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読書したよ

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読書記録。スローペースで読み進めているので更新少なそう。
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240506◇『東京都同情塔:九段理江』を読んだ

240506◇『東京都同情塔:九段理江』を読んだ

◎読む前

第170回芥川賞。タイトルが気になり読むことにした。

◎あらすじ

日本人の欺瞞をユーモラスに描いた現代版「バベルの塔」。

ザハの国立競技場が完成し、寛容論が浸透したもう一つの日本で、新しい刑務所「シンパシータワートーキョー」が建てられることに。犯罪者に寛容になれない建築家・牧名は、仕事と信条の乖離に苦悩しながら、パワフルに未来を追求する。ゆるふわな言葉と実のない正義の関係を豊かな

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240418◇『不器用で:ニシダ』を読んだ

240418◇『不器用で:ニシダ』を読んだ

◎ 読む前

Twitterで小説の書き出し1文目だけ書いているのを見て、とても興味が湧いた。タイトルと文章を見て、続きが読みたくなるんだよな。YouTubeやテレビでは相方のサーヤ氏の優秀さが目立つが、物書きにおいてはニシダ氏のセンスに脱帽だ。

◎覚書

★「遺影」
中学1年の夏休み、ユウシはクラスでいじめられている女子の遺影を作らなくてはいけなくなった。
貧しい親のもとに生まれてきたアミと僕

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240312◇『人間標本:湊かなえ』を読んだ

240312◇『人間標本:湊かなえ』を読んだ

◎読む前

表紙の蝶がとても印象的で。ジャケ買いした本。「イヤミス」って「読後、嫌な気持ちになるミステリー」なんだ。知らなかった。最高傑作と本人もおっしゃっているみたい。楽しみ。

◎覚書

・最初の数ページ、口絵として少年の標本が何点か載っている。この時点で怖い。でも、美しい彫刻のようだ。

・多数の中の少数が、やはり可哀想な存在になるのか。

・捕まえてから墓を作るまでが一連だった僕に、標本を

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これが今年の一冊

これが今年の一冊

大人になってから、なる前からも、読書習慣は正直無くて。推し・QuizKnockの企画として、読書会LIVEというものがあり、そこから本を読むようになった気がする。読まなくても参加できるとは謳っているものの、参加するからには自分も読んである程度の感想を持って臨みたかった。仕事の休憩時間やお風呂に浸かりながら読むこともあった。

そんなにたくさん読んできたわけではないけれど、今年の一冊を選ぶとするなら

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『ハンチバック:市川沙央』を読んだ

『ハンチバック:市川沙央』を読んだ

◎読む前
芥川賞受賞のニュースを見て、すぐに書店に買いに行った。7月の話。すっかり積読になってしまっていた。やっとこさ手を伸ばせた。

◎覚書
・ハンチバックの意味
背骨が弓のように大きく曲がっていること、またそうした人のこと。自身の経験が作品に盛り込まれているのは30%ほどとインタビューで答えていらっしゃったが、もっと盛り込まれているんじゃないかと思うくらい重たい話だった。

・こたつ記事ライタ

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『噛みあわない会話と、ある過去について:辻村深月』を読んだ

『噛みあわない会話と、ある過去について:辻村深月』を読んだ

積読になっていた本を引っ張り出し、電車移動のお供にさせてもらった。カガミの孤城とかツナグはタイトルは知っているものの読んだことや映画で観たこともなかった。

ホラー小説を読んだような恐ろしさを終始感じていた。

誰かに傷つけられた人達の思いや恨み辛みを長い年月をかけて煮詰めたものを目の当たりにした。私は第三者としてその物語を見つめているだけなのに、心がギュッと締め付けられるような感じがした。重たく

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『宙ごはん: 町田そのこ』を読んだ

『宙ごはん: 町田そのこ』を読んだ

○読む前
私にしては珍しいジャンルを選んだ。心温まりそう系はなんだかむず痒くて。自分の境遇とは重ならないから共感できなさそうで手をつけないことが多い。ただ母とママがいるという特殊な条件が付いたので、興味が湧いた。

