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Orfeo オルフェオ

歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」

太陽神アポロと詩の女神カリオペの息子オルフェオは、父から竪琴を与えられた優れた音楽家。ニンフのエウリディーチェと結婚し、幸せな日々を送っていましたが、エウリディーチェは毒蛇にかまれて死んでしまいます。

●1762年:ウィーン版(イタリア語)

01:00 序曲
04:04 第1幕
24:30 第2幕
45:09 第3幕

Gluck - Orfeo ed Euridice (Vienna version, 1762) (youtube.com)

【第1幕:この世】
オルフェオの妻エウリディーチェは、毒蛇に噛まれて死んでしまいました。オルフェオは妻を取り戻すために「あの世」に向かいます。

【第2幕:あの世】
愛の神アモーレが「この世に連れ戻すまでは、妻の顔を見てはいけない。」ことを条件に、妻を連れ戻すことを許します。

【第3幕:この世】
妻が自分を見てくれないことに不安を感じたため、オルフェオは妻の顔を見てしまいます。すると妻は息絶えてしまいます。

オルフェオが嘆き悲しんでいると、最後にアモーレ(愛の神)が妻の命を返してくれます。皆がアモーレを称える中で、オペラが終わります。

『オルフェオとエウリディーチェ』あらすじと解説(グルック) (tsvocalschool.com)


● 1774年:パリ版(フランス語)


パリ・オペラ座上演の為に、グルックはバレエの場面を加えています。第2幕「精霊たちの踊り」の有名なフルート・ソロは、パリ版のために書かれた曲なので、ウィーン初演版には出てきません。

23:アリア 「あなたのように、私もまた」
24:合唱 「ああ、どのように不思議な」
27:バレエ「精霊の踊り」☆

ウィーン版は、オルフェオをカストラート(去勢された男性歌手)が演じますが、パリではカストラートが嫌忌の対象であったため、オートコントル(フランスのバロック音楽を歌うテノール)に変更されました。


作曲者:グルック(1714-87)

ActⅡ Scene 1 : aria et choeur des Furies
第Ⅱ幕 第1場:Furies のアリアと合唱 
※Furies(復讐の女神)

ドイツの古典音楽家グルックも、オルフェウスの伝説に基づいたオペラを作曲しました。このアリアの中で、オルフェウスは自分が地獄の門にいることに気づき、そこから愛する妻エウリュディーチェを連れ戻さなければなりませんでした。その悲しげな歌の影響で、フューリーたちは落ち着きを取り戻し、その後姿を消します。

ウィーン版(動画)
※ オルフェオ役:ベジュン・メータ 
(カウンターテナー)
32:21 千の悲しみ、厄介な影

Gluck - Orfeo ed Euridice (Vienna version, 1762) (youtube.com)


グルックのオペラ改革

1600年頃に誕生したオペラは、音楽・詩・劇の融合を目指した当初の理想から次第に離れ、歌手の妙技を競う「アリア」中心になり始めていました。
そこで、グルックはオペラ改革を行います
● 詩と音楽の調和
● 劇の性格や物語を知らせる「序曲」
● 無意味な繰り返しや、装飾の廃止
● 「レシタティーヴォ」と「アリア」を分断しない
● 筋書きや詩と音楽を一体化させる など

これらは、ウェーバーやモーツァルト、ワーグナーらに受け継がれていきます。

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