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2024 戦力分析【CLE・投手】

読者の皆様、大変ご無沙汰しております。わるものです。

今回の投稿では、地区優勝奪還を目指して戦うガーディアンズの投手陣を分析します。


⭐︎野手編はこちら


① 先発

シェーン・ビーバー (Shane Bieber)
191.0 IP  ERA 3.73  K/BB 3.80  fWAR 3.4
トリストン・マッケンジー (Triston McKenzie)
155.0 IP  ERA 3.98  K/BB 3.27  fWAR 2.3
タナー・バイビー (Tanner Bibee)
158.0 IP  ERA 4.02  K/BB 3.02  fWAR 2.1
ギャビン・ウィリアムズ (Gavin Williams)
135.0 IP  ERA 4.18  K/BB 2.54  fWAR 1.3
ローガン・アレン (Logan Allen)
137.0 IP  ERA 4.12  K/BB 2.61  fWAR 1.5
カルロス・カラスコ (Carlos Carrasco)
97.0 IP  ERA 4.75  K/BB 2.51  fWAR 0.5

          ※成績は全てFGDCによる予測

Fangraphs

 昨年は怪我や不振などで先発ローテ5人全員が離脱し、投壊状態に陥ってしまったガーディアンズ。怪我の功名と言うべきか、バイビー/ウィリアムズ/アレンの新人3人衆が主力として台頭し、特にバイビーは新人王投票で2位に食い込む活躍を披露しました。今年はこの3人に加え、エース級のビーバー、マッケンジーが復帰するわけですから、非常に強力な先発ローテであると言わざるを得ません。

昨季は新人3人衆で349.1回を投げ抜いた

 他の先発候補としては、今季からクリーブランドに復帰を果たしたカラスコ(→復帰の詳細はこちら)、昨季先発経験を積んだ若手のザビオン・カリー、FAで獲得したベン・ライブリー、プロスペクトのジョーイ・キャンティロ(下動画)らが挙げられます。いずれも5番手を任せられる程度の実力を有しており、昨季のような全員離脱はともかく、1、2名の先発投手の離脱には耐えられる陣容になっていると言えるでしょう。

※追記
 ウィリアムズが右肘違和感(軽症)で開幕は15日ILで迎えることに。復帰までの代役としてカラスコが指名されました。

 何はともあれ、(貧打になると思われる)ガーディアンズの強みはやはり充実した先発投手陣ですから、今季こそ眩い輝きを放つことを期待しておきましょう。また、今季FAのビーバーは他球団に移籍することがほぼ確実なので、エースの最後の勇姿をしっかり目に焼き付けておきたいところです。


② 勝ちパ

ティム・ヘレン (Tim Herrin)
58.0 IP  ERA 3.97  K/BB 2.37  fWAR 0.1
サム・ヘンジス (Sam Hentges)
63.0 IP  ERA 3.49  K/BB 2.81  fWAR 0.6
ニック・サンドリン (Nick Sandlin)
62.0 IP  ERA 4.13  K/BB 2.32  fWAR 0.0
ハンター・ギャディス (Hunter Gaddis)
46.0 IP  ERA 4.69  K/BB 1.46  fWAR 0.0
スコット・バーロウ (Scott Barlow)
64.0 IP  ERA 3.69  K/BB 3.09  fWAR 0.7
エマニュエル・クラッセ (Emmanuel Clase)
66.0 IP  ERA 3.02  K/BB 3.02  fWAR 1.4

          ※成績は全てFGDCによる予測

Fangraphs

 一昨年、ステファンやクラッセのブレイクによってブルペン防御率3.05(リーグ3位)と隆盛を極めたリリーフ陣でしたが、昨季は全員が一様に成績を落とし、ブルペン防御率3.79(リーグ6位)と苦戦を強いられました。そして、その苦戦は今年も続きそうです。

