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草と生きる

ガソリンを入れる エンジンをかける サイズに見合わない大きな音を立てて走り出す

今日も畑の草を刈る 

今年で何度目になるのか草との戦い

畑に到着 

上に上にとスクスク伸びる雑草たち

その中で生きる虫たち

ごめんなさいと思いながらもレバーを倒し、刃を回転させる

自走式の草刈機 すごく良い仕事をする 優秀すぎて全てを刈り込んでいく 

気持ちよさとうるささが混ざりあう、ゴーカート式の乗り物

1時間は戦った 

結果は勝利 その日のうちは

またすぐに姿を現す草たちだけど


アパートの清掃員が今日も来てくれている 

掃き掃除を済ませた後は 必ず例のものを背負う

シュコシュコとポンプを押して

始まったのは除草作業

除草剤が敷地内の数少ない土へ染み込んでいく

そこに生えているのは形の整い過ぎた生垣たち、だけ

その土ではこの生垣しか生きることを許されない

除草されて他の植物は枯らされていく

除草剤がもたらすのは人間が植物の管理を楽にしたいという願望 ただのエゴ

そして土では生えるはずだった草が死に、来るはずだった虫が来なくなる

それらが土に還った時にもらえるはずだった栄養が、土に全く行き届かなくなる

土が痩せていく


草刈りは汗かきながらの草との戦い

という名の草との対話時間

除草剤を使うのは草に失礼で卑怯

ちょうどワンピースで、カイドウ率いる百獣海賊団が、

シーザークラウンの毒ガスで、ゾウの戦士たちを打ち負かしたような そんな感じ

草が生えるということは土が生きてる証拠

刈って横たわる草が 土に還って畑の食材を美味しくする

良い循環が生まれる


僕は彼らと正々堂々と戦うことにする


そしてまた 
彼らがスクスクと伸びていく、今日も。

写真
・秋田県大館市の田んぼと枝豆畑
・福島県西白河郡泉崎村の田んぼとチコちゃんとまるちゃん(村民こだまの看板)

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