見出し画像

床屋のおじさんのかっこいい生き方

11年間通っている床屋さんがあります。
市街地から少し離れた街中の、席が2つだけある小さな床屋さん。
白を基調としていて、おしゃれな家具や小物もある、落ち着く空間です。

床屋のおじさんはハイテクを使いません。
ガラパゴスケータイをずっと愛用しています。
お店の支払いは現金のみで、キャッシュレスは何も導入していません。
予約も電話のみで、帳簿にお客さんの予約時間を記載して管理しています。
ケータイなんて、新しいバッテリーをショップからもらえたから、今のが劣化したらそれを使うそう。
一体、あと何年使えることやら。
でも、別にハイテクを知らないわけではありません。
ハイテクの知識はしっかりお持ちで、ご家族のスマートフォンやタブレットの設定はお手のものらしいです。

普段の生活は、スマホなどの端末がないからって、楽しんでないわけではないです。
週に1度のお休みの日は、釣りや外食などアクティブに過ごしているみたい。
お話ししてても引き出しが多くて会話が弾みます。
バイクにも乗ります。でも小さいのんびりバイク。たまにふらふらとその辺を走るらしいです。 
ちょっとした遠出はどこがいいかと聞くと、米沢市の楽しそうな卵を扱うカフェ&雑貨屋さん、「ウフウフガーデン」を教えてもらい、
アクティビティができる奥さんのおもてなしスポットを聞けば、宮城県名取市の「ゆりあげ港」の朝市や遊覧船が楽しいよとおすすめしてくれます。
それに数々の、市内の美味しいお店を紹介してくれます。
自分と考え方が似ているのも嬉しいところ。 
昔から使っている仕事道具の話もワクワクするし、壊れても直して使っている姿は見ていて気持ちいい。
地球環境が心配だと言うと、話を聞いてくれます。

そんな床屋のおじさんと話をしていると、もしかすると、ハイテクなことが全てではないんじゃないかと思うようになりました。
自分は、端末ばかりに気が散って、身近にある楽しいことを見過ごしているのかもしれない。
他の楽しさってあるんじゃないのかなっていう気持ちになってきます。
自分にはない世界観で暮らしている床屋のおじさんって、実はとてもかっこいい生き方をしているなと気がつきました。

どんどん便利に、物事が早く早く進んでいく世の中。
その中で床屋のおじさんは、逆行しているわけではないけど駆け足しているわけでもなく、のんびり自分のペースで過ごしています。
人生を楽しむことって、床屋のおじさんのように、好きな楽しいことをして、自分らしく過ごすことなのかな。 
自分が11年間通っているのはそういう世界を感じたいからかもしれません。
ハイテクや便利にこだわらず、楽しくのんびりと自分のペースで暮らしていけたらいいな。

床屋のおじさんから学んだことでした。

写真:昭和レトロなデパートの食堂にて、10段巻きソフトクリーム
   (岩手県花巻市、マルカンビル大食堂)

この記事が参加している募集

お金について考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?