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Alex Da CorteのWorld Leader Pretendを鑑賞する

とある金曜の会社帰り、地下鉄を途中下車して、4月に始まったAlex Da Corteというベネズエラ系アメリカ人のコンセプチュアル・アーティストの展示を見に行った。初めて耳にする名なので、鑑賞を決める前に大まかな作品をネットで調べてみたが、作品自体はかつて幾つか雑誌で見たことがあったこと、またHip HopやRapのミュージックビデオも手掛けているとあって、全体的にポップだったりノリノリな感じの作品が多い印象を受けた。

このギャラリーの展示を何度か見たが、正直言って、これまでそれほどピンとくるものはなかった。ただ、もしかしたら今回はスポンジボブやスティーブンマーチンくらいならその場でステップ踏んじゃうかも、という雰囲気が垣間見えたので(実はシマ子は10年以上前にHip Hopやジャマイカンも3年弱やりまして、そういうステップもイケるわけです)、近所のもう一軒のギャラリーと併せて(そちらが本命)ささっと鑑賞することにした。

Alex Da Corte(1980年生まれ)
絵画、彫刻、インスタレーション、パフォーマンス、ビデオなどを手がけるアメリカのコンセプチュアル・アーティスト。しばしば超現実的なイメージや日常的なオブジェを使用し、消費主義、ポップカルチャー、神話、文学のアイデアを探求している。

メトロポリタン美術館、ルイジアナ近代美術館、金沢21世紀現代美術館、セセッション、ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館などで国際的な展覧会を開催。またJayson Musson、Dev Hynes、Annie Clark、Tierra Whackなど、他のビジュアル・アーティスト、作家、ミュージシャンとのコラボレーション・プロジェクトを数多く手がけている。

Wikipediaより

上記のように、金沢21世紀現代美術館でも彼の展覧会が開催されたので(しかも去年らしい)、もしかしたら彼の作品をご覧になられた方もいらっしゃるとは思う。

ということで、長々と説明を加える必要もなさそうなので、早速今回の展示作品へ移ろうと思う。

The Deal(2024年)
どなたとどなたか、ここでわかったあなたは凄い!!!
World Leader Pretend(2023年)
近景
日本のパネルをクローズアップ
What The Thunder Said(2024年)
この右側に稲妻のイラストがあるのですが、シマ子の映り込みが激しいので、文字のパネルのみご紹介します。下の文を読んで、右のパネルをご想像ください。
「The rain began early in the morning. It fell as hard drops, and after another. The sky was full of dark purple clouds. Thunder began as a soft rumble and became louder and louder. Lightning crashed every few minutes, making the sky a brilliant white.(訳: 早朝に雨が降り始めた。激しい雫が次から次へと落ちてきた。空には濃い紫色の雲が広がっていた。雷鳴は柔らかい音から始まり、次第に大きくなった。雷が数分おきに鳴り、空を真っ白に染めた。)」
The Burial of the Dead(2024年)
「本当は恐ろしいグリム童話」という本がありましたが、そういうイメージを彷彿とさせる作品。
A Game of Chess, Palimpsest(2024年)
Le Mont Noir(2024年)
よく見ると危険なものばかり

次の大きな部屋へ移ろう。壁が可愛いので、まずは壁の写真を一枚。

The Mother of the World(2024年)
Ballad of a White Horse(Attacked by a Lion)(2024年)
The Fire Sermon(2024年)

作品は他にもあったが、残念ながら映り込みが激しく、載せられないものばかりだった。

ところで、最初の握手の写真から、どなたとどなたか、あるいはどの国とどの国か、と気になった方も多いのではないかと思う。
正解を明かそう。。。それではどうぞ!

世界の指導者のふり

1821年5月5日の早朝、長年の友人でナポレオンの最初の付き人だったLouis-Joseph-Narcisse Marchandは、気弱な弟子の隣に座り、握手をしていた。ナポレオンが退屈しないように、彼はいくつかの質問をした。以下は、1821年にMarchandによって書き写され、1952年にJean Bourguignonによってフランス語で出版され、後にProctor JonesとJean Tulardによって翻訳されたナポレオンの答えである。

皇帝よ、砂漠について教えてください。

私は砂漠を覚えている。果てしなく広がる不毛の砂漠。私の手のように、私の体のように、もろく、ひび割れた。でもどうして?この体はまだ私のものなのだろうか?私は自分の体と視線を交差させ、目に映るのは砂漠だった。

(中略)

春を思い浮かべ、花や人生を想像するのは良いことだ。それは彼女にとって良いことだ...

もし私が…牡丹が見える、牡丹が咲いているのが見える、明るく、希望に満ちている、でも夜だ。私に牡丹を送ったのはジョセフィーヌ?彼女なのか?彼女はどこにいる?ろうそくの光?それとも星の光?花が見える 牡丹が見える 彼女が見える。

彼女は彼のそばにいる。彼は彼女と一緒にいる、彼は彼の心に彼女を運ぶ。 ...そして今、嵐が来ている。主よ、嵐の前に何をなさいますか?

ナポレオンは目を閉じた…

展示案内より抜粋・意訳


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