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【事例】ファジアーノ岡山がファジフーズに電子マネー決済を導入する件

今回のお題はこちら。

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①ファジフーズに電子マネー決済を導入する件

表題の通り。ザックリ調べた限りではファジアーノが電子マネー決済を導入するのは初めてのことみたいですね。対象は下記の通り。

IDやQUICPayなどには対応していないようですが、多くの交通系ICカードに対応しているのは高評価。特にアウェイサポにとっては各地の交通系ICカード決済に対応していると便利でしょう。

余談ですが、ファジアーノの話だけではなく、観戦情報のページとかに決済対応について記載があった方がいいと思うんですよね。売店によって違ったりすると大変ですけど。

②スタジアムにおける電子マネー決済

ただ、スタジアムにおける電子マネー決済はそこまで珍しいものではありません。

実際に、我らがサンフレッチェ広島もスタジアム売店でEdy決済を導入しています。ちなみにこれは2005年に始めたもので、しかもJリーグで初めての試みだったそうです。時代を先取りしすぎた…。

Jリーグ試合会場で、当日券売り場およびグッズ売り場に電子マネー≪Edy≫システムを導入したのは、サンフレッチェ広島(広島ビッグアーチ・広島スタジアム)が初めてとなります。

そもそもスタジアムにおける電子マネー決済が導入されたのは、世間で電子マネーが普及したというのも一因ではありますが、2008年にJリーグ全試合対象観戦記録システムを導入(いわゆるワンタッチパス)したことでICカードが広まったことも見逃せない理由です。

2013年の新潟経営大学地域活性化研究所設立15周年記念シンポジウムにおいてワンタッチパスに関する講演があったのですが、そこでの説明によると、Edyを導入するクラブもあれば、何も導入しないクラブもあれば交通系電子マネーを導入するクラブもあったとか。導入内容もクラブによって違うんですね。

交通系カード、ジェフ千葉はSuicaをシーズンシートのカードにしたり、サンフレッチェ広島だとPASPY、これは広島電鉄がつくっている市内のバス、路面電車で利用できるマネーです。愛媛FCだと伊予鉄い~カードというものがあるのですけれども、それをシーズンシートにしています

③フードエリアにおける電子マネー決済事例

というわけでスタジアムでの電子マネー決済自体は珍しいものではないのですが、ファジアーノの電子マネー決済導入が特徴的なのはフードエリアに導入したこと。

ただしスタジアムのフードエリアにおける電子マネー導入もファジアーノが初めてではありませんでした。代表例はガンバ大阪の市立吹田スタジアムでしょう。

市立吹田スタジアムではスタジアム内グルメブース・グッズショップで電子マネー・クレジットカードが使用可能とのこと。以前観戦した際にnanacoで決済できたのでフード購入が非常に楽でした。流石最先端のスタジアム。

この他にはユアテックスタジアム仙台でもグッズ売店及びスタジアム内飲食売店でnanaco決済が可能なようです。また、スタジアム附属店舗ではありませんが、カシマスタジアムの居酒屋ドリームも多種多様な電子マネー決済に対応していました。

ちなみに、「テント型のフードエリアで電子マネー決済を導入するのは初めてではないか?」という指摘もありました。それは確かにそうかも。

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④電子マネー決済導入による効果

さて、そもそも論となってしまいますがなぜスタジアムにおいて電子マネー決済を導入した方がいいのでしょうか。参考になる話をいくつか引っ張ってきました。

なお、この会員ICカードの多くは電子マネー機能の搭載が予定されており、スタジアムにおける購買を可能な限りキャッシュレス化して、待ち時間の短縮、スタジアム観戦の満足度の向上につなげてゆきます。
お客様に電子マネーの利用登録を済ませたおサイフケータイやICカードをかざしてもらうだけ。今まで当たり前だった現金のやり取りが無いため、ユーザにとって気軽に使えるということもあり、導入後は一人あたりの購入金額が向上しました。
またブンデスリーガのスタジアムでは、ほとんどのクラブで電子マネーを導入している。クラブによってカード代は2〜10ユーロ(約240〜1200円)となり、売店は電子マネーでの支払いにより、少しでも混雑を緩和する効果がある。またこのカードは、帰りに返却窓口で換金してもらうことができるが、毎試合のように来るファンはそのまま自宅へ持ち帰る。
スタジアムで「電子チケット」や「電子マネー」を導入するメリットは、主催者にとってもファンにとっても大きい。まず、主催者側からすると、「紙のチケット」と違い、スタジアム内でゴミが出なくなり、偽造も難しくなる。観客の入退場時のオペレーションも簡単になるので、本格的な導入が進めば人件費も削減できる。ファンの視点では、チケットの紛失や盗難の心配もなくなり、入退場時やスタジアム内の飲食店での待ち時間が減る。

上記のように、決済の迅速化と購入金額の増加が最大のメリットになるのでしょう。

これらはもちろんその通りなのですが、個人的にはそれだけではなく顧客情報の収集にも活用できるのではないかという風に思っています。そのためにも「スタジアム+地域」で独自の電子マネーを構築できればいい理想だなと。

地域型電子マネーというのは珍しいものではありません(広島の場合はHIROCA)。そういった電子マネーを作って顧客情報を収集することでCRMに繋げられないかなと妄想するのです。もちろんクラブ単体では難しいでしょうから地元スポンサー企業と協力してそういったものを構築できればいいだろうなって(ちなみにHIROCAのシステム構築等に係る助成金は1.8億円だったそうです)。

もちろん電子マネーの導入というのはコストがかかるものです。というか加盟店手数料も差っ引かれるので利益率を押し下げる要因にもなります。

ただスタジアム周辺の混雑を考えると電子マネー決済というのは今後も進めてほしいなと思います。小銭がじゃらじゃらするのは面倒くさいですし。

サポートして頂いた金額は、広島のスタジアム建設募金に全額寄付する予定です。