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2024/1/28現在myBEST1️⃣1️⃣ 解説①


⑩アルジャーノンに花束を ダニエル・キイス
⑨お腹召しませ 浅田次郎
⑧まさかジープで来るとは せきしろ/又吉直樹
⑦吾輩は猫である 夏目漱石
⑥このまちのどこかに シドニー・スミス
⑤ペツェッティーノ レオ・レオニ
④タマ、帰っておいで 横尾忠則
③旅猫リポート 有川浩
②悟浄出立 万城目学
①想像ラジオ いとうせいこう

1️⃣1️⃣世に棲む日々 司馬遼太郎
①②は不動。③~⑩は1番◯◯だった本、でチョイスしました!
(司馬史観は別枠の意)

読書メーター

⑦吾輩は猫である 夏目漱石
 いいオトナになってからの読了なのですが、以下ネタばれあり⬇︎
 名前がまだ無い猫は最後に溺死してしまう、これがどうしてもやるせなくて切なくて。悶々としていたら、ナント!島田雅彦先生になんでも質問できる機会を得まして、思い切ってこの結末に対する感想を伺ってみたんです。何と言っても島田先生の(漱石好き)は有名。すると、こんな回答を頂けました。
「昔からの言い伝えがありまして。水で尽きた命はふたたび蘇るというものです」
温かい!と思いました。書いた漱石も読み解いた島田先生も。

たぶん、国語の教科書での出会い始めが一般的な夏目漱石。そのせいか、読まず嫌いも多いかもですが、私もそのうちの1人でした。我慢して読み切った「こころ」 聞くほど面白いと思えなかった「坊ちゃん」 実際に教科書で学んだ漱石の作品は何だっけ?覚えてないほどの無関心ぶり。そんな余韻のまま年齢を重ねて、ホントにもういいオトナになってから知った漱石の一文で、私の漱石観は180°回転しました。

凄い!

私の中の夏目漱石を変えた一文は、愛媛県松山市にある正岡子規の資料を集めた(子規記念博物館)にありました。松山で子規と同居していた漱石が、いよいよ子規上京に際して宛てた俳句が、同館に展示されています。

お立ちやるか お立ちやれ 新酒 菊の花

江戸っ子の漱石が松山の言葉訛りで、新酒菊の花、と祝いの名詞を添え子規を送り出しています。
夏目漱石とは、こういう人だったのか、と、時代を超えた文豪を近所に住む中学校の教師くらいの肌近さに感じた瞬間でした。

漱石、お茶目

そういう気持ちもこめて第7位にエントリー。



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