕「精霊たちの踊り」の有名なフルート・ソロは、パリ版のために書かれた曲なので、ウィーン初演版には出てきません。
23:アリア 「あなたのように、私もまた」
24:合唱 「ああ、どのように不思議な」
27:バレエ「精霊の踊り」☆
ウィーン版は、オルフェオをカストラート(去勢された男性歌手)が演じますが、パリではカストラートが嫌忌の対象であったため、オートコントル(フランスのバロック音楽を歌うテノール)に変更されました。
作曲者:グルック(1714-87)
ActⅡ Scene 1 : aria et choeur des Furies
第Ⅱ幕 第1場:Furies のアリアと合唱
※Furies(復讐の女神)
ドイツの古典音楽家グルックも、オルフェウスの伝説に基づいたオペラを作曲しました。このアリアの中で、オルフェウスは自分が地獄の門にいることに気づき、そこから愛する妻エウリュディーチェを連れ戻さなければなりませんでした。その悲しげな歌の影響で、フューリーたちは落ち着きを取り戻し、その後姿を消します。
グルックのオペラ改革
1600年頃に誕生したオペラは、音楽・詩・劇の融合を目指した当初の理想から次第に離れ、歌手の妙技を競う「アリア」中心になり始めていました。
そこで、グルックはオペラ改革を行います
● 詩と音楽の調和
● 劇の性格や物語を知らせる「序曲」
● 無意味な繰り返しや、装飾の廃止
● 「レシタティーヴォ」と「アリア」を分断しない
● 筋書きや詩と音楽を一体化させる など
これらは、ウェーバーやモーツァルト、ワーグナーらに受け継がれていきます。
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