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オフラインを取り戻すー4月振り返りー

1ヶ月ぶりにnoteを開いた。
4月は異なる時空間を旅していたかのようなひと月だった。

きっかけは4月上旬から始まった頭痛。眉間の奥がズキズキ痛む状態が続き、PC作業やスマホを長時間見続けることが難しくなった。左脳のストッパーが効かなくなり「今」より先のことを考えだすと脳がオーバーヒートするようになった。

普段滅多に病院にかからないのでどうしたものかと思っていた矢先に、お世話になっている美容師さんの紹介で心理カウンセリング(のような不思議な場所)に通うことになった。

大学で心理学を目下勉強中であるし、仕事で人の相談役を担っている側なので、自分がカウンセリングを受ける立場になるのは不思議な感覚だったけれど、あらためて自分の考え方の癖や感情のメカニズムを見直すこととなった。(ウツ的症状がなくても通って良いらしいので、現在も週に一度通っている。)

「よくここまで(自死せずに)生きてきたね。」と先生に同情されるほど、そこそこハードモードな幼少期を強靭な精神力で乗り越えてきた(らしい)私は「頑張らない」方法がいまだによく分からない。でもそれは常にピンと糸が張り詰めているような状態で本来の私の姿ではなく、そもそも生きる喜びとは「頑張る頑張らない」類のものではないらしい。

頭痛を発端に過去のトラウマと向き合うことになるとは思ってもなかったけど、「自分が悪いから、自分が間違っていたから」と子どもながらに記憶したことが実は親のエゴであったり、自分の人格の一部だと思っていたものが親の刷り込みであったり、第三者に指摘され自分像がガラガラと砕けていく。

事実を認識することはショックでもあり、同時にようやく重たい鎧を脱ぎ捨てられると深いところでホッとしている自分もいる。

そんなわけで現在はどうやら私の中でエネルギーの大改革が行われている模様と判断し、4月はボーナスタイムに切り替え。仕事量も勉強量も思い切り減らし、スマホからもアンプラグド。なるべくオフラインの自由時間を確保し、計画性なしにプラプラして過ごした。

星詠みのお客さんと遊んだり、オフ会なるものに参加したり、念願のステーションホテル(東京駅)に泊まったり、以前夫の実家で見た「BLUE GIANT」が面白かったので渋谷の漫画喫茶で原作を読みふけったり、映画「WILL」のサイン会で会った服部文祥さんが気になり始め図書館で著作を借りたり、MOROHAのライブに応募したり、数年ぶりに落語にハマったり。

春先に梅祭りをやっていた近所の公園はツツジの花が満開で、梅の木には梅の実がなるという当たり前の事実に驚いたりもした。慢性的な痛みからは解放されたものの相変わらず先のことを考え出すと頭痛が止まらなくなるので、「今」と時々「過去」を行き来しながら日々を過ごしている。

あんなに忙しかった日々が、のんびりと過ぎてゆく。身体を使って季節を感じられることが嬉しい。リアルで会った人たちの温度感や共有した時間が愛おしい。自分がどんなものに興味を持ちどんなものに心惹かれるのか、忘れていた感覚を思い出すのは純粋に楽しい。

カウンセリングの初日に「あなたは今ここにいませんね。」と言われた意味がーヶ月経ってなんとなく分かるようになった。頭ばかりにエネルギーが集中し、長らくオフラインを生きていなかったんだなぁと思う。

時々長電話で近況を伝える夫以外に、私が日々何を感じ何をしているのか誰も知らない。どこにもシェアしなければ、私も記憶もいつか一緒に消えてなくなる。10代20代はそれが当たり前のことだったのに、承認欲求に慣れてしまった今は寂しく儚いものだなと思う。

その儚さにどこか魅力を感じ始めている自分がいるのも事実。40代を目前に控え、オンラインとオフラインの比重を少しずつ調整しながら人生を折りたたんで原点に還っていくんだろうなと思う。

4月もおつかれさまでした。

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