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LIVE PARADEとは何だったのか①~アーティスト水樹奈々のMon Panache!~

LIVE PARADEで自分が考えたこと、受け取ったことを言語化したい。今回のライブで自分自身、生き方を含めかなり勇気をもらったと感じるライブだった。PARADEというのは、楽しいのだけではなく、希望を運ぶもの。私はそう感じた。
それぞれの曲の記載に濃淡があるのでその点はご了承いただきたい。
無茶苦茶長くなりそうなので分割します。


LIVE PARADEの位置づけ

LIVE PARADEは既にライブで水樹奈々自身が語ったように、コロナ後、RUNNER→HOME→HEROES→PARADEの4部作の集大成であると位置づけ。RUNNERでコロナからの出発、HOMEで自分たちの居場所に戻り、HEROESで自分たちの居場所を守るHEROが現れ、PARADEで全国に歌を届ける興行というテーマを基に演出やセトリが構成されている。
特に、今回のPARADEは、声出し解禁などコロナ前の状況にかなり戻ったということ、4部作の最後ということでメッセージ性が強いものと考えられる。

LIVE PARADE全体

ライブの構成

曲の解釈に入る前にLIVE PARADEの全体を概観してみたい。①PARADEの始まりを告げる場面②デイパレード③ナイトパレード④真のパレードの開始⑤真パレード⑥次のライブへの希望の6場面くらいに分かれる。途中、MCとブリッジムービーで場面が変わっていく。更に細かくGmmick Game後のチェリボパートでも微妙に変わるように思う。
前半のパレードパートもダンス曲still in the grooveからEternal Blazeがデイパレード、MCの後にアコースティックアレンジから恋想花火までがナイトパレードの構成となっており、恋想花火でナイトパレードのトリの花火を表している。
サーチライト以降は、シン水樹奈々として新たなパレード、今までのパレードを超えた希望溢れるステージが開始されるという構成となっている。

ムービー

オープニングムービーは、ゴーグルを着けた子どもたちが、全国に歌を届ける水樹飛行艇団が登場により、階段へ上り、そして、紙飛行機を投げるというものだが、水樹奈々の衣装が黒いのは渡り烏を表現している。ゴーグルは未来が見えない、つまり、コロナ禍の世界の状況を表している。子どもたちは参加者を指し、今回のLIVE PARADEは子どもたちつまり参加者とともに作っていく、紙飛行は希望を表しているのではないかと思う。
ブリッジムービーは、恋想花火の途中で扉が閉まっていく、PARADEの第1幕終了後に流れる。そこでは、飛行艇が落雷にあい、炎に包まれ破壊されてしまう。これは、コロナ禍で興行が全てストップしてしまったことを表現している。誰もいない世界、コロナ禍でライブが中止になったこと、声の出せないライブなど様々な困難を暗示していると思われる。
その中で水樹奈々はあてどもなく歩き、何かを探し、焦げた小さな紙飛行機を見つけ、念ずる、すると空は時とともに晴れ、紙飛行機は元の形に再生する。そして、子どもたちが歓喜する。これは、声出しが解禁となりマスク付とはいえ、本来のライブに戻ることと観客がそれに対する歓喜や喜びを表現している。

セットなど

HEROESのオーディオコメンタリー時に声の出せない観客を如何に満足させるか意識したと述べている。実際HEROESは声が出せない状況下、映像や背景、照明の演出にはかなり工夫を凝らしている。目標は声を失うほどの感動で、HEROESで特に演出面を進化させた。LIVE PARADEでは、その進化をそのままに飛行艇のセットや曲の際の背景映像など、仮に声出しできない状態でも観客が満足できるものとなっている。私見だが、特に恋想花火の映像の花火が印象に残った。

