見出し画像

テスト勉強から何を学ぶか

先日、のもきょうさんがVoicyで、こんなことを言っていた。

先生が教える時代は終わりました。先生は教えなくていいんです。
今の学校はコミュニケーションを学ぶ場所でしかないので、ほとんどね。コミュニケーションをしながらお互いに自分のスキルを提供して、そのスキルを合わせて何かを作るという練習をすればいいわけであって。仕事だって同じじゃないですか。

#484 (生放送)不登校・発達障害でお悩みの人にお勧めVoicyフェス対談8選をダラダラ話す(さわなおさん登場)

この回ではその後インクルーシブ教育にも触れているが、上記のような学び方がインクルーシブ教育の基礎であって、学校がこのような学び方を導入しない限り、インクルーシブ教育というのは実現不可能なのだと思った。

最後の、「仕事だって同じじゃないですか」にはハッとした。間違いない。自分の苦手なことは得意な人に頼って、自分の得意なことは最大限に活用する、そうやってチームで働くのがヘルシーな働き方だしヘルシーな職場だ。

仕事のできない人、というのは存在するかもしれない。でも、仕事のできない人でもできることや得意なことはあるはずで、その人の良さが発揮できるように仕事を組み立てるのが、マネージャーのする仕事である。そう考えると、真の「仕事のできない人」は、その人の上に立つマネージャーだ。マネージャーがそれができないのなら、その人はマネージャーには向いていないので、他の、自分の良さが活きるような働き方をした方がいいと思う。

本題に戻る。

学校がコミュニケーションを学ぶ場でしかないといえども、現状、学校にはテストがあって成績がつくし、受験だってある。そのための知識獲得的な勉強はしなければならないし、テストの点数は取るに越したことはない。なんだかんだ言っても、テストの点数で将来が決まるんだ。進路だって成績がいいほうがいいところに行ける可能性が上がる。だから学校の勉強はテストの点数が全てなんだ。

本当にそうだろうか。
私が相談室で顔を合わせる子どもたちは、テストや成績、偏差値に囚われすぎていると感じる。そのなかにはカーストに敏感な子も多い。とまあ、この話はまた今度。

テスト勉強や受験勉強から学ぶべきことは、卒業したら忘れてしまうような抽象的で膨大な知識や難解な数式の解法ではなく、テスト当日、模試当日、受験当日に照準をあて、この時に最大限のパフォーマンスを発揮するためには、今から何をどうやればいいかを考え、実行することだ。そして当日の結果から、何が足りなかったか、どうすればより良い結果が得られたかを考え、次に活かす。このサイクルを繰り返す。

点数は結果としてついてくるものであって、80点だろうが60点だろうがどうでもいい。「当日に最大限のパフォーマンスを発揮する」ということは、何も高得点をとるということとイコールではなく、自分が納得する結果を出すということだ。その目標は点数という形で決めてもいいし、決めなくてもいい。テスト勉強以外にもやりたいことややるべきことはあるだろう。どれだけの時間をテスト勉強に充てるのか、充てないのか、それを決めるのは自分自身だ。
勉強や勉強以外のこと、自分の性格(夜中じゃないと集中できない、1時間以上は勉強できない、複数の科目は同時に勉強できない、睡眠時間は8時間は必要等)、そのようなこともひっくるめてベストだと思う方法を考えて実行し、結果を見て修正する。

テストに向けてやるべきことをリストアップし、1日ごとの計画に落とし込むことは多くの子どもたちがやっていると思う。ただし、やりたいこととやるべきことのバランスをいかに取るか、ストレスがかかりすぎないようにいかに休息を取るか、自分の特性も踏まえた上で適当な計画を立てて実行している子どもは、そう多くないのではないかと思う。特に勉強漬けが当たり前の日々を送っている子どもほどそうではないだろうか。というのも、大人になってもそういうことがわかっていない人が少なくないからだ。それも、子どもの時にそれなりにお勉強ができた人のなかに、ね。

テスト勉強のたびに「自分のパフォーマンスを最大化するためにはどうするか」を真剣に考え、実行し、失敗し、改善してきた。それこそが価値ある学びであり、大人になったあなたに大きな武器を与えてくれるものだ。間違いない。

いい学校に行けなかった、そんなことは「今日は曇りだった」くらいの話なんだよ。
だいじょうぶ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?