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文章のプロが語る「面白い文章」の極意3つ

お疲れ様です、pontaです。
「面白い文章の書き手」としてお金をもらっている者です。後輩や若い人に文章のコツ3つを残しておくね。

①戦略編「つまらない文章を避ける」

まず、「面白い文章」とはなんでしょうか。
逆にいえば「つまらない文章」とはなんでしょうか。

それはずばり「読まなくても、何が書かれているか想像がつく文章」です。

結果のわかっているスポーツ観戦や、飽きたゲームと同じで、「先が読める文章」は退屈なのです。


先がわからないから面白い

たとえば私が、偉い人にインタビューをしたとして、「ああどうせ相手を褒めるんでしょ」みたいな予想が生まれますよね。読者も馬鹿じゃないので事前予想をしてページを開きます。

それをなるべく裏切ると「面白さ」が生まれます。

相手が怒るかどうかのきわどい質問をしたり「世間の人は聞きたがっているけれども誰も聞かないようなこと」もつっこみます。

そうすると読者も「なんだ?この文章はちょっと違うぞ」と思ってくれます。

オモコロ記者とか、ヨッピーさんとか、力のあるインタビュアーは頻繁に「外した質問」をします。

あれは要は読者を退屈させないためのテクニックです。

もちろん、相手をただ怒らせるのは意味がないですよ。きちんと取材対象をしっかり調べたうえで、好意とリスペクトを持ってぶっこみます。

相手も「じつはそれは自分の口で言いたかった」「こいつわかってんな」みたいなことが多いので、むしろ喜んでくれたりします。

そして、最後の最後に直球を投げるのです。

「僕は、そんなお父さんとお母さんが大好きです。」みたいな。

ひねくれた変化球ばっかり投げてくるピッチャーが、最後の最後、速球をど真ん中にズドンと投げ入れる。相手(読者)は打てっこないです。

これで必ず、読者から三振が取れます。

緩急の使い分けと言おうか、読み手の予想を裏切ることで、なんの変哲もない文章でも「面白さ」は生まれると思います。

② 戦術編


読んでいて面白くて心地いい文章とは、リズミカルな文章です。日本語は基本的に5・7・5でできています。

例えるならば。

「わたしは・すきだ」より「ぼくはすき」のほうが言いやすいです。

「かれは・かなり・おこってる」より「あのひとは・かなりそうとう・おこってる」のほうがリズミカルです。(口に出して言ってみてください)

なので私は後者で書きなおしたりします。

ひとつひとつは小さな違い。だけれども文章全体では、リズムに大きな差が出ます。

学校で「古文・漢文」というのを習ったと思います。あれは「美術」
と同じなんです。

こういうと傲慢に聞こえると思いますが、あれは一部のセンスある人のためのもので、それ以外の人にすれば苦行なんです。

「古文いらね」と言ってるひとはそのセンスがないだけの話なんです。

もっというと、日本語のリズムは「関西弁の575」からできているので、まあなんていうか。そこを身につけた人ほど、すらっと読める文章を書けるようになるんすよね…。

③時代に合わせた話

こう書いてきましたが、実は文章というのはかなり力の弱いメディアです。伝える力において、音に負け、絵に負け、動画に殲滅されます。

すぐに相手が退屈すると覚悟しましょう。画像を使いましょう。1文1文を短くしましょう。そこまでしてやっと、最後まで読む人が1割いるかなって感じです。

もちろん文章は「読者が自分と対話するためのツール」として生き残っていくとは思っています。

ただそれはそれとして、自分の文章を最後までみんなが読んでもらえるって無邪気に信じないほうがいいっすよ。

俺もあなたもそんなに魅力はないんです。

なので、ここまで読んでくれてありがとうございました。本当に感謝してるっす。ってことで。

以上、よろしくお願いします。


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