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働きながら3年で税理士試験で官報合格する方法~③TAC/大原の違い編~

今回は、私が独学、TAC、大原のそれぞれで学習した経験を活かして、主にTACと大原の違いについて書いていきます。
戦略編にも書きましたが、個人的には予備校はTACか大原の二択でありますが、両校の間に大きな違いはないと思っています。本記事はそれでもどちらにすればよいか気になる方に向けて、細かい違いを紹介していくという趣旨で書いています。なお、同じ科目のコースを大原とTACのそれぞれで両方受けたことはないため、Apple to Appleの比較にはならない点ご了承ください。
税理士受験にあたり、大切だと思うことは、①戦略編および②個別科目編に書いておりますので、ご参照ください。


1.カリキュラム内容

まず予備校選びにあたって個人的には一番重要なコースの内容について書いていきます。私が受講したコースは、TACでは簿記論の上級コース(1月から始まる受験経験者向けコース)、法人税の基礎マスター+上級コース(9月から始まる初学者向けコース)であり、大原では消費税および国税徴収法の初学者1発合格コース(9月から始まる初学者向けコース)になります。
初学者向けコースについて、TACと大原の一番の違いは、答練の始まる時期だと思います。TACの基礎マスター+上級コースでは、基本的に年内は講義中心の授業ですが、年明けからは受験経験者向けの上級コースと合流し、講義と答練が半々の構成になり、5月あたりから答練中心にシフトしていく形となっています。一方で大原の初学者一発合格コースは答練の始まる時期が遅く、3月あたりまでは講義中心、4月が講義と答練半々で、5月から答練中心になっていくため、比較するとTACの方が答練の量が多くなっています。そのほかの点ではカリキュラムに大きな差異はない印象です。

2. 講師

個人的に予備校選びにあたって重要な二つ目のポイントですが、講師の質は両者に明確な差異はなく、科目によるという印象です。
傾向として、TACは実務家講師が多い一方で、大原は科目合格者の若い講師が多い印象がありますが、全体的に見ると講師の質にあまり大きな差異はない気がします。ご参考までに、以下にわたしが受講した講師の中でおすすめできる方を記載します。
①簿記論のTAC河井先生: 個別科目編にも記載しましたが、河井先生は特におすすめです。問題量が多く解答テクニックが求められる簿記論において十分戦えるテクニックを教えてもらえる上に、答練の問題ごとの正答率表やA/B/Cのランク付けもしてくれます。
②法人税法のTAC櫻井先生: 法人税法はTACの東京地区で何人かの先生の授業を聴講したのですが、櫻井先生の教え方が一番分かりやすかったです。テキストの内容をさらうだけでなく、どういうことなのかを具体例を交えつつ分かりやすく説明してもらえます。
③国税徴収法の大原並岡先生: ベテランの講師で説明が分かりやすいですし、熱量がすごいです。

3. 受講料

予備校選びにあたって重要なポイントでの違いは1と2で述べました。以降は予備校選びの基準にになるほどの重要性はない両校の違いについて思いつくかぎり書いていきます。
まず受講料については大きな違いはないと思います。大原の特徴としては、通信と通学で料金が違うところでしょうか。通信の方が少し安く設定されています。一方でTACは通勤と通学で料金は変わりません。またTACには株主優待券を使えば10%割引になります。優待券は金券ショップ等で売っているためTACの受講を考えている人は買ってみてもいいでしょう。

4. テキスト

テキストについては、製本の仕方に大きな違いがあります。TACではテキストを数冊に分けて、普通の本の製本がされています。一方で大原はテキストを細かく分けずに、一個のテキストにまとめた上で、ページをバラバラに切り離して持ち運べるように端だけ簡単に止める形の製本にしています。ページをバラバラにする意図がなくてもバラバラになってしまうので、バインダー等にまとめておくのが良いです。問題集については両校とも普通の本の製本がされています。

5. その他

(1)復習内容の指示
TACでは復習内容は講師から口頭で説明があるのみですが、大原の場合は学習計画表というものが月1回配布され、講義ごとに理論や計算問題集などの復習項目が細かく指定されます。
(2)自習室
大原では自習室の使用には予約が必要ですが、TACは必要なく、空いている教室は自習として開放されています。私は家勉派なので講義の前後に少し利用する程度でした。TACの水道橋校と新宿校を利用したことがありますが、いつもどこかしら席は空いていたので、席がなくて自習できない事態にはならなかったです。
(3)答練返却
TACでは教室で受講した答練は校舎の返却BOXに返却されますが、大原では通信および通学のいずれの場合でも、提出した答練の原本は戻って来ず、採点した後のpdfデータをモバイル大原というサイトで受け取る運用になっています。個人的には紙で返却されるTACの方が復習しやすいです。
(4)総合問題演習
答練期になると、復習用の教材として両校とも計算の総合問題が配布されます。TACの場合は、答練期の授業のたびに"補助問題"として、過去の本試験問題やオリジナルの総合問題がプリントとして配布されます(問題と答案用紙2部ずつ)。一方で大原の場合は総合問題集としてまとめて冊子形式で配布されるため、本番さながらの形式で解くためには問題用紙と答案用紙を自分で印刷する必要があります。
(5)ファイナルチェック
TACでは直前期、通常のカリキュラム終了後にオプションでファイナルチェックという講座が開講されます。各科目2回のみで、大体本試験2〜3週間前に実施され、内容としては少し易しめの答練を解いて、解説授業をするというものです。大原にはこのようなプログラムはないですが、その分TACは通常のカリキュラムが大原より早めに終わる印象です。

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