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大人しりとりのススメ

先日、しりとりをする機会があった。
思い返せば、しりとりを最後にしたのはいつだったか。
もう何十年もしていなかったと思う。
久しぶりのしりとりは、思いのほかとても楽しかった。

しりとり遊びは子どもがするもの、暇つぶしに家族でするもの、くらいのイメージがあるが、大人にこそお勧めしたい。
その理由は、しりとりに「その人らしさ」がとてもよく表れてとても面白いからだ。

しりとりは、小さい子ども同士でするのはそれはそれで楽しいが、
その子どもが幼ければ幼いほど、さほど彼らの体験に違いはないので、出てくる言葉も似たようなものになる。
家族でやる場合も然りで、世代による差はあれど、同じような生活体験をしている人の間で出てくる言葉はそこまで大きな違いがない。
あるいは、親が子どもに合わせた語彙を使うようなこともある。

ところが、それなりに年齢を重ねて、人生経験や興味関心の違いが非常に個別的なものになってくると、しりとりで放たれる言葉は「その人」を表すようになる。
知らない言葉は出てこないのはもちろん、知っている言葉の中でも単語ごとのアクセスのしやすさはその人によって異なるので、面白いくらい多様な言葉が出てくるようになる。
また、言葉を頭の中から取り出すときにどのような方略で取り出すのか、あるいは情報をどのような形で貯蔵しているのか、によっても語彙のバリエーションは変わる。どのような形で情報を操作するかについても人によって異なるので、それに気づくとまた面白い。

ちなみに私は、どちらかというと音よりも文字で言葉を記憶しているため、ひらがなの一文字だけを思いうかべてもなかなか単語が引っ張り出せない。
単語は漢字で記憶されているからだ。なので、方略としてはひらがなの音に近いアルファベットを思い浮かべて、その文字から始まる英単語を探すと比較的短時間で引っ張り出せることが、今回の初めてわかった。
相手のことを知ると同時に、自分のことがまたひとつわかった気がして、とても面白い時間だった。

大人しりとり、機会があったら色々な人とやってみよう。

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