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【いい年して自己啓発本なぞ】note創作大賞で思い出した『夢をかなえるゾウ』

「いい年して、自己啓発本なんか読みやがって、、、」


、、、上記は、私の知人のおっさんがよく言うセリフである。
彼曰く、人生経験の足りない若者であればいざ知らず、いい年した人間がいつまでも「どうやって幸せな人生を得るか?」、「どうやって自分を奮い立たせるか?」みたいな自己啓発本、他人の意見なんかに縋るなよという話らしい。
その方は、私よりも一回りほど上であるが、とにかく「自己啓発本」大嫌いな方である。

まあ言いたいことの一部は分からんでもない。
この手の本の一番怖いところは、実に志高いことが書いてあって、それらの本を読むだけで「何か、少し自分のレベルが上がった?」みたいに感じるところであると個人的に感じている。

マインドが変わるだけで、物事にこれまでとは違ったアプローチができるようになる、それがチリツモで、やがて人生が好転してゆく、、、みたいに本の内容を人生に応用してゆければ理想的である。
ただし、読んだ内容を実践もせず、「人生の質が向上しそうな本を100冊読みました!」と本棚のコレクションを誇って、「大切なのはなぁ、○○ということなんだ!」とか居酒屋で講釈垂れ始めるような方向に行くと、人生が好転するどころか、むしろウザがられるだけで、何とも自己啓発本の弊害が生じている場合もあると感じる。

10代の頃、大学受験で少し精神バランスが崩れたことがあり、すでに難関校突破を果たしていた姉に「受験との取り組み方」について相談し、1時間ほど真剣に議論したことがあった。
姉も自分の苦労を思い出し、真剣にアドバイスをくれたわけだが、1時間の最後にこう言った。
「この1時間で、ハミング🐦は大学合格について一生懸命考えたから、1時間分、大学合格が近付いたように感じているけど、実際はゴールまでの距離は変わってない。むしろ、この1時間を相談ではなく、受験勉強に割いていた方が、ゴールに近付いていたと思う」
まあ、ずっと勉強とか仕事を続けるのも非効率的であり、カウンセリングやリフレッシュが必要で、姉もそんなことは分かっていたと思う。
要するに、「頭を切り替えて、走り続けないと、ゴールまで辿り着かんよ。頑張れ」みたいな姉なりのエールだったわけである。

「具体的に乗り越えたい壁」がある場合、他人からのアドバイスや「自己啓発本」や「自己啓発セミナー」で学習することで、「自分はこの壁と真剣に向き合っている。だから、壁を乗り越える日が近付いた」という気持ちになることがあるが、それは基本的には「壁を乗り越える力が備わったかどうか?」とは別問題であると考えている。
当たり前だが、壁を乗り越えるには、アドバイス、自己啓発本、セミナー、、、などから、自分が何かを吸収し、それを実践しなくてはならないわけである(んなこたぁ分かってるよという話かもしれないが、これがまた難しいわけですが^^;)。
、、、話が少し大仰になってきたが、そういった「実践がね、大切なのはね、分かってるんすよ ToT🐦🐦 でもね、色々ね、思う通りにいかないんすよToT🐦🐦 辛いときもあるんすよToT🐦🐦 ピヲピヲなんすよToT🐦🐦」的なことを理解した上で、「自己啓発本」に縋りたい、、、というのであれば、それはもういいじゃん!と思うのだが……(↑ 冒頭のおっさんに対するメッセージです)。

さて!


私は、このような自己啓発本の類…………
……たまに読んどります^^;

うぉい!


そう、何を隠そうこの私が、たまにその手のマインドセットみたいな本がスキで読むことがありまして、「別にええやん^^;」という意味で、グダグダ書いてきた訳である🐦🐦
冒頭のおっさんのセリフは、私に対するものではなかったが、私こそが「いい年して自己啓発本なぞ読んでいる鳥🐦🐦」なわけである!
ネットで以前、「ちゃんとしている人は、ミーハーな自己啓発本なんか読まない」みたいな意見があったが、なるほど私は「いい年して自己啓発本なぞ読んでいる『ちゃんとしていない鳥』🐦🐦」というわけである^^;
(ピヲ~ッToT🐦🐦である)

以前、書評を投稿したこちらの本も、カテゴライズすると自己啓発本の類になるかもしれない。

※※※※※

私の場合、気持ちが塞ぎ込みやすいほか、何か自堕落な方向に考えがいきがちなので、自分の仕事だけでなく、趣味や人間関係とも「しっかりと向き合わんかい!」と渇を入れてもらうために、冒頭のおっさんの言葉を借りると「いい年して」読んだりしているわけである。

