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読書感想文「ジョン・ロックー神と人間の間」加藤節
概要
自由で平等な市民社会の原理を探究し、民主主義の基礎を築いたジョン・ロック。
啓蒙の時代を準備した「光」の思想家を歴史に位置づけなおすことで見えてきたのは、「神なしではすますことのできない」宗教性と、「影」を色濃く帯びた思想的挫折であった。
自由、道徳、寛容、知性……人間にとっての基本的価値を根底から見つめなおす。
【本書より】
人間への信頼と失望
”人間は生まれたときは白紙で何物でもな
読書感想文 「ベロニカは死ぬことにした」パウロ・コエーリョ
あらすじ ※ネタバレ注意
ベロニカは死ぬことにした
借金とか病気とかそういうものとは違う、未来への不安で死ぬことにした。
しかし、自殺は失敗。ベロニカは精神病院に入院となった。
そこで様々な入院患者と交流することでベロニカに変化が現れる。
狂人とはだれか
苦しい世界で死を選ばない人間と死を選ぶ人間
どっちが狂っているのか。
主人公からしてみたら前者が狂っているように見えている。
しかし、世間
読書感想文 「夏への扉」ロバート・A・ハインライン
あらすじ ※ネタバレ注意
ダンは親友からも婚約者からも裏切られて、職も金も全てを失う。
頼るものは愛猫のピートと幼いリッキィのみとなる。
さらに親友と婚約者の策略にハマり、ダンはコールドスリープすることになる。
30年後眠りから覚めたダンの元には多くの謎が。
自分がアイデアのみ思いついていた機械が実現化されていたり、リッキィが結婚していたり。
ダンは何とか真実を解明するために動く。
コールドスリ
読書感想文『トマス・アクィナス 理性と神秘』 山本芳久
本書を読んで勝手に考えていた事
勝手な思い込みではあるが神学と他の学問との親和性があると思ったことはこれまでなかった。
絶対的な創造主がすべてを決めているというのは新しい発見と相反するものであると思っていたからだ。
ぱっと思いつくものだと「天動説と地動説」や「進化論」といったものはキリスト教的な考えと相反している科学と敵対していたイメージがあった。
しかし、そんなイメージは本書によって多少変わっ
読書感想文『プラトンの哲学』藤沢令夫
概要
西洋哲学の祖と言われるプラトン。
彼は師匠プラトンの「無知の知」を後世に残し、イデア論で形而上学に多大な影響をもたらした。
対話といった手段でものを残したプラトンは誤解も多く存在する。
プラトンの思想とは何だったのか。
無知の知
無知の知と言ったら言葉だけは知っている人も多いだろ。
知らない事を知っているという意味だが、知っているとは何をさすのだろうか。
ソクラテス曰く、知っているとは
読書感想文『神曲 天国篇』ダンテ・アリギエーリ」
ネタバレ注意
あらすじ
ダンテはベアトリーチェに天国を案内される。
そこで神に対する疑問をことごとく解決していく。
そして、ベアトリーチェや聖人の力添えで最上位の天国に達するのだった。
知能の限界
ダンテは間違いなく天才であろう。そして聖職者としても優秀であった。
しかし、政変によって追放された。
それは耐えがたい苦痛であったのだろう。
それでもダンテは神を信じ、自分の境涯を含めてすべての
読書感想文『神曲 地獄篇』ダンテ・アリギエーリ」
ネタバレ注意
あらすじ
気が付くとダンテは森を彷徨っていた。
そして、猛獣に追われているところを師匠であるヴィルジリオが現れダンテを救う。
ヴィルジリオはダンテに地獄を通り、煉獄を抜けてる方法を授けるという。
そして天国はヴェアトリーチェの導きで行けばいいという。
ダンテは迷うも師の励ましでその度を決意する。
地獄にはダンテの政敵などが多くいる。
皆、死にたくても死ねないのだ。
師匠の案内でダ
読書感想文『飛ぶ教室』エーリヒ・ケストナー
※ネタバレ注意
あらすじ
とある中高一貫校の寮生活での出来事
ふたつの大きな出来事と小さないくつかな出来事で学生たちが苦難を乗り越えていく話。
一つ目の出来事は、脚本や全てを皆で協力して「飛ぶ教室」という題名のお芝居をすること。
二つ目の出来事は、仲の悪い他校生から監禁された友達を救い出すこと。
子供の頃の事を皆忘れている
「どうしておとなは、自分の子どものころをすっかり忘れてしまい、子ど