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偏愛食品#445:豆大福の幸福(1764/1000)

語る人によっては東京三大豆大福なんて言われることがある。
私が知っているだけでも、40年以上会社の前で商っているお店が群林堂。

会社側から撮ると中央分離帯の向こうに見える

これがね、豆がたっぷり入っていて大ぶりで、あんこみっしり皮もっちりで素朴に美味しいのですね。

西の雄、京都の出町ふたばの豆餅ももちろん美味しい。

そしてなんとも不思議なことに、タケノコもそうなんだけど、京都のものははんなりしていて手弱女ぶりなんですね。優しくて柔らかく、雅な味わい。

一方群林堂のものは、武骨で大ぶりで益荒男ぶり。質実剛健で勇ましい味わいがする。
もちろん優劣があるわけではなくて、明確に違いがある、ということを言っております。旨さの方向性が異なっているのが興味深い。

その群林堂、ご家族の体調が悪いということでしばらく休んでいたのだけれど、このごろは店を開けているようだなぁ~。
と気づいてから、実はずいぶん経った気がする。
交通量の多い道路の向こう側に店があるので、わざわざ様子を見に行くのもめんどくさくて、そういうぼんやりした認識になっておりました。

でも今日は道の向こうの郵便局に出かける用事がありまして。
そのイキオイをかって店まで行ってみたところ、開いてる売ってる豆大福。
ならば、と久しぶりに買ってみた次第。
なんて些事中の些事をわざわざ書く必要があるのだろうか? なんて疑問はあるものの、書いてしまったのだからしようがない。このまま続けますよ。

60の声を聴くまでさほど甘いものに興味を持たない人生だった。(と、些事は続くよどこまでもだけど、大丈夫ですか?)
それが突然大転換したのは、ワタシの見立てではコロナと糖尿病のせい、というかおかげというか。

コロナで2年くらいほとんど外食(というか外飲)をしなかった期間、ほぼ毎月500gくらいずつ体重が減っていった。それまでいかに過剰なカロリーを外で摂取していたかがわかろうというもの。そのとき気づいたのは、「家では泥酔しない」という真理でした。たくさん飲むとついつい食べて、あの体重を維持していたのだな、なんとも無駄なことに。
そして同じころ、糖尿病の治療薬が変わり、積極的に糖を排出するタイプになったとたんにあら大変。ちょっとずつ甘いものを食べるカラダになってしまったの。
つまり、アルコール由来の糖分摂取量が減り、さらに薬が必要以上に糖分を排出してしまうため、これじゃ全然足りないよ、とカラダが訴えたのではないかしらん。ホメオスタシス!

そんな内なる声に導かれ、群林堂の豆大福を食べて幸せなひとときを過ごしたという些事を、いい加減な匙加減でしたためたのでありました。
おしまい。



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