見出し画像

異世界おじさんにみる "濃いファン"を獲得するポジショニング戦略

こんにちは、匿名YouTube運営者ちょもすけです。

僕はアニメや漫画が好きで毎クールいくつかのアニメを追っているのですが、2022年の夏は『異世界おじさん』がえらく盛り上がりましたよね。

この作品は、よくある「現代人が異世界に転生する」物語の亜種で、異世界転生のメタ的なネタをうまくギャグに昇華しているのが見どころなのですが、個人的にはそれよりも『世代ネタ活用の上手さ』に注目しています。


世代ネタといえば、自分たちが子供の頃に流行ったテレビ番組や芸能人・ゲーム、おもちゃなどが鉄板ですが、異世界おじさんはゲームの世代ネタを取り入れるのが目茶苦茶うまいんですよね!

それも、単に最大公約数的なかたちでウケを狙うのではなく、濃いファンが多いマニアックな路線の世代ネタを集中的に使っているところが巧みなのです。


セガサターン

どういうことかというと、異世界おじさんでは昔のゲーム機 セガサターンをネタとして随所に盛り込んでるのですよ。

セガサターンは1994年に発売された過程用ゲーム機で、当時はプレイステーションと双璧をなし、覇権を争うほどの人気がありました。

しかし、後年にはプレステに大きく水を開けられる結果となり、セガサターン勢はマイナー派閥となってしまったのです。

僕は若干世代が外れているので当時の人気は分かりませんが、30代の方にわかりやすくいうと

・主流派閥:プレイステーション→ コロコロコミック
・マイナー派閥:セガサターン→ コミックボンボン

みたいな感じで想像してもらえると分かりやすいかなと。


異世界おじさんは令和のこの時代に、発売から30年近くが経過したゲーム機を、さらに言えばマイナー派閥側のセガサターンを作品の随所に盛り込んだわけです。

しかもアニメ版に至っては、セガサターンのゲーム演出をオマージュしたオープニングを堂々と流すほどの力の入れっぷりでした!

※僕の動画ではありませんので念のため


こうして往年のセガサターンファンの心をガッシリと掴んだ結果

・30代後半~40代の男性
・マイナー派閥で肩身の狭い思いをしていたセガ派のゲーマー

から熱烈な支持を得るとともに、SNSで拡散されて一気に人気を獲得していったわけですね。


セガサターンは覇権戦争でプレイステーションに敗れたこともあり、直撃世代でもネタが分からない人も多く、ましてや10代や20代の視聴者からすればさっぱりという意見も目にします。

しかしそういう層には、本筋の面白さで視聴する価値を担保しており、そのうえでネタが分かるセガサターン信者にはどストライクの濃いマニアックネタを投下してくるという二段構え。

また、作中でも「セガ信者のマイナー派閥ゆえの悲哀」が語られていて、ここも当時のセガ信者から強く共感されているようですね。


この異世界おじさんが採った戦略は、あなたのYouTube運営にも有益なヒントになります。

大筋の構成はある程度広くリーチできるネタやジャンルを選びつつ、動画の中で一部のマニアックな層がグッとくるネタを盛り込んでおく。

そうすると、大半の視聴者にはスルーされますが、ターゲットにした一部の視聴者がそのネタに反応してくれて、少数派ゆえの奇妙な仲間意識を抱いてくれるようになります。

その結果、チャンネルの濃いファンになって再生数の下支えをしてくれる貴重な存在になってくれることも珍しくありません。


多くの人に万遍なくアプローチしようとすると、どうしても内容を最大公約数的にせざるを得ず、面白くなくなるんですよね…。

そうなると、どうしても熱心なファンを獲得しにくくなってしまいますが、動画内にマニアックなネタを盛り込むようにすれば、その部分を楽しみに動画を観に来てくれる視聴者を増やせるわけです!


僕の運営するチャンネルでも同じような現象が起こったことがありますので、世代ネタやマイナーネタが持つファン化の力は侮れないなと感じています。

あなたのチャンネルでも取り入れられそうなら、ぜひ実践してみてください。


異世界おじさん

ちなみに異世界おじさんは、作中で主人公のおじさんが自身の能力を活かしてYouTuberとして生計を立てているという設定なので、YouTube運営者の方は別の角度からも楽しむことができると思いますよ笑


■追記

マニアックなネタを盛り込む場合、他のチャンネルがどんなネタを盛り込み、その結果どれくらい動画が伸びたのかをリサーチしておくとハズしにくくなります。

そういった競合リサーチに便利なツールを開発していますので、興味があればぜひこちらも確認してみてください!


この記事が面白かったなと思ったら、noteの『スキ♡』やSNSでのシェアで感想をいただけると凄く嬉しいです!

あなたの1タップの応援が僕の励みになりますので、どうぞよろしくお願いします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?