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これが今年の一冊

大人になってから、なる前からも、読書習慣は正直無くて。推し・QuizKnockの企画として、読書会LIVEというものがあり、そこから本を読むようになった気がする。読まなくても参加できるとは謳っているものの、参加するからには自分も読んである程度の感想を持って臨みたかった。仕事の休憩時間やお風呂に浸かりながら読むこともあった。

そんなにたくさん読んできたわけではないけれど、今年の一冊を選ぶとするならば、「君のクイズ」かな。


◎あらすじ
『Q-1グランプリ』決勝戦。クイズプレーヤー三島玲央は、対戦相手・本庄の不可解な正答をいぶかしむ。彼はなぜ正答できたのか? 真相解明のため彼について調べ決勝を1問ずつ振り返る三島は──。

◎感想
・「思考」がクイズに向かってしまうと記載があったが、クイズプレイヤーはみんなそうなの?職業病みたいなこと?自分の人生とリンクさせている?小説だから多少誇張されてるとは思うけれど。

・本庄のことを「広辞苑を丸暗記しただけのテレビタレント」と評価しているが、「だけ」じゃないよ!確かにアウトプットができなければクイズには強くなれないけれど。

・「問題」の一言で回答した本庄。まだ一言も読まれていないのに。QuizKnockの動画を見ていると、実際にできてしまうような、何かカラクリがあるとは思うけれど。やはりインパクトが強いシーンだった。

・高校生クイズにおいて、運の要素を排除してガチ難問を押し出したシーズンがあった。この時は正直あまり見る気にならなかった。真剣なクイズはもちろん楽しいけれど、ある程度のエンタメ性は必要なのだと思った。テレビ慣れして空気が読める本庄がいることでテレビ番組としての形を作ることができたのだ。

・自分がクイズに囲まれているような感覚を得た。
生きている中での実体験からクイズ出る。逆にクイズで得た知識を実体験で感じる。これは私も共感できる感情だなあ。

・「東大主席の男」「IQ200の天才」のような肩書きについて
クイズ大会を作りたい訳ではなく、あくまで「番組」を作りたくて大きい肩書きを出演者に付けたいんだろうな。純粋にクイズが好きな人からすれば余計なことに感じるだろう。

・クイズプレイヤーは魔法使いではない
QuizKnockでクイズを回答するまでの考え方について聞くまでは、脳の作りが違う、とんでもない人達の集まりなんだと思っていたが。それを聞いた後は、考え方・ロジックの美しさを感じた。

・白瀬矗!!
これはQuizKnock民、テンション上がるよね。

・本庄の建前から本音までを語るシーン
頭が良いし賢い人間だと思う。今後の望みのための話題作りだと話すところは野心の高さを感じて驚かされた。クイズが純粋に好きな三島からすれば、無力感?脱力感?に繋がるところだ。

・三島が信じているクイズと、本庄が対策してきたクイズは別物だった。あくまで本庄はビジネスだ。クイズに対する考え方やスタンスが違う。スタンスは違うとしても、本庄は出題傾向を研究し尽くし、努力していたわけで。

・クイズと人生をリンクさせている三島。正解の「ピンポン」は自分自身を肯定してくれている感覚になる。

私自身も「競技クイズ」に詳しい訳ではないが。これまでテレビで見てきたクイズプレイヤーたちの「魔法」の種明かしになる本だった。それを知ることでクイズの楽したを理解できると思う。理解してからクイズを見ると、今までとは違った世界が見えてくるかもしれない。そこまで分厚い本ではないので、世界観に引き込まれて一気読みできた。

QuizKnockやクイズそのものに興味・関心があるからこそ、ベスト本に挙げたところはあるが。それがなくても、話のテンポの良さや謎が少しずつ解けていく気持ちの良さは今年読んだ中で一番だった。

来年も良い本とたくさん出会いたいな。

#今年のベスト本

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