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小学校外国語教員が必ず一度はぶつかる『フォニックス』について考えてみた

皆様、こんにちは。CHUEEN(Chugoku Elementary English education Network 中国地方(山口・島根・広島・岡山・鳥取) 小学校英語ネットワーク)です。今日は、「フォニックス」について皆様と一緒に考えていきたいと思います。どうぞ、最後までよろしくお願いします。

まず、フォニックスとは何なのか?

私が小学校英語教育に携わり始めた際、特に中学校の先生方から「小学校ではフォニックスを教えておかないとだめよ!」と言われてきました。その時私は、「だめよ!と言われるほど、大事なものなのだろうか…。」と、その重要性がわかりませんでした。大学で英語教育を学んでいた私は「フォニックス=英語の発音方法」という表面的な知識はありましたが、その中身までは理解できていなかったからです。学校現場に入ってから知れば知るほど、その中身の意味が分かるようになってから、ようやくその重要性に気付き始めました。

「英語の発音・ルーブリック」ーつづりで身につく発音のコツー 著 手島良

この書籍は、私は本当に何度も、どこでも、幾度となくお勧めされてきました。様々なオンライン学習会においても、「フォニックスのことを知りたければ、この本」と紹介されていました。私も最初は半信半疑のところはありましたが、この著者の手島良さんは、その概念をいい意味で打ち砕いてくれました。今回のNOTEで本著を要約することは避けますが、この本の主題は「日本人にとっても、わかりやすく英単語の読み方の規則性を身に付ける」ことに置かれています。また、驚くことに「フォニックスを理解したら、英単語の綴り方も負担が軽くなる」とも述べられており、私もその少なからず実感を受けています。日本人的な英語の発音の仕組みをある意味でパラドックス的に思考を変換してくれ、私にとって記憶に残る名著になりました(音声CDも付属しているのが、なおよいです♪)

私がこの本から学んだことをはじめ、フォニックスについて押さえておきたい3点について、以下、要約してお伝えします。

①ローマ字読みを一度忘れる

これは、入り口としてまずは理解しておかないといけない考え方です。手島良さんは、先ほどの書籍のはじめに「この本はローマ字読みから脱却するための本」であると述べられています。

例えば「map(地図)」。これをローマ字思考で考えてみると『「ma」=「ま」 と「p」=パ行の頭文字 だからきっと発音は「マップ」だな』となります。ローマ字の思考ではこれが正解ですが、ここに大きな落とし穴が。「map」のなかにある「a」、これは英語読みでは『「エ+ア」の「エ」を弱めにして、滑らかに続けていう発音、つまり[ェア]になる』、ということです。

きっとここまで真面目に小学校3年生のローマ字の学習をしてきた小学生は、こう思うことでしょう。「ローマ字できたら、英語も話せるってきいてたんですけど」。この前提条件を一度壊さなくてはならない、その入り口を子どもたちに示す必要があります。「ローマ字だけでは英語の正しい発音はできません」と。

②を述べる前に、フォニックスについて余談を一つ。

以前、海外の日本人学校に勤務されていた先生にこんな話を伺ったことがあります。

「ねえねえ、知ってます? 今の海外小学校の英語トップクラスでは、ひたすらフォニックスばかりやってるんですよ。フラッシュカードやノートに書くなどのアナログな方法だけど、それをひたすら繰り返すんです。私は、驚きました。日本では「思考・判断」とか「目的・場面・状況の設定」とか「本物のコミュニケーション」と言われているのに、そのギャップに。果たしてどちらが正しいのでしょうね・・・。

この話を聞いて「鶏が先か、卵が先か」論争ではないのですが、「話すのが先なのか、伝えたい思いを育てるのが先か、、、はたまたその両輪なのか。」この事実に私は色々と考えさせられることが多かったです。

