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『むらさきのスカートの女:今村夏子』を読んだ

○読む前
多分TikTokで本の紹介する人の動画が流れてきたのが知るきっかけ。書店でもよく見るようになった気がする。
…私が無知でした。芥川賞受賞されていたんですね。賞がすべてではないけれど、より楽しみになった。

○覚書
・むらさきのスカートの女。小柄な体型と肩まである黒髪。若くはない。

・わたしも最後の一口大切にする派だなあ

・むらさきのスカートの女は良くも悪くも有名人みたい。たしかに名物になる変な人って存在はどの街にもいる気がする。

・「わたし」は黄色いカーディガンの女

・人混みも見事に避ける。すいすいとどうやって?確かに第三の目があってもおかしくない。

・わざとぶつかってやろうとするわたしもなかなかクレイジーだと思う。思っても行動まで移せないよね。それでショーケース壊すんだもんなあ。

・ジャン負けがむらさきのスカートの女に声をかけたりタッチしたりするゲーム。自分がされたらキレるかもしれん。

・わたしから見て、むらさきのスカートの女は知り合いに似ている、共通点があるらしい。姉、タレント、小学校時代の友達、中学校の同級生。いろんな要素を持ってるね。それだけ縁がある人だから友達になりたいのかな?

・家とか職場まで調べてるの?わたしのほうがやばいやつでは?1年くらい調べてんじゃん。何がそこまで執着させるのか。

・わたしの行動やばい。むらさきのスカートの女専用ベンチに他の人が座ったら、どかす。しかも事情を説明するとは。なんとか同じ職場ではたらくという話すきっかけを作るために策を講じるがなかなかうまくいかない。

・無事同じ職場に決まり、髪を洗ってほしくて試供品をわざわざドアノブにかけてあげるわたし。こわい。

・ホテルの清掃員。むらさきのスカートの女は日野まゆ子っていうのね。小声だ。頑張って発声練習したらなかなか良くなった。

・名前の表記が出てからも、むらさきのスカートの女と呼ぶのか。すぐに話しかけに行けばいいのになかなか行かない。あれだけ手を尽くして同じ職場にすることができたのに。

・ホテルでもらった(余りをくすねてきた)りんごをベンチで食べてたら子供達のイタズラで落としてしまった。子供がめちゃくちゃ謝る。大丈夫だよと声をかける女。残っていた別のリンゴを子供たちとシェアする。一緒に鬼ごっこもした。かわいいじゃん。働くことで人間として良い方向へ向かっている気がする。

・勤務5日でトレーニング終了になるくらい頑張っている。芸能人がよく宿泊するフロア担当になった。信頼されてるなあ。

・休日の過ごし方が変わってきた。公園で子供たちと交流している。

・見た目も変わってきた。少しふっくらして、髪もつやつや、お化粧もする。

・通勤のバスで痴漢されたことをきっかけに、妻子がいる所長の車で朝送ってもらうようになった。付き合ってるのか?とうわさが立つ。休みの日に一緒に映画行ったり、居酒屋行ったりもする。手も繋ぐ。女の部屋に泊まる。

・所長との噂が立ってから、みんなから無視されたり、禁止されているマニキュアをしてきたり、甘い匂いの香水をつけたり。変わってしまったように感じる。子供たちと遊ばなくなった。

・無くなっていたホテルの備品がバザーで売られている。女の家の近くの小学校で。疑われて裏切られた気持ちになって、女は飛び出した。みんな備品のお菓子食べたりしてんのに、事が明るみになったらしてないなんていう。

・所長が家に訪ねてきて、もめる。2階から落ちた。動転する女に近づき、逃走の指示を細かくするわたし。コインロッカーに荷物も詰めてある。お金も。予知していた?女に近づくため?にしても遠回りすぎる。

・私=権藤チーフ。2人で遠いところで職探ししよう。プロポーズ?

・権藤の家、差し押さえ?お金無さ過ぎ。女を追うためか無断欠勤や早退を繰り返しているから。なんでクビにならない?

・女と落ち合うところにいない。どこにもいない。

・所長は女がいなくなったのをいいことに、ストーカーに仕立て上げて保身をしたようだ。生きていてなによりだが。

・権藤が、昔のむらさきのスカートの女のようになってしまった。本当に黄色のカーディガンの女と呼ばれる日も近いのかもしれない。

・女はどこへ、結局何者だったのか。どこへ行ったのか。

・謎を残したままで話が終わる。所長が落ちてからのテンポが良過ぎて、急に話を止められた感がある。

○芥川賞受賞記念エッセイ
今村夏子さんのいくつかのエッセイがあった。自分の過去の体験も作品に反映されているんだな。小説家って書くのが好きでしょうがないひとがなるもんだと思っていたけど、この人は違うみたい。自分の本は家にない、気持ち悪く感じる。意外だった。楽しんで書いているというよりは何かに突き動かされているのかも知れない。

○読み終わって
所長と女が揉めるシーンからは一気に読んでしまった。疾走感がすごい、あれよあれよという間に終わった。女はどこへ行ったのか、権藤はこれからどうなるのかを明らかにしないまま話は終わった。まだ続いていくの?
そもそも権藤がなぜこんなにもむらさきのスカートの女に執着したのか明かされていない。自分の生活を投げ打ってまで、繋がりたかったのは何故なんだろう。疑問が残ってしまったなあ。話のオチが気になってどんどん読めてしまった。他の作品も読みたいなあ。

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