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重曹で陰部洗浄?また出た、カナダのホームレメディ

文化や習慣の違いから、在宅ケアにおいて日々いろんな「ほんとに?」「大丈夫?」「まじで?」連発です。嫌になっちゃうな・・・
日本と違って簡単に病院にかかれないカナダでは、OTC薬の利用やHome remedyが盛んです。

今日は、重曹でクライアントの陰部洗浄するように言われました。
え?重曹ってアルカリ性じゃん。それって大丈夫?と、すぐに思いました。

事の始まりは、クライアントが抗生物質の長期使用が原因でカンジダ膣炎(Yeast Infection)を発症してしまったことです。抗生物質は、病気の原因菌だけではなく体の中の善玉菌なども殺してしまうため、細菌叢のバランスを崩します。すると、腸内細菌バランスが崩れて下痢になったり、普段特別悪さをしないバクテリアが増えて真菌感染症が起きてしまったりすることがあります。

カンジダ膣炎は、とても不快な病気です。深刻な病気ではありませんがかきむしりたくなるほどかゆいし、大事なところが腫れて排尿するときに痛みが出たりします。

症状に気づいてからは、毎日抗真菌薬のクリームを塗布していたのですが、今朝から陰部が赤く腫れ上がってしまったようです。
お母さん、
「重曹水で洗浄して」
私「!」
 *重曹はBaking Soda。ふくらし粉です。カナダでは、掃除や消毒など幅広く使われています。

内心「重曹で陰部洗うなんて聞いたことないし、第一膣内はデーデルライン桿菌が酸性を保つことによって悪い菌を殺菌しているため、アルカリ性の重曹水で洗ったら逆効果では?」「皮膚は弱酸性なのにアルカリ性のもので洗ったら余計刺激が強くなるのでは?」
と思ったのですが、郷に入っては郷に従え、カナダでは重曹で洗うのがアリなんだ。後でエビデンスを調べてみよう、と思いました。

結果:
<日本語のwebsite>
・日本語のwebsiteでは膣を重曹水で洗浄して良いというものは見つけられませんでした。
・口腔カンジダの場合、重曹水でうがいをするという療法はありました。重曹は真菌をやっつける効果があるらしい。
・重曹の原料である炭酸水素ナトリウムは温泉成分や入浴剤の成分と同じ

<海外のwebsite>
 膣カンジダの家庭でできる治療法として、重曹風呂があった。

上記はインドのサイトである。

上記はアメリカのサイト。理学療法士のアマンダ博士がPresident


そのほか、いくつかのサイトで重曹風呂を勧めていた。
重曹が真菌を破壊するという研究はいくつかあるようなので、それは事実だとして実際にそれでカンジダ膣炎の治療効果があるかどうかの研究は見つからなかった。

中には、Apple Vinegar(出た!これもカナダお得意の消毒剤)と重曹を混ぜて使うというものも発見。アルカリ性と酸性のものを混ぜて使用?ますます意味がわからない。

ちなみに、カナダは掃除や殺菌に重曹の他に酢も使う。
私は、酢は臭いので掃除に使おうとは思わないのだが・・・
病院などでも、尿バッグなどを酢で消毒しているのを見たことがある。
次亜塩素酸ナトリウムを使うよりは、体や環境に良さそうではあるが、どうしても殺菌されている気がしない・・・

とりあえず、ホームレメディがさかんな欧米では、重曹での陰部洗浄がアリという結論に。

まあ、アルカリ温泉に入っても大丈夫ということは重曹風呂に入っても悪影響はないんだろうな。経験的に。

■ 今日の学び

カナダでは重曹を体の殺菌にも使う。


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