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The Smile『Wall Of Eyes』についての覚え書き

The Smile『Wall Of Eyes』を聴いててちょっと考えたことを忘れないように書き残しておきます。ディスクレビューというよりも独り言みたいな感じです。

 やはり最初の印象を語るうえでは、どうしてもRadioheadと比べずにいられない作品だった。と同時に、鑑賞が深まっていくにつれ、2024年の音楽という横の文脈からも色々見えてくる作品だと思う。
 あえて良くない表現するならRadioheadはちょっと「辛気臭い」バンドだといえる。もちろんその「辛気臭い」部分に彼らの音楽の面白いところがあるのは事実で、でもやっぱり賛否が分かれるところでもある。
 しかし、Radioheadが影響を与えた多くの音楽、とくに音像やテクスチャの面で影響下にある作品の多くには、その「辛気臭さ」は受け継がれていない。ここでいう彼らの影響というのはわかりやすくその系譜にあるものだけじゃなくて、もっと広範に、彼らが生み出した新しい面白さの基準に乗っかっている音楽全般のことだ。
 『In Rainbows』以降のRadioheadの音楽は、そのことに向き合っていた部分があるのではないかなと僕は思っている。“なに”を“どう”表現するかという問題について、内容と形式の関係性みたいなものに対して色々アプローチしていたんじゃないか。それは『OK Computer』とかの頃にはなかったことで、その頃の作品は内容と形式が強い必然性で結びついていたように感じられる。
 The Smile そして『Wall Of Eyes』という作品はThom YorkeとJonny Greenwood二人の作品にとって、そのフェーズが終了したことを示しているのかもしれない。だからこそ、Tom Skinnerのエッセンスが加わっていることの面白さが見えてくるし、単純に今の音楽としての面白さがある。
 それこそ、同じ1月16日にリリースされたAstrid Sonne『Great Doubt』とかと並べて聴いていみると違った魅力がが見えてくる作品なんじゃないかと思った。



これからもゆるい端書き的なものを上げるかもしれないです。スマホのメモ帳に残しておいてもしょうがないし、書いていて楽しいので。


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