○覚書
◎特別掌編 君との出会いと誓い

恭弘は学生の頃から好きな女性に何度も告白したが受け入れてもらえなかった。父親のいない子どもをひとりで産み落とした時も手を差し伸べさせてもらえな

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『星の子:今村夏子』を読んだ

『星の子:今村夏子』を読んだ

○読む前
『むらさきのスカートの女」を読み、他の作品も読みたくなった。あらすじを見て気になったので。表紙の星空いいなあ。

○覚書
・未熟児で生まれたわたし(ちひろ)。いろんな病気をしていたらしいが覚えていない。両親も姉(まさみ)も気が気じゃなかったろうなあ。

・父の同僚からとある水を勧められた。金のめぐみ。湿疹を優しく撫でるように清めるといいと。胡散臭いけど縋るしかないのか。娘のためならなんで

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『むらさきのスカートの女:今村夏子』を読んだ

『むらさきのスカートの女:今村夏子』を読んだ

○読む前
多分TikTokで本の紹介する人の動画が流れてきたのが知るきっかけ。書店でもよく見るようになった気がする。
…私が無知でした。芥川賞受賞されていたんですね。賞がすべてではないけれど、より楽しみになった。

○覚書
・むらさきのスカートの女。小柄な体型と肩まである黒髪。若くはない。

・わたしも最後の一口大切にする派だなあ

・むらさきのスカートの女は良くも悪くも有名人みたい。たしかに名物

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『許されようとは思いません:芦沢央』を読んだ

『許されようとは思いません:芦沢央』を読んだ

○読む前
Kindleからのおすすめで。表紙の彼岸花たちが不穏な雰囲気出してるなあ。短編集か。

○目撃者はいなかった
・営業成績が急に伸びた。試算していた額よりもはるかに大きい。何故。

・入力ミスで誤発注になっていたことに気づく。褒めてくれた上司に顔が立たない。正直に言い出せず隠し通す策を練る。

・なんとか誤魔化して帰る間際に、事故を目撃してしまう。

・「死とはドラマや映画、あるいはニュー

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『障害報告:システム不具合により、内閣総理大臣が40万人に激増した事象について:長谷川京』を読んだ

『障害報告:システム不具合により、内閣総理大臣が40万人に激増した事象について:長谷川京』を読んだ

○読む前
Kindleのおすすめに出てきた。
本の表紙とタイトルの異常さに心惹かれ、読み始めた。表紙には人の顔が無数に並び、テレビの砂嵐みたいなザザッとした感じが不気味さを掻き立てる。

○ 障害報告:システム不具合により、内閣総理大臣が40万人に激増した事象について
・今で言うマイナンバーカードみたいな、国民皆管理統合データベース上の不具合で職業・総理大臣として多くの人が登録されてしまった。

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『名称未設定ファイル:品田遊』を読んだ

『名称未設定ファイル:品田遊』を読んだ

◯読む前
元々QuizKnockとオモコロチャンネルとのコラボから、ダ・ヴィンチ・恐山氏を知る。仮面を付けた姿に最初は不気味さを感じていたが、放たれるワンフレーズがとても気持ちいい、面白いものばかりでスッカリハマってしまった。著書を出されていると知り、書店でうきうきと買ってみた次第。

◯猫を持ち上げるな
・猫のバステ。青いガラス玉可愛い。数行しか描写がないのにこんなに可愛いことある?2歳のキジト

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『体育館裏の殺人:青崎有吾』を読んだ

『体育館裏の殺人:青崎有吾』を読んだ

○読む前
きっかけはなにかなー。テレビかなー。
この本の存在を知り、読み始めた。
ミステリーもの、自分では謎解きできないけど、探偵が論理的に話を展開していくところが快感だよね。

○覚書
・四字熟語って、言葉短く、意味の濃度は高いけど。万人に伝わるかと言われるとその言葉を知らないと意味が分からないな。部長は本当に部活に熱心だな。

・金髪の女子生徒。誰かわかりそうなもんだけどな。そんなにみんなして

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『アイネクライネナハトムジーク:伊坂幸太郎』を読んだ

『アイネクライネナハトムジーク:伊坂幸太郎』を読んだ

◯読む前
伊坂幸太郎氏。お名前だけ存じております。
読書初心者なもので。
同タイトル、映画になったなあという記憶はあるが、多分見てないな。恋愛ものはあまり読んでこなかった。

アイネクライネは米津玄師氏の曲にもあるよね。

タイトルの意味を調べた。ドイツ語で、
アイネ(Eine) 女性形の不定冠詞
クライネ(kleine) 「小さな」の意味の形容詞kleinの女性形
ナハト(Nacht) 「

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