②フォニックスには「6つのカテゴリー」とそれに伴う「70のステップ」に分けて考える

では、本題に戻ります。まず、全体を知るという意味で私は、フォニックスにおける「6つのカテゴリー」を理解しておくことが大切だと捉えています。以下、そのカテゴリーをまとめます。

母音字(a,e,i,u,o)の基本を押さえる
子音字の基本を押さえる
似ている音を区別する
④母音字同士の組み合わせを理解する
⑤母音字+「r」の発音を理解する
例外(①と異なる母音/弱い発音の母音/音の連続/al/読まない文字)

意外と少ないと感じる方も多いかもしれません。そうです、フォニックスはそんなにたくさんの種類にカテゴライズされるものではないのです。以下、その6種類について主要な単語を取り上げて太文字表記してみました。

<例>
①map  ten  pin  hot  cut  son  name time home cute
wet  back  chat   jam  cent  disc  gem  bag
③(lid  red)  (on  king  dam)  (six  ship  thin)  (fan  van)
④rain  autumn  (road  out)  (how  low)  (moon  book) (eat  head) (tie  piece)   bee
arm fork term bird fur war hour tireair hare moreear
⑥lazy meter fiber poet unit /panda report basic lemon campus  damage nation picture famous/letter ball night

これだけでは、理解がしにくいので私なりの覚え方を参考までに。

・頭文字で6パターンを覚えておく。

6パターンの大切な文字を抜粋すると、以下の6文字。これを組み合わせると・・・
「母」…母音字(a,e,i,u,o)の基本を押さえる
「子」…子音字の基本を押さえる
「似」…似ている音を区別する
「組」…母音字同士の組み合わせを理解する
「R」…母音字+「r」の発音を理解する
「例」…例外(①と異なる母音/弱い発音の母音/音の連続/al/読まない文字)

「母」「子」「似」「組」「R」「例」(ぼし2くみ あーるれい)

となります。またこれをイメージで記憶しておくよとよい(以前読んだ記憶術方の一つ。人間は元来、言葉で覚えるのよりも位置や場所、情景で記憶することがの右脳の作り的に適っているという説を参考に)ので私は以下のようにイメージを作成しました(かなり偏った覚え方なので参考程度に)

「とある幼稚園の星2組ってクラスに、アールレイ君が転入してきた」

ほーら、、、だんだんと「ほしくにみあーるれい」が記憶の海馬に刷り込まれていることがわかりますか?(←多少強引ですみません(*_*)) これはかなり強引な覚えた方であることは、私自身よく承知していますが、パターンを6つ覚えておくためのみで、この記憶術を採用しています。

③ 母音と子音の関係

このNOTEをお読みの方は、母音と子音の関係はご存じでしょうか?恥ずかしながら私はまだ理解が不十分でしたので、このフォニックスを学ぶ過程で、この2つの違いや意味がストンと理解ができました。

母音:肺からでてきた空気が、舌や唇に邪魔されずにそのままでてくる音。
子音:母音以外全て。

母音と子音は、「母+子=単語 の考え方」としてセットで単語を捉えるために考案された、とのことでした。このことを理解しておくと、母音や子音の使い方を、それぞれ独自に見定めるのではなく、一塊としてみていくことができ、単語の中にまとまりを意識していくことができます。

おわりに

以上、フォニックスの入り口としての3点をお伝えしておきました。ここNOTEでの情報として補足しておきたいのは、「外国語教育に携わるものとして、フォニックスを知っていて損はない」ということです。小学校では文構造として文法を捉えておくことを求められていますが、発音に関しては何もルーブリックを教えなさい、とはまだ指令が出されているわけではありまん。そのことを十分に理解しておき、児童に対しての自分のモデル提示の時の自分の発音や、デモンストレーションの際の発音の際に生かせるのではないかと思います。時代が変われば、ルーブリック的な思想や教授法も小学校段階に進んでくることも十分考えられますので、もし、興味がある方もそのための準備として一度学ばれることもお勧めします。

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