LIVE PARADEのセトリ

今回のセットリストは、HEROESで歌っていなかったなのは曲、シンフォギア曲でHEROESとの連続性を表現し、夏に関する曲、PARADEに関する曲、困難に立ち向かう曲、明日への希望の曲に分けられるのでないかと考えられる。前半はかなりダークな曲の雰囲気があり、彼女自身の渡り烏というイメージとコロナ禍の閉塞を表現していると思う。歌詞から、LIVE PARADEという物語を紡いでみよう。

Welcome To The Black Paradeの後、オープニングムービーが流れ水樹奈々が現れる。衣装は黒とピンク。渡りガラスを表している。オープニングムービーは、水樹奈々が乗る飛行艇団が登場し、子供たちが飛行艇を見るために外へ出て、紙飛行機を投げる。PARADEの開始を告げるとともに、子供(観客)の喜びが表現されている。

①Red Breeze
この曲は、まさにコロナ禍の水樹奈々及びファンの状況を表現している曲だと思う。PARADEの最初を飾る曲としてふさわしい曲ではないだろうか。

簡単に翻される
昨日までの常識さえ
戻れぬ過去も失われた世界

「Red Breeze」水樹奈々

コロナ禍でライブが中止され、そしてHEROESまで声出しが禁止された世界、2019年時点においては考えられなかった世界である。もはや、それまでの日常が失われた世界で我々は生きていかざる得ない。そんな状況を表現している。これを最初にもってくるのは、彼女自身コロナの状況下で感じたことを表したものではないだろうか。

真昼の太陽が翳る時に
誰もが未来を恐れ
「今」を信じることさえも
疎かにしてしまうの

「Red Breeze」水樹奈々

コロナ禍の日々の状況下、ライブが2度と開催されないのではないか、声出しが2度とできないのではないかという未来に囚われ、水樹奈々ファンであることに夭折してしまう。そんな瞬間が訪れてしまった人もいるだろう。彼女自身、そう感じ同時に思いを馳せた瞬間が多くあったのだと思う。

それでもあなたが歩む時間を
最後の1秒まで
護りたいそう願うから
抗いつづけて….Stand in the Red Breeze

「Red Breeze」水樹奈々

ライブの中止など、様々な事情からライブへ行かなくなってしまう人もいる、さらに水樹奈々ファン自体を辞めてしまう人もいる。コロナ禍の時期ではなおさら。だが、それでも、人生を水樹奈々ファンとして歩んでいる人々に対して、歌い続けたいという彼女の願望を表している。

② Bring it on!
日本語訳だと「かかってこい」。水樹奈々自身、この言葉に相当思い入れがあり、ライブの終了の時の恒例の掛け声にもなっている。
LIVE PARADEにおいては、従来の参加者へのかかってこいという意味とコロナ禍の状況についてかかってこいという2つの意味があると思う。
ここの歌詞にも、彼女の決意とファンへのエールが込められている。

もし君が孤独に嘆いて
瞳を閉ざしたとしても
僕がそばにいるから怖がらないで
伝えたい音ならいつでも
此処に用意してあるから
迷った時はこの詩
心で奏でて

「Bring it on!」水樹奈々

コロナ禍で、様々な困難があったかもしれない。立ち止まってしまう、人生に絶望してしまう時もあるかもしれない。そんな時、水樹奈々自身が何ができるか、それは「歌でみんなを元気づける」ことではないだろうか。LIVE PARADEが興行たる所以、彼女の歌によって観客やファンに希望を与えることを目指すこと。2曲目は1曲目を受けて、彼女自身の決意をより明確に表現している。

③Poison Lily/Fire Scream/Ride Rock Riot
Poison Lilyは「M世界のエンディング」で水樹奈々自身のターン。
FIRE SCREAMはシンフォギア曲でライブHEROESで歌われなかった曲を補完している。また、シンフォギアとなのは曲を配置することで、HEROESとのつながりを表現しているのではないかと思う。
そして、異色のRide Rock Riot。タオル曲を序盤に持ってくる。何度もライブに参加しているファンにとっては意表を突かれたと思う。私もびっくりした。
ここでも、歌によって、観客やファンに喜びを届けるという決意が明確に表している。さらに、要所要所でコロナ禍で彼女の悩みが垣間見える。

目覚めよ絶唱~愛の旋律~(全霊を超えて)
轟け命尽きても(永遠に鳴り響け)
がむしゃらに美しく
(rising up! change your world! show must go on!)

