【映画】L.A. 大捜査線 狼たちの街(1985)
ウィリアム・ピーターセン演じるシークレット・サービスのチャンスは偽札偽造団のアジトに一人踏み込み無惨に殺されてしまった相棒の報復を心に誓い、新しい相棒ヴコヴィッチと共に捜査を重ねる。しかしそれは常軌を逸し始め…
インディワイヤー選出80年代映画TOP100の90位
偽札偽造団と警察の攻防を描くポリスものですが、ポリス・アクションと言うよりは犯罪スリラーというべきかな。
偽造団のボス、マスターズ(ウィレム・デフォー)の情報を得るため内偵を送り込んだり、自らスポーツクラブの会員に扮して偽札を買うバイヤーとしてマスターズに近づいたりとスリリングなシーンが続く。
潜入に成功しても偽札を買う金を用意する許可が下りず、しまいには強盗までやらかす。どこまでも堕ちるさまに、こんなポリスものあるんかいとため息が出ます。
でもそこが面白い。
監督は今年8月に87歳でお亡くなりになったウィリアム・フリードキン。
監督のストイックさが顕著に感じられるのは、見せ場のカーチェイスは勿論のこと、捜査側、犯罪組織側の裏事情、偽札造りの作業などの詳細が生々しく描かれるところ。
インターネットも発達してない時代に、これほどの情報をどうやって得たんかな。
あと、銃撃戦でこれだけ顔面直撃する映画って、ゾンビもの以外にある?
フリードキン変態やと思ってしまいます。
それをリアルに見せる撮影も凄いんだけども。
主役のウィリアム・ピーターセンは申し訳ないけど、見たことあるかもぐらいでほぼ知らない人でした。ヴコヴィッチ役のジョン・パンコウしかり。
キャストで異彩を放つのはマスターズ役のウィレム・デフォーですね。
偽札を作る様子は孤高のアーティストといった風情で、この頃のデフォーはどこか美しい。トカゲみたいに体温を感じさせない一方で、タトゥーロ演じる運び屋を救出する術を模索するなど、人の心のカケラをまだ持ち合わせているのがいい。無理とわかると切るのも早いのだけど。
しかしまぁ、一番の驚きはやっぱりアレに尽きるわけで、
映画館で観てたらほぼ全員と「え?…」と唱和したはず。
ラストシーンのプチ衝撃含め、何とも面白い映画でした。
ちなみに私、今回これ初観賞でして。
こういうのに出会うから塗りつぶし企画は楽しい!