それでそれで、この有名な自己啓発本などは、余裕で私の本棚にも並んでいる。

『夢をかなえるゾウ』(飛鳥新社)
(著者:水野敬也)

いつ買ったのかも覚えていないが、流行った時期が10年くらい前なので、その頃に便乗して買ったのかもしれない。
まあベストセラーなので、私が今さらクドクド解説するまでもない本であるが、読んだことない方のため、あらすじをざっと説明する。

内容は小説仕立てで、ある日、ダメダメなサラリーマンの枕元に、関西弁を喋るゾウの姿をした神様「ガネーシャ」が現れる。
何物でもない自分を嘆き、人生を変えたいと願う主人公に対し、ガネーシャは「本気で人生を変えたいなら……」と次々と課題を出してゆく。
最初は「そんな課題に何の意味があるんだ?」と訝る主人公だが、1つ1つ課題に取り組むうち、色々と新しい発見をする。
さて、本の最後に主人公は変わることができるのだろうか?!
……的な話である。

堅苦しい内容にならないよう、ガネーシャが何とも笑いを誘うキャラクターとなっており、主人公との漫才のようなやり取りが読者を飽きさせない。

本の最初の方で、ガネーシャと主人公が部屋でこのようなやり取りをする。
「自分、成功するための○○みたいな秘訣教えてほしいのか?」
「そうです。そういうの教えてください」
「教えるも何も、自分で付箋貼っとるで」
そして、ガネーシャが主人公の本棚から今流行りのビジネス書を取り出す。
要するに、ビジネス書の興味のある箇所に付箋を貼ったのだが、読んだだけで満足して本棚に戻し、実践していないので、人生は全く変わっていない……という皮肉である。

上で書いた話に戻るが……自己啓発本も読んだだけで満足していても、何も変わらないんですよね(ToT🐦🐦)。
ガネーシャに言わせると、「本気で人生変えたいなら、ちゃんと課題を実行せい!」という話である。

ガネーシャの課題をここで全て列記するのもえげつないので、面白いのをいくつか(今さらだが)。
『コンビニでお釣りを募金する』とか。
あと『トイレ掃除をする』とか『お参りする』なんかは、私も定期的に行っているので「ヲ! 大成功に近付いたか!」などと嬉しい気分になったのを覚えている。
ただし、今読み返してみると、課題自体、忘れているものが多い。
そして、あまり実践していないものも目に付く。
ガネーシャに「何しとんねん!」と言われそうでもあるが。

実は、この本の課題の中に、ずっと心に残っているものが2つあった。
1つが上の『お参りする』なのだが、もう1つが『応募する』というものである。
この応募というのは、コンテストのようなものだけでなく、仕事のポジションへの応募等も広く含むらしい。
本のネタバレとなるので、この課題の意味は伏せるが、この行為自体に人生を劇的に変える秘密のようなものが隠されている……といったくだりを読んで、ひどくワクワクした。

※※※※※

昨年、私はnoteで小説執筆のデビューを果たした。
「デビューを果たした」というほど大げさなもん書いとんのかい!とツッコミを受けそうであるが、そこまで大げさなものは書いていない🐦🐦(キッパリ!)。
ただし、私は以前の記事にも書いたが「小説を書いてみる」というのが長らく人生の目標の1つだったので、自分にとっては非常に大げさな話であった。
今年のnote創作大賞、最初は「応募」のつもりもなかったのだが、参加意思を表明する周りのフォロワーさまたちに刺激を受けた。
そして、実は上に挙げた『夢をかなえるゾウ』のガネーシャの課題の1つである『応募する』が、ふと頭をよぎった。

小説を書き始めて約1年の私が、小説部門で応募なんて、傍から見ると「受賞できるわけないじゃん!」と言われそうな笑止千万な話なのかもしれないが、受賞の有無は別として、上の課題が頭をよぎってしまったのである。
ここで見送ると、ガネーシャから「自分、何で実践せえへんねん! 付箋貼っとるだけやん!」とツッコまされそうな気がして、GW中に小説を書き上げ、小説部門に応募したという経緯もある。

note創作大賞で思い出したガネーシャの課題。
既に腕のあるフィクション系noter様たちから好意的なフィードバックをいただき、非常に感激した。
受賞の有無はさて置き、今回の「実践」により、自分の人生がまた新たな変化を起こし始めているのかも……と考えると、何だかワクワクする。

(完)


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