抹茶スイーツ?八ツ橋?いえ、私は京菓子で四季を楽しみます
こんにちは。POOLOJOB受講生のChisatoです。
今回のテーマは、日本再発見の旅。
再発見といっても、ジャンルは多岐に渡り、何にしようかと悩む……
インフラ?アニメ?和食?ウォシュレットトイレ?芸能?伝統工芸品?
(海外旅行から帰国したときの、日本のトイレは本当に感動します)
いろいろあるなか、いつもの旅を一味違った旅にさせる提案をしたい。
そこで、私が提案するのはこちら!
「京都の暮らしに根付いた、京菓子の魅力、再発見」
こちらを読んでるあなた、抹茶スイーツや八つ橋、みたらし団子だけだと思っていませんか?デコレーションされた串団子に、夏はかき氷、と思っていませんか?
言わせてもらいます。違います。
京都には、暮らしの中に季節、そして年中行事にあわせた菓子の文化があります。同じ名称や行事でも、関東とは違うものが出てくることがしばしば。代表例が桜餅。しかしそれだけではありません。
この記事を読めば、きっと今までよりも、一味変わった体験として旅を楽しむことができるでしょう。そして京菓子を通してどれだけ四季が京都の暮らしに根付いているか、再発見する時間になるはず。
そろそろいつもとは違う旅がしたい、と考えているあなた。
京菓子を通して見える四季の魅力が、どういうものか。
一緒に見ていきましょう!
(今回は上生菓子や半生菓子なども、分かりやすく京菓子として括っています)
四季を楽しむ、京菓子の3つの魅力
1)五感で感じる
京菓子は、五感全てで季節を楽しめる面白さがあり、その時期にあった花や色、年中行事を表現しています。例えば、春は優しい色味のピンクや緑、夏は涼しく青や薄紫、透明といった色味を使用。秋は紅葉、冬から春にかけては椿や梅をイメージというように。
特徴としては季節にあった材料を使って、色や形、匂いでそれを表現。そうすることで、生活のなかに四季を感じる文化が根付いていきました。
ここで気になることが1つ。なぜ聴覚で楽しめるのか?
その理由として、古典文学や年中行事などにちなんだ菓銘が、つけられるようになったから。
古典文学には季語、年中行事には季節に催す祭事の名称があります。それらを菓銘として取り入れ、耳にすることで、四季を感じていました。
素敵な感じ方ですね。
2)千年以上も発展を続けてきた
千年にわたって、都がおかれた京都。その起源は貴族文化が華やいだ、平安時代。実は源氏物語にはすでに登場しているんですよ。
作中には、亥の子餅や椿餅などの場面が書かれています。
(現代語訳本でもいいので、作品を一度読んでみることをおすすめします。私は、光源氏の心の移り変わりの早さに、ツッコミが止まりませんでした)
そもそも当時、砂糖などの甘味料は、大変貴重なもの。
どれくらいかというと、朝廷や貴族のなどの一部の階級の者しか、食べることができませんでした。とはいってもここは都。日本の中心。
さまざまな良質な材料が次第に集まり、菓子文化はますます発展。
おかげで宮中から一般へと行事や文化が浸透し、季節ごとの行事が市民の生活の一部となっていきました。
3)その時期にしか食べられない
季節や年中行事のイメージを先取りして作られる。つまり、その時期でしか口にすることができない、ということ。それだけでもレア感がありますね。
お店によって内容が少し異なりますが、そのなかでも、旅行の時期と重なっていたら食べてほしい京菓子を、4つ紹介します。
1つめ、正月にだけ食べる「花びら餅」
挟まれている棒状のものは、甘く炊いた牛蒡です。牛蒡は結構驚きですよね。それを白味噌あんと紅色の羊羹を、求肥で一緒に包んであります。
茶の席では、初釜のお菓子として親しまれています。(初釜、気になる方は調べてみましょう)
2つめ、端午の節句に食べる「ちまき」
関東の主流は柏餅。しかし京都では、最近は柏餅も台頭してたものの、どちらかいえば、笹で包まれた細長い米粉のお餅を指します。大阪出身の私は、ちまきに馴染みがあったため、上京してこの文化の違いを知り、カルチャーショックを受けました。
ちまきは厄除けとして子どもの健康を願いながら食べます。お店によって数量は異なりますが、3本/5本/10本と束になっているため、友人とシェアできるのも、おすすめポイントです。
3つめは、6月30日に食べる「水無月」
今では6月の1ヶ月間売られてるところが多くなりました。
本来は夏が始まる直前の6月30日。各神社で夏越の祓が行われ、それにちなみ、無病息災を願って食べます。
この三角形や、上の小豆にも意味があります。
宮中では氷を食べて暑さを払っていたのですが、たいへん貴重で、一般には出回りません。そこで、ういろうを三角形に切って氷に模し、邪気払いの意味がある小豆を乗せ、そしてできたのが水無月。
日本人のなんとかしよう精神ってすごいですね。
水無月はスーパーでもこの時期売られているので、買ってホテルで食べるのも良さそうです。
最後は季節ごとに色が変わる、カラフルな「琥珀糖」
琥珀糖そのものは、1年中売られていますが、季節によって色を変えていくカラフル映えなお菓子です。そのため写真のような色味と形は、春にはありません。
寒天と砂糖、色素で作られ、食感は外側はシャリ、中はぷる。最近はそこに味付きのシロップを入れて、多種多様な色と味を楽しめるようになってきています。
まさしく現代によせた、季節を身近に感じられるお菓子の1つです。
定番スイーツ以外でも、京都は楽しめる
抹茶スイーツや八ツ橋以外でも、京都の四季を楽しめる京菓子。
それには時期によって違うものが食べられることと、色味や形でその季節を表現する美しさがあります。
またその歴史が京都の暮らしの中で、一緒に発展してきたのは、言うまでもありません。神社に参拝し、抹茶スイーツを堪能して、街中を散策というお決まりコースでは勿体無い!
その時期に出回る京菓子を通して五感で感じる、四季の魅力を再発見してはいかがでしょうか?
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