「FIRE SCREAM」水樹奈々

彼女にとって、歌うことはアイデンティティそのもので、これはコロナ禍でも変わらない。彼女は命尽きる限り歌い続けるだろう。年齢を重ねてもがむしゃらに進んでいくのだろう。そして、我々に高すぎる要求を突きつける。立ち上がれ、世界を変えろ、ショー(ライブ)は続いていくのだからと。

応えて崩れかけた世界に咲いた胸の歌
聴かせて残酷さえ抱きしめる魂~こえ~を
(wake up,wake up!)諦めないで
(heat up, heat up!)繋いだ夢は
(grow up,grow up!)君と重ねた笑顔の先にある
誰も止められない

「FIRE SCREAM」水樹奈々

コロナ禍でもRUNNER、HOME、HEROESで歌い続けた彼女。声出しができないなど、コロナ前とはかなりかけ離れた状況でも歌い続けた。歌い続けることこそ彼女の目標であり、冒頭の2曲で既に何度も言及さえれている。そして、コロナ禍での彼女と我々ファンの夢である声出し解禁のライブは諦めない、3ツアーで絆を深めた彼女とファンは、いつかコロナ前に復活するまで歩みを止めないということだろう。

この曲は彼女自身と我々ファンに問いかける。

拝啓 少年時代
未来の君は
絵に描いた餅をねだる日々
プロセスじゃなく結果が欲しい
でも、現実からエスケープ
(中略)
変わりたいと願う
変わらない自分にもがいてたんだ
それは孤独によく似た
寂寞のshouting star

「Ride Rock Riot」水樹奈々

コロナ禍で彼女自身、ステイホームをし続ける中で自らの歩を問い直してのだと思う。今の自分は幼い頃の自分が思い描いた姿となっているのか。ファンの思い描く水樹奈々となっているか、そして、コロナ禍で心が折れそうになった自分へのメッセージでもあるように思う。そして、実はこれはファンへも問いかけているのではないかと思う。同じ状況で何を感じ、何を考えたのか。ライブという舞台でぶつけて欲しい。彼女の願いのなのではと思っている

I know..
コエヲアゲテ
I kwow…
昨日までと決別を誓う
巻き戻すことはできなくても
やり直すことはできるから
Nobody's Perfect

「Ride Rock Riot」水樹奈々

コロナ禍は水樹奈々にとっても相当な衝撃だったと思う。ライブの中止、FCイベントのオンライン化など、おそらく相当な準備をしていたイベントが中止等となり相当なショックだったと思う。彼女自身落ち込んだはずである。しかし、この3年間は飛躍のための準備の期間、そしてLIVE PARADEで今まで以上のパフォーマンスを出すことを誓いリスタートする。それを端的に表したのは次の歌詞である。

いくつもの夜と涙を越え
歩んでいくんだ
それがどんな未来でも
乗り越えてみせるから
それは決意という名の
寂寞のshooting star

「Ride Rock Riot」水樹奈々

ここから下は次回用のメモです。

④still in the groove
MCのあと、衣装を変えてダンス曲へ突入する。彼女にとってのPARADEのイメージとしてダンスがあるのだろう。華麗なダンサーたちによるパフォーマンス。デイパレードの開始を告げる。

サーチライト
恋想花火が終わり、次の幕が上がる場面。ブリッジムービーで、コロナ禍からの復活、新たな日々ステージの始まりを告げる。
revesrse day ここから始まる。新たな未来
エレクトリカルパレードの開始。

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