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環境のおかげねえ。


最近Twitterを賑わせているのが
「お前の位置、環境のおかげだから」
ってやつ。

要するに音楽で(それ以外でも芸術は)大成するには環境なんよなっていう言説です。

これに関しては「そうだな」って気持ちと「いやいや結構頑張ったよ」という気持ちが入り乱れるなんとも言えない気持ちになります。

ぶっちゃけ明日のご飯に困る家庭ではなくて、それなりに貧しい気もしたんですけど、両親は子供を優先してくれてなんでもやりたいようにやらせてくれました。

ばあちゃんの遺してくれたお金と奨学金をフルベットしてなんとか音大を卒業できました。
これに関しては環境に恵まれてたという他ないです。
バイトもあんまりせずに奨学金を食い潰して音楽だけに集中できましたからね。
貴重な経験でした。

それから卒業後。
実家の支援は打ち切られ「己のケツは己で拭こうね」という時期になります。

ここで一気に困ります。
何せ家賃を払ってカードの支払いをしたらお金がほとんどない。
リードなんて当然ながら、調整のお金も払えない。

「ああ。これが生きてくってことか」

なんて月並み中の月並みな感想を抱いたのを割とはっきり覚ええます。
食パンってマヨネーズとケチャップだけでご馳走に変わるんですよ。

そうなるとバイトするしかない。
コンビニ夜勤のバイト、多分6年はやったかな。
いまだに何時に何が来るって覚えてるし、お客さんのクレームに謝りたくないのに謝って悔しかったことも夢にみたりします。



そんな中、実家暮らしの人やバイトしなくていい人との差は開いていきました。
こっちがうっすら毎日下手くそになる代わりに、お金の心配せずいい人はうっすら上手になるわけですからね。
月日が経つほどその差は開きます。

恨み節だけは言わないと思ってました。
泥水啜ってもなんとかやってこうと。
俺は、きっと、演奏家だと。

年末はいまだに少し苦手です。
第九だ、年越しコンサートだ、ニューイヤーだとクラシック界が盛り上がってる中、パンを並べて、ファミチキを揚げて、タバコ14番ですね、とか言ってるわけですから。

ああ、こういう時に。
こういう恨みの行き場所がない時に、辞める決断をするのかもしれない。

内緒で聴いてたラジオから「今年はいい年でした」とかいうワードを聞くたび、なにか、目に目えないものがずんと、でも確実に溜まって、心がすり減っていったのを覚えてます。



芸術って結局金持ってる人はどう考えても強いです。
これは揺るぎないです。
こればっかはガチャだわ多分ごめん。
うちは中の中くらいだったかな。
ごめん見てたら。

満足に音楽続けるには上の中くらいいるかもしれないよ。
マジで辛いけどそれが肌感覚でも統計でもガチだと思う。
でもこれに恨み節はない。

ただ、それに気づくのが遅かった。

早く気づいてたら、音大の頃に何がなんでもお金を産む手段を考えてたと思う。
楽観だったんだよね多分。
俺なら、なんて陳腐なクソみたいなプライド持ってさ。
でもなきゃダメってのもあるんだよなあ。


とにかく、音大生の方がもしいたら、ガチで、お金をバイト以外で効率よく音楽に絡めつつ稼ぐ方法はなんか考えた方がいいと思う。

クソむずいけど、4年間考えてもいいくらい価値あると思う。

それによって、きっと音楽に集中できる時間は増えるはずだから。
生き方が下手だった男より。

また明日!

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