 まず、2年に渡ってセットアッパーを務めたステファンが右肘尺側側副靱帯の手術を受けることになりました。復帰時期は未定とのことですが、長期離脱は間違いなく、今季は不在と考えておいた方が良いでしょう。その他、ジェームズ・カリンチャックは肩の炎症で開幕60日ILスタート、サム・ヘンジスは左中指の腫れで15日ILスタートです。いずれもリリーフの中核を担っていた投手であるだけに、離脱は大きな痛手と言わざるを得ません。

 以上の事情をふまえ、クローザーのクラッセ以外の勝ちパターンはどのように編成されるのでしょうか。まず、ロイヤルズで長年クローザーを務めたスコット・バーロウがセットアッパーを担うことはほぼ確実でしょう。また、火消し役としての実績があるニック・サンドリン(下GIF)も勝ちパ起用が続きそうです。

 その他、候補にあがるのは2年目のティム・ヘレン(下動画1つ目)や3年目のハンター・ギャディス(下動画2つ目)でしょうか。ヘレンは“左投げの藤浪”とでも言うべき選手で、サイド気味から平均97マイルの速球を制球粗く投げ込みます。信頼の置けない投手ですが、天井の高さを考えると、今後の成長に期待して優先起用したいところです。昨季まで谷間の先発を務めていたギャディスは、火力/スタミナ不足感が否めませんでしたが、リリーフとして才能開花オープン戦では防御率1点台の好投を続けています。今季の大ブレイクに期待です。



③ その他リリーフ

イーライ・モーガン (Eli Morgan)
58.0 IP  ERA 4.05  K/BB 3.49  fWAR 0.1
ケイド・スミス (Cade Smith)
61.0 IP  ERA 4.11  K/BB 2.40  fWAR 0.1
タイラー・ビーディ (Tyler Beede)
62.0 IP  ERA 5.10  K/BB 1.69  fWAR -0.1
ザビオン・カリー (Xzavion Curry)
72.0 IP  ERA 4.67  K/BB 2.53  fWAR 0.1
ベン・ライブリー (Ben Lively)
33.0 IP  ERA 4.39  K/BB 2.72  fWAR 0.0
アンソニー・ゴース (Anthony Gose)
19.0 IP  ERA 3.83  K/BB 2.63  fWAR 0.0
            ※成績は全てFGDCの予測

Fangraphs

 便利屋としての役割は過去2年の実績があるイーライ・モーガンが担うでしょう。好調時は勝ちパにも食い込む実力者ですが、オープン戦で酷く打ち込まれているので、ひとまず開幕時は安全な場面での起用になると考えられます。

 今季の新顔はケイド・スミス(下動画)とタイラー・ビーディスミスはカナダ出身の24歳で、昨年3Aで奪三振率14.61を記録した実力者です。被長打の多さが課題ですが、ヘレン同様、一皮剥ければ一流に至るポテンシャルを秘めています。ビーディは18年にジャイアンツでデビューした30歳で、昨年はNPBの巨人でプレーしていました。今季は招待選手という厳しい立場からのスタートでしたが、オープン戦で好投を続け、見事に開幕ロースターの座を勝ち取っています。

 その他、前述のカリーライブリーに加え、昨季トミー・ジョン手術で全休したアンソニー・ゴースも見逃せない存在です。



④ 総括

ボート新監督

 今回の内容をまとめると、“先発はかなり充実、リリーフはかなり不安”と言い表せるでしょう。リリーフは絶対的な投手が不在である以上、既存の選手をローテーションしてやりくりするしかありません。“好調な投手を見極め、優先的にハイレバレッジな場面で起用する“、これがボート新監督の手腕が最も試される課題になるでしょう。昨年は不調のカリンチャックやステファンを継続して起用し、数多くの試合を落としてしまっただけに、今季の変革に期待したいところです。

 昨年地区3位に沈み、オフにめぼしいFA補強も行わなかったため、ガーディアンズを地区最下位予想する声も小さくありません。しかし、新しい監督と大量のプロスペクト達が力を発揮できれば、昨年のダイヤモンドバックスのようにワールドシリーズに到達しても全く不思議ではないでしょう





 今回の投稿も最後まで読んで頂き本当にありがとうございました。

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